【仕事×育児×介護】子育て世代が考えるべきワークライフバランスって?
2018/09/24
父親は仕事だけをしていればよい。今はそんな時代ではない。育児が終わればいずれ介護に直面する。その時代を見据えて行動することが、今の職場にも色々なメリットをもたらすのだ。子育て中のパパが知っておきたい、働き方を変えるヒントをご紹介。
働き方を変えるヒント1
イクメンは出世する
愛する家族を幸せにするために、いずれは考えなければいけない出世。そのきっかけと、「ダメ上司」とならない心得を内閣府 少子危機突破タスクフォース チームリーダー・渥美由喜氏に聞いてみた。
育児から
ダイバーシティを学ぶ
仕事と人生を同一視に考える人もいますが、私は人生という土台の上に、仕事があると考えています。だからイクメンであることも、人生を豊かにするひとつのきっかけ。それを見逃すのはもったいない。人生がより充実し、土台がしっかりすれば、絶対にいい仕事ができるようになるものです。
また、自分の子供と向き合う時間は、新しい社会の動きや新しいビジネスの種に気づくチャンスにする事もできる。イクメンになることで、その人自身に多面性も生まれます。いわば「心のセーフティネット」ですね。つまり、人生において一生懸命やってもうまくいかないことは多々あると思いますが、そんなときに温かい家庭があって、お子さんから「お父さん頑張って」と声をかけてもらえたら、大きく救われますよね。職場以外に自分の居場所があると、心の健全さを保ちやすくなるのです。
職場では部下から
慕われるようにする
読者の皆さんのなかにも経験のある方がいるかもしれませんが、エース社員として長時間労働でバリバリ働いていたものの、上司が変わったとたんに評価されなくなったりするケース。そういう時こそリスクマネジメントの意味でも、”心の逃げ場所”をしっかりと持っておくことが非常に重要だと思います。私はこれを「戦略的逃避」と呼んでいます。敗走しているわけではなく、どちらかというと嵐が過ぎ去るまで待つというニュアンスですかね。
その一方では、家では嫌われ者で“居場所がない上司”も実は数多く存在します。いわゆる「ダメ上司」です。仕事を言い訳に、家事・育児をなにもしなかったから、家族に軽んじられているのが特徴。そんな人は、職場がパラダイスで「会社の若いヤツは、オレが説教している間、熱心にメモを取っている。なのに家では、ウチの息子はまったくかまってくれない」というような話をするわけです。こういう“ダメ上司化”を、部下にも継承していく、そんな不幸の連鎖は、避けなければいけません。家に居場所がないから会社にしがみつく上司は、必ず部下を不幸にします。定時になると上司がサッと帰るので、部下も帰りやすくなるというのが健全な状態であると私は思います。
また、そんな「ダメ上司」は、もちろん大きな出世もしない。やっぱり最後は部下に「あの人に上がってほしい」と押し上げてもらう力が優秀なビジネスパーソンにとって重要だからです。これには理由があって、“男性だから”、“女性だから”という視点で部下に接していないというのがポイント。女性の部下だから親切にするとか、サポートするとかではなく、男性に対しても同じように励ましたり、アドバイスしたりする。そうすれば、自然と部下からも信頼されるものなのです。反対に、男だから女だからと部下を色眼鏡で見たり、部下の手柄を横取りしたりする上司は、途中までは上がれても、部下からの押し上げ効果が働かないから、役員クラスまでは出世できないでしょう。
これからはフェアな視点だけでなく、部下から学ぶくらいの謙虚さを持つことも大事です。例えば、自分自身、遅くまで仕事をしなければならない状況であるにもかかわらず、まだ未熟者だと思っていた部下が、定時にビシッと仕事を片付けて帰るスキルを持つようになったら、それを部下から学ばなければいけません。部下に学び、上司が育つという構造もいずれ当たり前になるでしょう。色々な人がそれぞれ個性を発揮して、相乗効果をあげていくことこそが「ダイバーシティ」だからです。男性か・女性か、そして上司か・部下かなんて、関係ないのです。