“家庭科男女必修世代”の夫婦、夫の家事割合がUP
2018/05/31
家事といえば、毎日のゴミ出しはしている。他はちょっと……(やっていない)なんていうパパはすでに少数派!? 結婚相手に求める条件も、いまや男女とも重視するのは、「人柄」に次いで「家事・育児の能力」(※1)だ。家庭科が男女必修科目として教育を受けてきた20代~30代夫婦では、夫の家事担当割合が上昇しているという。
「家事は妻」の意識はなし
分担ではなく、フォローし合うスタイル
共働き世帯は引き続き増加傾向にあり、出産後も仕事を続ける女性が増えている。現在の40歳以下(中学校・高校6年間の場合 37歳以下)は「男女ともに、仕事も家庭も」という教育を受けている。
「花王 生活者研究センター」は、「家庭科男女必修世代」に着目し、「中高家庭科必修世代の家事行動」を2006年、 2016年、 2017年にインターネット調査、 2017年に家庭訪問調査を首都圏で実施した。
2006年に首都圏の20~30代の夫が主に担当していたのは「ごみ出し」や「浴室掃除」、「資産・家計の管理」などだったが、2016年には全ての項目で担当割合が上昇。夫が担当する家事は「トイレ掃除」も含め、「掃除」「洗濯」全般、「食事の後片付け」などに広がっている。
20~30代夫婦では、まず自分たちがどう暮らしたいかを考え、「目指す暮らしのゴール」を夫婦で共有し、家事は明確な「分担」を決めるのではなく、お互いにさりげない思いやりでゆるやかにフォローし合い、できる人ができるタイミングでする「臨機応変」な家事シェア・スタイルであることが特徴だということがわかった。
「家事は妻がやるべき」という意識はなく、洗濯でも掃除でもお互いのやり方をすり合わせたり、自動食洗機やロボット掃除機や家事サービスなどを上手に利用して家事負担やストレスを軽減するなど、“我が家スタイル”を決めることで効率化。そのため、モノの所有を減らし管理の手間を減らす工夫もみられ、暮らしをマネジメントする感覚で家事をこなしている。お互いに臨機応変に家事ができるようになることで、夫には「家事への自信」がつき、妻には「夫に家事を任せられる安心感」も生まれているのだ。
夫婦でフォローし合う姿は「皆で一緒に暮らしているのだから、家の事をやるのは当たり前」という感覚を、自然に子供にも伝えていけるのではないだろうか。
※1:国立社会保障・人口問題研究所 第15回出生動向基本調査