“お金持ち優遇”の社会で本当にいいの? 格差解消のカギは、当事者目線にあり!
2018/08/03
国は誰を向いて
政策を進めていくべきか
一方で、政府の施策はどうでしょうか。今年の4月に政府は生活困窮者の支援法案を可決しました。その法案の中では、生活保護基準を下げるとしていますが、そうすると結果的に負のスパイラルを招き、生活困窮者は増える一方でしょう。
安倍首相は、生活困窮者の話に直接耳を傾けたことがあるのでしょうか。ある議員が国会でそういう質問をすると、首相は「(ヒアリングは)厚生労働省の担当者に任せている」と答えました。本気で寄り添う気持ちがあれば、自分で足を運ぶべきではないでしょうか。
私が先述の貧困層のサポート施設を訪れた際、現場の方から言われたのが、「お金ではなく、ランドセルや制服など、モノで支給してほしい」ということでした。
それでも、生活が苦しいのですから、母子(父子)加算の増額なども必要です。某ブランドの制服を採用する……という小学校もあり、その制服を買えるかどうかが差別や偏見につながりかねないという問題もありますが、それ以前に普通の制服やランドセルを買うことすら困難な人たちもいるのです。
まずはそういう人たちの気持ちに思いを馳せることから、国づくりは始まるのではないでしょうか。
PROFILE
柚木 道義 MICHIYOSHI YUNOKI
1972年岡山県生まれ。超党派イクメン議連の共同座長。2005年衆議院議員選挙岡山県4区にて初当選。現在、希望の党所属、衆議院厚生委員会委員・法務委員会委員を務める。プライベートでは2児のパパ。
Text >> FUKA SASAHARA
FQ JAPAN VOL.47より転載