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英国発祥の“演劇教育”って? 日本の子供にどう影響を与えるのか

シアターインエデュケーション(TIE)を知っている人は、日本にほとんどいないだろう。演劇を通した教育だが、そこにはただ“鑑賞する”、“演じる”、といった従来の演劇との接し方を超えた、さまざまな手法が組み込まれている。一体どのようなものなので、どんな効果があるのか。

舞台と客席の垣根はナシ!

昨年12月22日、東京は四ツ谷の「シアター・ウイング」でTIE「クリスマスキャロル」が開催された。主催したのは一般社団法人日本グローバル演劇教育協会(GLODEA)。

GLODEAは日本に演劇教育を普及させるために、ワークショップの開催や講師養成を行っている。

この日、役者兼ファシリテーターとして舞台に立ったのは講師養成講座を受講した7人だった。脚本・構成・演出はGLODEA代表理事の別役慎司さん。原作はご存じ、チャールズ・ディケンズの小説だ。

参加者は保護者席とマット敷きの子供席に分かれて座る。舞台と客席の境界があいまいなのがポイントだ。

役者の呼びかけに大きな声で答える子供たち。それに対して役者が当意即妙に返していく。どこまでが芝居でどこからが出演者と観客のやり取りなのかもあいまいになっていくのだ。



参加型の劇で
楽しく自己肯定感UP

物語を進行させながら、役者と子供が対話をする「リフレクション」を組み込んでTIEは展開していく。

クイズやゲームを取り込んで、子供たちはすっかり夢中だ。

最初はパパとママの間で固まっていた女の子が、途中からどんどん興味深げになり、ついにステージに行き、シアターゲームのところでは一番に手を挙げて発表するというシーンもあった。

TIEは子供が参加することで劇が進んでいく。さらに、子供の反応に合わせて、臨機応変に舞台を創っていくため、不正解はないのだ。よって、子供たちに活躍しているという実感が湧きやすい。

このような安心できる空間は、自己肯定感を高めるいい機会になるだろう。また、作品は子供向けだからといって楽しいだけに終わらせず、深いテーマに向き合えるように作られている。

例えば「クリスマスキャロル」では主人公スクルージの変化がクライマックスだが、子供たちがそれを促すという役割を担うのだ。



今後、教育の重要ツールに?

終了後はクリスマスパーティーだ。役者たち、子供たち、パパママで交流し、子育てについて情報交換する場ともなった。

TIEはすでに英国では広く普及している。また、日本でも学校教育が、知識詰め込み型からアクティブラーニングを通して課題解決能力を養う方向に転換を始めている。

そのことから、今後TIEが小学校などで広く取り入れられていく可能性は高いだろう。GLODEAも学校や施設を訪問しての開催に意欲的だ。

また、事前事後学習との連動を重視していて、ここからも真の考える力、感じる力を育もうという姿勢がうかがえる。

TIEはパパママにとって、わが子の意外な一面を発見する場ともなるだろう。これからの教育で大きな役割を果たすことになるかもしれないTIEに、要注目だ。


DATA

GLODEA


Text:平井達也

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