注目キーワード

時事・コラム

NHKで話題になった”ボスジレンマ”とは? パパ世代が部下の代わりに残業

最近NHKのニュース番組で取り上げられた「ボスジレンマ」を知っているだろうか。働き方改革が進む一方で、イクボスが陥っている苦境だ。今回はNPO法人ファザーリング・ジャパンの代表である安藤哲也さんにボスジレンマについて話を聞いた。

働き方改革を丸投げされて
ボスがジレンマを抱えている

最近NHKのニュース番組で取り上げられたことで「ボスジレンマ」の認知が高まりました。イクボスが陥っている苦境を明確に表しています。その社会背景にあるのが、経営者側からは部下の労働時間短縮(残業禁止)を求められ、一方で業務量は減らない、という構図。結局、定時に部下を帰宅させてから、自分が業務をこなさねばならない。それでいて評価は上がらない、つまり昇給がない。これでは誰だってジレンマを感じてしまいます。



人生を楽しむため、時には
部下のモチベーション管理も必要

ボスジレンマを抱えている人へのアドバイスは、この連載で何度かお伝えしていますが、近視眼的に今を見ず、人生は寄せ鍋である、と認識すること。家庭・友人・趣味・仕事……それら全てが大切な人生の一部。だから、どれも同時に楽しむべきなのです。

会社が組織的にそれを後押ししている例もあります。例えばサイボウズは、得意のIT化を積極的に取り入れるほか、副業を認めたり、仕事をPDCAで回したりすることで生産性を高めた。これで社員の幸福度がグッと上がり、離職率も下がったそうです。

こうした下地の無い会社であっても、寄せ鍋人生を楽しむには仕事で結果を残すことも求められます。それを実現するには、部下の職場での幸福度を高めること。これに尽きます。方程式なんかありません。一人ひとりの部下と真摯に向き合い、それぞれの働き方・考え方を知り、認めてあげる。そのうえで職場全体にあった最適解を導き出す。それが社員の幸福度を高め、ひいては部署としての成功に繋がります。これもまた様々なライフステージを生きる部下をまとめる「イクボス」の役割となっていくでしょう。イクボスは大変なのです(笑)。

 

DATA

安藤哲也 TETSUYA ANDO

1962年生まれ。2男1女の父親。2006年、NPO法人ファザー リング・ジャパン(FJ)を立ち上げ代表を務める。NPO法人タイガーマスク基金代表。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進チーム顧問、内閣府・男女共同参画推進連携会議委員などその活動は多岐に渡る。新著は『「仕事も家庭も」世代の新・人生戦略「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』(扶桑社)


Text >> REGGY KAWASHIMA

FQ JAPAN VOL.48より転載



育児アイテム名鑑

アクセスランキング

  1. 日本人がセックスレスになりやすい理由は? 1年で約140回のギリシャ夫婦との違い...
  2. 旅ライターが選ぶ冬の子連れスポット6選!施設選びのポイントと注意点を紹介...
  3. 男だって泣きたい…離婚後に待ち受ける試練とは?
  4. 「自閉症は人格。治すものじゃない」映画のモデルとなった父子が今思う、社会の在り方...
  5. 子供に自信をつけさせるメンタルトレーニング
  6. SEXで大事なのは「触れあい」と「思いやり」
  7. 子供が親によくする質問ベスト30を紹介「なぜ空は青いの?」
  8. 子供が怖い夢を見たらどうする? パパとママがしてあげるべきこと
  9. 男が「父親」に覚醒するための10の処方箋
  10. 産後のママはどんな状態? 妻を支えるために知っておくべき『産後ケアの基本』...

雑誌&フリーマガジン

雑誌
「FQ JAPAN」

VOL.72 | ¥550
2024/9/9発売

フリーマガジン
「FQ JAPAN BABY&KIDS」

VOL.69 | ¥0
2023/5/31発行

特別号
「FQKids」

VOL.20 | ¥715
2024/11/9発売

お詫びと訂正

  第17回 ペアレンティングアワード