もしかして音が聞こえていない…? 子供の聴覚トラブルについてパパに知っておいてほしいこと
2019/07/22
多くの子供は、生まれた時に新生児聴覚スクリーニング検査を受診する。しかし、それ以降は親や教師が問題があると感じたときにしか聴覚の検査は行われない。今回は、子供たちの聴覚について親に知っておいてほしいことを、聴覚学者のアミナ・ベガム氏に解説してもらった。
Q.聴覚のトラブルにはどのような兆候が見られますか?
A. 子供に話しかけたときに、アイコンタクトをとらなかったり、赤ちゃん言葉でもいいから何らかの言語表現をしてこなかったら、それは聴覚トラブルの兆候といえます。
アイコンタクトはするけど、言葉での返事はしないという場合も要注意です。
例えば、何かを指し示すだけで、発話はしないという場合がそれです。
Q. 初めて聴覚の専門家に相談しにいくときに
準備しておくべきことは何ですか?
A. 両親の診断履歴を調べておくことですね。
両親が子供の頃に聴覚検査を受けたことがあるか、そしてなぜ受ける必要があったのか。
聴覚検査で要注意の診断を受けた子供たちは、両親も何らかの聴覚の問題を抱えていたということが多いのです。
聴覚検査のために赤ちゃんをじっと座らせておくのは非常に難しいので、親の診断履歴を知っておくことはとても大切なのです。
Q. 子供の聴覚診断とはどのようなものなのです?
A. 年齢に応じて、様々な検査があります。新生児の場合、寝ているあいだに電極を用いて検査を行いますが、生後8ヶ月くらいになると「プレイ」と呼ばれる検査を行うことになります。
専門家が室内に2人、別室に1人いて、おもちゃを使って検査をします。
赤ちゃんに音の出るおもちゃを渡し、音に対して頭部がどのように動くか、あるいは動かないかを見て、どれくらいハッキリと音が聞こえているのかを計測するのです。
もう少し年齢が上の子供の検査にもおもちゃを使います。
「人形をボートに乗せて」というような指示を出して、しっかり聞こえているかを判断するのです。
そして5歳以上になると、ピーという音が聞こえたらボタンを押すというスタンダードな聴覚検査になります。
Q. 子供が聴覚に問題を抱えているかもと思ったときに取れる対策は?
A. 神経に原因があれば聴覚自体が発達しないということもありえますが、それでも早いうちから補聴器をつけることで脳の機能を守ることができます。
補聴器は、よりよく聞こえるようにするために別の神経を使うことや、新しい神経領域を形成することを脳に教え、子供のコミュニケーションスキルが損なわれることを防いでくれるのです。
子供の言語能力がすでに発達してしまってから症状が進行していると分かっても手遅れということがありえるので、早めの対策が必要といえます。
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FQ UKより転載