産む前に教わらなかった4つのこと! これからの産前講座に期待するものは?
2019/11/14
存在さえ知らないパパもいるかもしれないが、産院や助産院、自治体などの主催で多くの産前講座が開かれている。母親学級、父親学級、両親学級と呼ばれているものだ。パパママともに出産、子育てに向けてさまざまなことを学べる場だ。どんなふうに役立っているのだろうか。
男性もいまや受講が主流!
産前産後のケアに取り組むNPO法人マドレボニータは、東京都の産前講座についてアンケート調査を実施、このほど結果を発表した。調査対象は本人もしくはパートナーが妊娠中〜出産後1年以内の、都内在住の300人(男性127人、女性173人)だ。
まず、今回の妊娠にあたって産前講座に参加したかを尋ねている。男性で6割超、女性では7割超が参加したと答えている。主催別では出産予定の産院、助産院のものが最も多いが、両親学級にかぎっては自治体主催のものが最多となった。
産前講座に参加しなかった人にその理由を尋ねた結果が下の表だ。最も多い理由は「前回の出産で受講したことがある」だった。さらに1人目の出産の人では「仕事を休めなかった」が一番の理由となっている。
男性も含めて産前講座に参加するのが多数派で、参加していない人でも、可能なら参加したいと思っていることがうかがえる。
どんなことが学べるの?
産前講座のメリットって?
産前講座の内容は、妊娠中の体調管理、新生児のお世話の仕方からパートナーとの協力体制の構築まで多岐にわたる。こうした内容で何が役に立ったか、不安の解消につながったかを尋ねた得た回答が以下だ。
確かに、産前講座のような場に出かけてみないと改めて学ぶ機会がないテーマが並んでいる。先の「参加しなかった理由」には「本やインターネットなどで同じ情報が得られるから」というものもあったが、講座では専門性を備えた講師が責任をもって教えてくれる。また、対面で質問する場ともなるため、講座とメディアを上手く併用するのがよいだろう。
こんなことも知りたかった!
~講座経験者の声~
アンケートでは、産前講座で教わっていないことで、教えて欲しかったことは何かも質問している。結果は次のようになっている。
こうした回答を踏まえてマドレボニータでは、産前講座で教わっていないことで教えて欲しかったことは下記の4つだとまとめている。
①授乳の過酷さや排泄の回数の多さとそのお世話の大変さ、赤ちゃんの寝かしつけの大変さや夜中に頻繁に起きることといった「赤ちゃんのお世話の現実」
②父親の出産時の関わり、出産直後からの育児への関わりといった「父親になるための具体的な準備について」
③出産後の女性のホルモンの急激な変化、体の不調や違和感、精神状態の不安定さといった「出産後の女性の心身の変化」
④赤ちゃんはいつ頃どのくらいの大きさになるのか「赤ちゃんの身長と体重の目安」
子育て参加は出産前に始める!
特に一人目の出産の場合、パパはママ以上に、産前に何を学べばよいのかわからないだろう。パパにだって不安はたくさんあるはず。また、ママだけが知っておけばよいことなど実は一つもないはずだ。
産前から夫婦で講座に参加しパートナーシップを固めておくことは、出産~子育てと続く大変な時期を乗り切るために大きな力になる。主催者側には、講座内容によりパパ側の視点を盛り込むとともに、講座実施にあたって土日の開催など、パパが参加しやすい工夫が求められるだろう。
男性の育休取得の気運も高まっているが、産前の段階からパパが当事者意識を持てるようになることで、子育てへのパパの参加もより進んでいくのではないだろうか。
DATA
非営利活動法人マドレボニータ「東京都の産前講座に関する調査」
Text:平井達也