妊娠後期の夫婦に訪れる! 「嵐の前の静けさ」
2018/09/13
我が子誕生も秒読み段階。しかし油断は禁物だ。あなたの試練はまだまだ続く! さて、いったいナニが起こる!? 初めてDADになる男たちへ。連載育児小説「野郎のための妊娠ガイド」第5話
第5話を読む前に、第4話はチェックした? 第4話「食欲が旺盛すぎる妻。妊娠中はこれが普通!?」はコチラ
もしやこのまま生まれちゃう!?
いやいや、そんなワケない!
7ヶ月から9ヶ月の妊娠後期は、おそらく彼女にとって一番大変な時期となるはずだ。食欲、睡眠はもちろん、トイレに行く回数、集中力や呼吸にいたるまで、お腹のベビーに支配されるようになるんだ。
こうなると、ようやく妊娠という旅は終焉にさしかかる。もちろん妊娠以前の自由で気楽な生活は望めないけれど、さすがに妊娠初期・中期の頃のように慌てふためくこともなくなる。家の中も、赤ちゃんの誕生に向けて、着々と準備がなされていることだろう。
キッチンには授乳キットから赤ちゃん用食器まで用意してあるし、ベッドやイスなど大物ベビー・グッズは、押し入れの中でご主人様が生まれるのをジッと待っている。彼女のデカいお腹に念を押されるまでもなく、出産はより一層現実味を増してくる。
こんな風に、取り巻く環境は、大きくなるお腹とは反対に、ビックリするくらい静かになっていくことだろう。まるで潮が引いてくようにね。彼女は以前の大騒ぎとはうって変わって静かに落ちついてくるし、君自身だってすっかりベテランとなり、余裕すら感じているかもしれない。
だけど、それはあくまでも嵐の前の静けさ。どんなに完璧に準備をして臨んだって、嵐は嵐。そのうち君は、決して抗うことのできない自然の脅威に驚かされることになるはずだ。
産後に必ず訪れる”重〜い“危機
妊婦だって適度な運動を
出産前2〜3ヶ月の彼女は、ちょっとしたことで疲れを感じるようになる。睡眠不足のせいもあるけれど、何よりお腹の中に赤ちゃんを抱えている上に、自分が採った栄養までを分け与えているんだから無理もない。
もしも彼女が専業主婦ならば、まぁ何とかなる。でもね、彼女も働いていたり、他にも子供がいてその子たちの面倒を見なければならなかったりしたら、そうはいかないよ。
掃除機や洗濯機の使い方を知らないとか、毎日の生活に必要な家事一切に馴染みがないなんて言う男どもは、ここで厳しい試練にぶち当たることになる。だって食事の用意や掃除・洗濯はもちろん、会社に着て行くワイシャツだって、君自身がアイロンがけをしなければならないでしょ。
ただしこういう意見もある。「多少疲労感はあっても、妊娠中も適度に運動をするよう心がけるべき」ってね。
さっき言ったように、妊婦というのは、結局何をしていても疲れるもの。夜に食べ過ぎるくらい食べたとしても、朝になればちゃんとお腹がすくようにできている。ただジッと座っていたって疲れる。食べても休んでも、疲れるものは疲れるというわけ。
同じ疲れるなら、運動不足にならない程度の運動はさせておいたほうがいいという理屈だね。マラソンをやれとは言わないけれど、近所のスーパーまでちょっと買い物に行くくらいならオッケー、ってな感じ。
ヨガみたいな運動は、特に妊婦の呼吸や姿勢の調整に効果的といわれているね。特に「妊婦のためのヨガ教室」なんてオススメ。教室に行くことで、「同じ妊婦の女性たちとの交流」という副産物も望めるしね。
でも……、君が彼女に薦めない限りは彼女は1日のほどんどをソファの上で過ごすことになるかもしれない。こうなってしまったら恐いよ。
子供が2歳になる頃に悩まされるだろうダイニングのソファが浴びせかけられるミルク、ヨーグルト、ジャムやチョコレートのシミ。しかしそれ以上に気になるもの――それは彼女が長年座り続けたことによる凹みだ。
他の人が座ると、何か微妙に傾いているような感じになったら、ソファの買い替え時期だ。その頃君は、ソファ代金の重み以上に、(誕生後にもかかわらず)彼女の重みに後悔することになるかもよ。