もう”叱れない親”とは言わせない!子供への効果的な叱り方は?
2018/02/21
case.2 「今、ここ」に集中し悪循環を未然に防ぐ
たまたま飲み会が2次会、3次会と盛り上がり、家に帰るタイミングを逸したとき、午前様になった自分に対し、待ってましたとばかりに「アナタ、何時だと思ってるの!この前だって、あの時だって、その前だって……」と妻にまくし立てられたら、正直「やなかんじー」だろう。その点iX-MENは、「今、ここ」だけに集中する。
得てして人間は、怒りを感じていると、その怒りを正当化するため、過去の似たような状況を芋づる式に思い出してしまうもの。子供を叱っていると、過去にさかのぼり、同じ過ちを繰り返していることを指摘したくなるのはごく自然なことなのだ。
しかし小さな子供は、この前コップを落として怒られたことと、今スプーンを落として怒られたこととがなぜつながるのかが理解できない。理解ができなければ納得のしようがない。納得できていない表情を浮かべるから親はさらに怒りを感じる。こうして悪循環に陥るのだ。
子供を叱っている最中に、過去のことを次から次へと思い出し、そのことについても叱りたくなってしまったら、iX-MENに変身しよう。「ねちねち攻撃」を自ら封印することで、悪循環を断ち切るのだ。
※ありがちなNGパターン
・「この前だって……」と言ってしまう
→「今、ここ」に集中できていない証拠。過去は忘れて、今とこれからどうするかに意識を向けよう。
・言い訳や反論に対して叱ってしまう
→言い訳や反論されたことに腹を立て、そこを叱ってしまうことがある。それでは、大事なことは伝わらない
・説教が長い
→あまりに長い説教も考えもの。子供は理解できず、形式上「わかった」と言うだけになる。
子育てに対する悩み1位は
「しつけの仕方がわからない」
山形県上山市による2010年のデータによれば、子育てに関する悩み事の第1位が「育児方法やしつけ」。近年「叱れない親」が増えたと言われるのもうなずける。調査:山形県上山市(平成19年)対象:山形県上山市在住の0~5歳の子供を持つ保護者687人
文/TOSHIMASA OTA
FQ JAPAN 2012 SUMMER ISSUE vol.23 より転載