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保育園っていつ始まったのか知ってる?

待機児童問題が社会現象になるほど、需要が高まる保育園。政府も少子化対策の一環で保育園の支援策を打ち出している。ところで、そもそも保育園っていつ始まったのだろう?

日本初の保育園は横浜で誕生
アメリカ人女性宣教師が始める

日本で初めて保育園が開設されたのは、1871(明治4)年。3人のアメリカ人女性宣教師によって、横浜に「亜米利加婦人教授所」が作られたのが最初とされている。当時、社会問題となっていた混血児を救済する託児所として始まり、家庭的な組織を持った塾舎として養育と教育を行っていた。

その後、1890(明治23)年には、新潟県に日本人による最初の保育園といわれる「静修女学院附設託児所」が開設される。その頃は、幼い弟や妹の子守りをしながら登校しなければならない子どもが多く、授業中に幼児を預かる場所だった。

現代の保育園に近い形の施設としてできたのは、 1900(明治33)年に東京の麹町で開設された「二葉幼稚園」。その時代、紡績工場や製糸工場で働く女性が多く、育児ができないため、 子どもたちに適切に保育できる場を提供していた。その後も続々とこのような保育園が全国各地に開設された。そして、 第二次大戦後の1948(昭和23)年には児童福祉法が制定、保育所が正式な児童福祉施設として認可されることとなった。

1985(昭和60)年には男女雇用機会均等法が施行。女性のフルタイム勤務も珍しくなくなり、ますます保育園の需要が増えていく。今では認可保育所以外の認可外保育施設が増える一方で、2006(平成18)年には幼保一元化政策に則った認定こども園制度が始まるなど、時代の変化に伴って保育園の形態や在り方も変化している。

43年連続で全国1位
保育園が多い都道府県は?

人口10万人当たりの保育園の登録件数1位は、沖縄県。沖縄県の発表によると、2016(平成28)年の出生数は16,617人、 出生率は人口1,000人に対し、11.6ポイント。沖縄県民1,000人のうちの11.6人がその年の新生児という計算になり、 これは43年連続全国で1位という記録。

また、1人の女性が生涯に産む子どもの数を推定する合計特殊出生率も1.95ポイント。 平均すると沖縄の女性は2人出産するということで、こちらも全国で32年連続1位となっている。 加えて、15歳未満の人口の割合も2015(平成27)年の国勢調査では17.4%で1位という結果に。

温暖な気候は暮らしやすく、子育てがしやすいといわれている沖縄県。コミュニティーが密で、 共助・支え合いの精神が根付いているため、それらが出生率の高さに影響していると考えられている。

これからの保育園の未来は

保育所等待機児童数及び保育所等利用率の推移(2010年~2017年)

産休や育休などの制度が法律で義務付けられるようになり、 共働きが一般的になってきたことで、 働くお母さんの姿は当たり前になりつつある。しかし、保育園の需要が増える一方、保育園に入れない児童も多数おり、待機児童の問題はさらに深刻化している。 保育園数が最も多い沖縄県でさえ、待機児童数は全国で東京都に次ぐ2位という結果になっており、 早急な解決が望まれている。

近年、全国的に企業内託児所が増えてきており、 福利厚生に力を入れる大企業を中心に続々と導入が始まっている。 保育カリキュラムがしっかりと組まれていることや、ウェブカメラで仕事中に子どもの様子を確認できる、ランチタイムを一緒に過ごせるなど、 会社が社員の育児を前向きに応援しており、社会的にも高く評価されている。 こういった動きは今後ますます増えていくことが予想される。
参考サイト:Fledge

最近では、 チャイルドマインダーと呼ばれる家庭的な保育サービスを提供する専門家やベビーシッター、地域でのファミリーサポートなど、 保育園に代わるサービスの整備も求められている。今後は保育園だけでなく、さらに多様化した保育サービスが提供されることを期待したい。

問い合わせ

NTTタウンページ株式会社
TEL:03-5776-4400

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