早目の対策を!辛い子供の花粉症ー検査・薬は必要?
2018/01/11
暖かさとともにやってくるのが、花粉症の季節。いまや国民病ともいえる花粉症は、大人だけでなく子供にとっても厄介な症状がたくさん。その症状の実態と、子供のためにできる対策をいまのうちにチェックしておこう。
両親ともに花粉症でなくても、
1割の子供は花粉症を発症する
2017年11月、ロート製薬株式会社は花粉症の実感がある子供(0~16歳の子供と同居する女性)500人を対象に花粉症に関する実感調査を行った。
結果、花粉症の子供の親は85.2%が花粉症であると判明した。さらに11.2%の子供は、親が花粉症でなくても花粉症を発症していることも明らかになった。だが、花粉症の実感がある500人のうち、花粉症だと病院で診断をうけたのは368人で、73.6%にとどまる。ただ、花粉症は副鼻腔炎(※1)との併発も多く、きちんと診断をうけ、対策をすることが重要だ。
(※1)副鼻腔炎とは、鼻の奥にある副鼻腔の炎症が広がった状態のことをいう、副鼻腔炎になると鼻づまりや息苦しさ、ネバネバ(粘性)鼻汁、頭重などの症状を引き起こす。
子供の花粉症状の特徴と
気を付けてあげるべきこと
アレルギーの専門医である末廣豊医師は、調査結果を踏まえて以下のアドバイスを伝えている。
■花粉症は副鼻腔炎を併発することも。それぞれの症状に合った診断と対策を。
花粉症と副鼻腔炎との併発は、子供が56.4%、大人が45.0%。鼻腔の小さな子供の方が副鼻腔炎になりやすい。慢性化すると治りづらく、抗アレルギー剤では効果が得られないため、1~2か月と長引く場合は、きちんと医師の診断をうけて適切な薬などで対処することが必要だ。
■子供の花粉症は、他人から分かりづらく、集中力の低下(QOL)への影響が心配。
親がスギ花粉症の場合、理論的には子供はほぼ100%スギ花粉症になる。また、今回の調査結果にも出ているように、両親ともに花粉症でなくても子供が花粉症になる可能性はす少なからずある。
生命を脅かすことはない花粉症だが、生活の質(QOL)を著しく損なってしまう。子供の花粉症の症状は、鼻水や連続するくしゃみが出るというより、ぼーっとしているなど、他人からはわかりづらいという特徴がある。特に親が花粉症でない場合、気づくのが遅れてしまうことが多いので、症状を言葉で伝えるのが難しい子供の場合、普段から周囲の大人が気を付けてあげる必要がある。
■子供の花粉症は、乳幼児期からの花粉回避、屋内への花粉侵入の予防、肌の保湿ケアなど、発症予防が大切。
いったん発症した花粉症が自然に好転、消失する可能性は低い。治療は発症予防として、乳幼児期から花粉を回避する、屋内への花粉侵入を予防することが大切になる。また、小さいときに湿疹があるほどアレルギーになりやすいので、生後一週間から保湿ケアをすることでアレルギーマーチ(※2)の発展阻止につながる。
アレルギー体質になるのを避けるためには小さいときから保湿を心がけよう。発症してからは、花粉の飛散時期には花粉情報に注意し、早目からの予防治療が大切だ。
(※2)アトピー素因のある人に、アレルギー性疾患が次から次へと発症すること