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インタビュー

脳科学者が教える! ネイチャー体験で子供の「地頭力」が左右される!?

ネイチャー体験といっても難しく考える必要はない。FQがオススメするのは、邪道といわれようがなんといわれようが、便利なサービスやモノをじゃんじゃん使う「ゆるゆるネイチャー体験」。乳幼児連れのアウトドア初心者でも無理なく楽しめるスタイルだ。

 やんちゃ盛りの子供には自然は最高の教室だ

子供は五感のアンテナをビンビンに張って、周囲からの刺激をどん欲なまでに求め、その情報を脳にインプットすることで成長する。どろんこ遊びに夢中になったり、無性に跳んだりはねたりする“やんちゃ盛り”があるのはそのためだ。

やんちゃ盛りの子供を自然の中に連れ出せば、まさしく「水を得た魚」のように目を輝かせ、動き回る。水の冷たさ、木のぬくもり、土の香り、裸足で砂や草を踏む感触……。自然界に溢れる刺激が自分を育ててくれることを子供は本能的に知っているのだ。

それを証明するように「多くの自然体験活動をした子供ほど課題解決能力や豊かな人間性などの“生きる力”がある」という研究報告もある。海外では、1日中森の中で自由に遊ぶだけというユニークなスタイルの幼稚園で高い教育効果が出ているという報告もある。

脳科学者の篠原菊紀さんによると「自然体験をプログラムに組み込んだ幼稚園と、そうでない幼稚園で、子供たちの前頭葉の働きをテストすると、その差は歴然。さらに、集中力、抑制力などにも差が見られる」とのこと。

前頭葉の機能は「本当の意味での頭の良さ」、いわゆる「地頭力」を左右するといわれている。「自然の中で思い切り動き回ることと、自然界にある多様で多重な刺激を受けることが、前頭葉を活性化する」と篠原さんは言う。

エキスパートはいらない
一緒に楽しむセンスこそ必要

FQ としてはもう1つ、科学では証明できない効果も強調したい。

家族で自然の中に出かけてしばらくすると「海面がキラキラ光ってきれいだね」とか「この花、いい香りだね」などという会話が始まるだろう。家族が一緒にいられること自体を幸せだと思う感覚も味わうだろう。

自然の中に身を置くと、幸せに対する感度、すなわち「幸せ力」が上がるのだ。「幸せ力」が上がると、日常の何げないことにも感動し、感謝できるようになる。その感覚は、どんな金銀財宝よりも人生を豊かにしてくれるはずだ!

家族を自然へと誘うといっても、父親がアウトドアのエキスパートである必要はない。ましてや自分のマッチョを誇示するような自己満足に走ってはいけない。子供や妻のことを考え、無理のない計画を立て、一緒に楽しむセンスこそが重要だ。

夏休みに家族で行きたいレジャーは?

1位 海水浴
2位 国内旅行
3位 キャンプ
4位 海外旅行
5位 動物園
5位 水族館

※FQ JAPAN編集部調べ

PROFILE

諏訪東京理科大学共通教育センター教授

篠原菊紀さん

多チャンネルNIRSを使って、様々な場面での脳活動を調べている。脳科学の観点か
ら野外体験活動の推進運動も行っている。テレビ出演や雑誌、新聞への寄稿も多い。『子どもの地頭をよくする方法』(ディスカバー)など多数の著書がある。


Illustration >> SEIJI TAKEZOE
Text >> TOSHIMASA OTA


FQ JAPAN VOL.15より転載

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