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父親の立ち会い出産体験記:妻もドン引きする行為とは?

これまで妊娠の摩訶不思議は全て経験済みと思っているDAD予備軍たちへ。「拷問の責め具」「遊星よりの物体X」、そして「フランケンシュタインさながらの縫合跡」など、出産の最終ステージではさらにディープな体験が君たちを待ち受けている。出産ガイド小説「野郎のための妊娠ガイド」第8話。

前記事:「野郎のための妊娠ガイド」第7話(3)はコチラ



すべてはこの素晴らしい瞬間のために

赤ちゃんの頭の先がひょこっとのぞき始めて、体全体がまるで大砲の弾が発射されるように取り上げられるまでは、ほんの一瞬の出来事。それまで恐ろしくゆったりと流れていた時間の中で、誕生の瞬間はびっくりするほど短くて、爽快と言ってもいいほどの勢い。もしへその緒がつながってなかったら、恐らく分娩室の端まで発射されていたんじゃないかな? それは大げさだけど、でも本当にそう思えるくらいの勢いなんだよ。

出産準備講座に出席したパパ予備軍の中には、誕生シーンの映像を見せてもらった人もいるんじゃないかな。驚異的な光景だったと思うけど、それが自分の奥さんの分娩で、生まれてくるのが君の赤ちゃんとなったら全く別。その感激といったら説明のしようがないほどだ。「実は血が苦手で…」なんて尻込みしていたDADだって、血のことなんて覚えてもいないほど圧倒的だったっていうよ。

「誕生まで10ヶ月って長すぎだよね」なんて感じている君たち夫婦に、先輩DADとして一言。この長い月日を待つ価値は絶対にある! つわりのひどい苦しみ、治まる事を知らない食欲、永遠に続くかと思われる陣痛、それらすべてはこの素晴しい瞬間につながっているんだ! 助産婦さんもドクターも、毎日のように出産を取り仕切っても嫌にならない理由は、君たちと同じ感激を、また味わう事ができるからなんだ。



まさかと思うけど、
それはそう使うんじゃないよね?

世の中いつも自然にことが進むとは限らない。たとえば、赤ちゃんがどこかに引っかかって出てこられなくなったり、または彼女が憔悴しきってこれ以上いきむことができない状態になったりする。そんな時には、ちょっとした医療措置の助けを借りることになる。そこでよく使われるのは吸引分娩用のカップか鉗子(かんし)。どちらも見た感じはまるで拷問の器具のようだけど、実に効果的な道具だ。(1つくすねてインテリアにしたいなんて考えてはダメだよ)

吸引分娩の場合、金属かプラスチックの吸引カップを赤ちゃんの頭に装着して、カップの先についたホースから空気を抜いて真空状態を作る。(まるでトイレの詰まりをとる“スッポン”みたいだから心配だろうけど、まあ落ち着こう) そして助産婦さんが、時にはドクターも一緒になって赤ちゃんを引っぱり出す。赤ちゃんの頭に赤くて丸い跡が付いたり、頭がとうもろこしみたいな形になってしまったりすることもあるけれど、すぐに元に戻るので安心して。

吸引でダメなら次は鉗子の登場となる。鉗子っていうのは、奇妙な形をしたバーベキューのトングみたいなもの。赤ちゃんを取り出す時の光景も、まるで焼け焦げて鉄板にくっついちゃった野菜をつまんで取り外すみたいな感じかな。想像すると赤ちゃんがかわいそうで涙が出そうでしょ? これもやっぱり赤ちゃんの頭の両側に跡が付いてしまうけど、何日がすれば消えてなくなるはず。

鉗子分娩を経験したお母さんは、「鉗子を使われるのは嫌だったけど、下半身ではいろんなことが起こりすぎていてそれどころじゃなかった」って言うよね。健康な赤ちゃんが誕生すれば全てはOKだけど、あまり楽しい経験ではないだろうね。

でもこんな補助器具を使用した分娩はそれほど珍しくはなくて、出産した母親の5人に1人くらいは経験している。見た目は露骨で心配だけど、その器具が今も使われているということは、おそらくこれまで発明された中で最良の器具だったってこと。跡だって時間が経てば消えるから心配しなくて大丈夫。



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