もしかして俺のせい? 男性の不妊に関する意識調査
2017/12/20
晩婚化の進行で不妊治療を受ける人は増え、今後さらなる増加が予想されている。しかし、いまだに治療の主体は女性ととらえられ、男性は消極的なケースが多い。今回実施された調査でもその姿勢が浮き彫りとなったが、新しいツールの登場で、男性の「妊活」に対する意識が変わるかもしれない。
“精子の状態が気になる”
という男女は2人に1人
株式会社リクルートライフスタイルは、子供が欲しいと思っている20代・30代・40代の男女2000人を対象に、インターネットで「男性の不妊に関する意識調査」を実施した。
一定の期間が過ぎても子供ができなかった場合、最初に「自分に不妊の原因があるのでは」と思う男性は44.7%、女性は65.7%で、男性の方が少なかった。一方、「パートナーに不妊の原因があるのでは」と思う男性は13.4%で、女性(7.1%)の約2倍に上った。
「妊活」に関しては男女ともに8割が前向きな意向であったが、医療機関での受診を「是非受けたい」という男性は22.5%で、31.4%の女性に比べて消極的な姿勢が垣間見えた。
受診には心理的ハードル?
検査の重要性を呼びかけ
獨協医科大学越谷病院 泌尿器科主任教授の岡田弘先生は、「男性は女性に比べて『医療機関で検査を受けるのが恥ずかしい/抵抗がある』と回答する人が多く、依然として医療機関を受診するには心理的ハードルが高いようだ。不妊治療はパートナーと一緒に取り組んでいくことが大切。最近は男性不妊の専門医も増えているので、安心して受診してほしい」と、男性の不妊検査の重要性を呼びかけている。
調査では、男女とも約2人に1人が「精子の状態が気になった」経験があると答え、7割を超える男女が「精子の状態を確認したい(してほしい)」と回答した。しかし、そのうち7割の女性はその気持ちを伝えていない。男性にも女性にとってもデリケートな問題であることが伺える。
今回の調査を行った株式会社リクルートライフスタイルは、自宅で手軽に精子の濃度と運動率をセルフチェックできるサービス「Seem」を開発した。まずは自分の精子の状態を把握し、問題がある場合は医療機関での検査や治療につなげることができる。このツールがきっかけとなり、男性の妊活や不妊治療に対する意識や行動の変化に期待しよう。