夫婦の距離感 vol.02 “セックスレス”
2014/04/16
挿入や射精にこだわらず
セックスを自由にデザインする
「世間的に、セックスは挿入、射精をもって1回と数えたりしますが、そんなルールはありません。むしろ、そこにこだわる必要はない。優しく抱き合うだけだっていい。男性的な考えからすると『そんなのセックスじゃない』となりやすいですが、これがとても大事なポイントです。特別な決まりはないのだから、夫婦で自由にデザインしていいのです。産後の妻の体は、出産前とはまるで別のものになっています。妻と一緒にひとつひとつの違いを確認しながら、自分たちオリジナルのセックスを作っていってほしいですね」。
産後に訪れるセックスレスは、夫婦関係をレベルアップさせるための試練だと前向きにとらえよう。2人で手を取り合えば、この試練は笑顔で乗り越えられるのだ。
JASH 山口氏がアドバイス!
セックスレス最短解決のポイント
1産後セックスは産前と全く別ものと考えるべし!
2人のセックスを再開するのではなく、新しいセックスを2人で“見つけていく”もしくは“作り上げていく”ととらえ、ゼロからスタートしよう。産後は夫婦にとって「セックスとは何なのか」を考える、いい機会とも言える。
2セックスとは「ラブ・コミュニケーション」である!
自分の性欲を満たすためだけのセックスは、「相手のカラダを借りたオナニー」にすぎない。セックスは相手あってのもの。妻の体調や心の状態を優しく気遣おう。それもセックスの一部分であり、最高の愛撫と言えるのだ。
3妻を知る最高の教科書は「妻自身」と知るべし!
産後のセックスは、妻の“今”を知ることから始めよう。どうしたら喜ぶのか、どうされたらイヤなのか。その答えはハウツー本ではなく、妻自身の中にある。普段のコミュニケーションを大事にすれば、答えは自然と見えてくるはずだ。
2人目をつくるのは
妻のOKサインを待ってから
2人目の妊娠については、完全に妻が「欲しい」「いける」という状態になってからにしたほうがいい。1人目が落ち着いていない時期に次の妊娠をすると、妻にとっては肉体的にも精神的にも大きな負担になる。これがさらなる産後クライシスを導く最悪のシナリオだ。妻が2人目の妊娠を前向きな気持ちで迎えるか、そうでないかでは雲泥の差がある。夫婦関係はもちろん、子供の生育にも大きな影響を与えかねないので注意してほしい。
……とはいえ男の性欲は
簡単に抑制できるものでもない
産後の授乳期などは、何をどう頑張ってもセックスできないことが多い。男性もその期間に都合よく性欲が抑制されるわけではないので、欲求不満に悩まされる。そんな時は、マスターベーションを再構築させるのが正解だ。自慰は「恥ずかしいこと」ではなく「楽しいこと」とイメージチェンジしてほしい。その考え方は、妻とのセックスにも反映される。自分の快感や性欲について、または性の深みについてなど、いろいろと考えるきっかけにもなるだろう。
>>>PROFILE
NPO法人
JASH 日本性の健康協会
代表理事 山口いわおさん
2011年、会員制コミュニティー「夫婦の性と愛を考える会」を発足後、2012年に任意団体として「JASH日本性の健康協会」を設立。2013年10月にNPO法人化。夫婦や男女の性に関する悩みや問題に取り組み、カウンセリングも積極的に行っている。
■『夫婦の距離感 vol.03』は4/23(水)公開
テーマは「夫婦間ディスタンス チャート診断」
Text >> TAKESHI TOYAMA
【夫婦の距離感 prologue】はコチラ
【夫婦の距離感 vol.1 産後クライシス】はコチラ
※FQ JAPAN vol.29(2013年冬号)より転載
(2014.04.16up)