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子供を待機児童にしたい親が急増? 育休制度改正の問題点

待機児童問題とは逆に、「子供をわざと待機児童にしようとする親」が急増し、新たな問題となっている。育休期間を延長するためには、保育所に入りたくても入れないことを証明する「保育所入所保留通知書」が必要だからだ。

待機児童問題の救済措置が
逆に問題長期化の原因にも

育児休業は、子供を育てるための期間として、法律で認められた休業期間だ。期間中は、雇用保険から育休給付金が支給される。期間は、原則として1年間だ。

ただし保育所に入れない場合などには、例外的に1年半まで延長できる。さらに2017年10月の法改正により、最長2年までの再延長が可能となった。給付金も同様に、最大で2年間受け取ることができる。

その延長手続きのために必要となるのが、保育所の入所保留通知書。入所希望を出したにもかかわらず、入れなかったことを示す通知書だ。

ところが「給付金を受け取りながら、我が子ともう1年間一緒にいたい」と、この通知書ほしさに倍率の高い人気の保育所を狙って申し込み、わざと待機児童になろうとするケースが後を絶たない。ネット上で検索すると、通知書の取得方法を指南するサイトがヒットするような状態となっている。

こうした現状を是正するため、大阪市や京都市など9つの自治体は、通知書なしでも育休が延長できるよう、地方分権改革で内閣府に制度改正を提案。盛岡市や花巻市ら23の自治体が、追加で提案に加わった。これを受けて内閣府は、厚生労働省に対して重点事項として検討するように要請した。

育休の延長は、待機児童問題が解消されるまでの救済措置、という側面が強い。しかしその救済措置を受けるために、わざと待機児童になろうとするのでは本末転倒だし、待機児童問題そのものが長期化する原因ともなりかねない。一刻も早く制度が改正され、「本当の待機児童」がいなくなるよう、インフラが整備されることを願う。

DATA

育児・介護休業法について(厚生労働省)

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