モンテッソーリ教育のプロに聞く親の対応Q&A【食事・睡眠・トイレ】
2018/08/20
子供の睡眠に関する質問
3歳の子を持つDAD
Q:うちの子は、朝なかなか起きないし、起きても機嫌が悪くて朝食を食べてくれません。どうしたらちゃんと起きてくれるようになりますか?
A:子どもの睡眠について悩まれている方も多いようですが、この問題も一般論では片付きません。大人でも、毎日9時間寝なければ調子が出ない人もいれば、5時間睡眠で元気いっぱいの人がいるのと同じように、子どもの睡眠にも個性はあります。
どのくらいの睡眠が必要かは本人がよくわかっているでしょう。ただし、未熟な子どもに任せっきりにはできません。大人がリズムを作る働きかけをしていきましょう。朝起きられないのであれば、その分早く寝られる雰囲気を作ってみてください。
2歳の子を持つDAD
Q:親の事情なのですが、子供の就寝時間が夜の10時と、子供にしては遅い時間になってしまっています。やはり早く寝かせた方がいいでしょうか?
A:日の光を受けて暮らしている私たちは、朝の光に合わせて体内時計をリセットしています。どんな睡眠リズムでも、成長ホルモンは夜10時くらいから分泌され、0時にはピークを迎えるそうです。大切なのはその時に熟睡していること。したがって、理想的には8時くらいに入眠していることが望まれます。
しかし、理想どおりであることを求めてもストレスがたまるだけです。ご事情の許す範囲で、少しでも早く寝かせてあげられる工夫をなされば十分でしょう。
1歳6ヶ月の子を持つDAD
Q:まだ1歳6ヶ月なのですが、とにかく寝ないのです。成長に影響が出ないかと心配です。大丈夫でしょうか?
A:必要な睡眠時間は子どもによってずいぶん違い、寝られる環境を整えておけば、子どもは自分に必要なだけ眠るはずです。子どもの力を信じてください。むきになって寝かしつけようとすれば、子どもによってはむきになって寝ないようにする場合もあります。
神経質にならず、落ち着いた雰囲気を作ることが大切でしょう。
子供のトイレに関する質問
3歳(Q1)2歳(Q2)の子を持つDAD
Q1:なかなかおしっこ・うんちを教えてくれずに、本当に悩んでいます。
Q2:昨年秋にはもう自分でパンツを脱いでトイレに行くようになって、おしっこもウンチも教えてくれるようになったのですが、冬になると寒くなったせいか、再びもらすようになってしまいました。それで私が叱ったのが悪循環になってしまったようで、どんどんひどくなっています。
A:おむつはずしも信じられないほど簡単にいくケースもあったり、ご相談のように深刻に悩まれることもあったりと千差万別です。大切なのは悲観的になったり、子どもにトイレは怖い場所と思わせたり、子どもを追い込んでこじれさせたりしないこと。おむつのまま小学校に行く子がいないことからわかるように、そのうちに絶対にうまくいきます。
できるだけ早くはずしたい気持ちはよくわかりますが、早くはずしたいのであればここは「急がば回れ」の一言に尽きます。三歩進んで二歩下がるどころか、四歩も五歩も下がることもありますが、「いつになることやら」とおおらかに構える気持ちが何より大切です。
PROFILE
百枝義雄 Yoshio Momoeda
1963 年生まれ。一児のDAD 。教育現場で様々な年代の子どもたちと過ごしながら、教育のあるべき姿を模索。特に不登校のこども達との出会いをきっかけに「心の教育」を求め、モンテッソーリ教育を志す。吉祥寺こどもの家園長。日本モンテッソーリ教育綜合研究所・教師養成センター実践講師。
FQ JAPAN VOL.8より転載