国内の深刻な貧困問題 話題の「こども食堂」とは?
2017/12/14
柚木みちよしの「日本イクメン増加計画!」。今回は日本の「子供の貧困」問題について考える。日本の子どもの7人に1人が、貧困状態にあると言われるなかで、私たちがなすべきことは何か。他人事にしてはいけない現実と向き合う。
日本の子供7人に1人が貧困。
働き方改革にも関係している?
文京区や認定NPO法人フローレンスなど6つの団体が運営を始めた「こども宅食」が話題になっています。ふるさと納税を財源とし、生活の厳しいひとり親家庭などに食品を宅配するというものです。その他にも、地域の子供に無料もしくは安価で食事を提供する「こども食堂」も各地で増えてきています。
貧困問題というと、開発途上国の話のように感じがちですが、実は日本の子どもの7人に1人は、貧困状態にあると言われています。全世帯の13.9%、とくにひとり親家庭では50.8%が貧困状態にあるという厳しい状況になっているのです(平成28年国民生活基礎調査より)。
教育格差は就職格差、収入格差につながり、
貧困が次の世代に受け継がれる
貧困は負の連鎖を引き起こします。食事をはじめ日々の生活が成り立たなければ、子供は勉強にも集中できないでしょう。また、生活保護世帯の子供は世帯分離をしなければ大学に進学できないため、どんどん教育格差が広がってしまいます(大学の学費は生活保護費から出せないルールになっていたため、大学に進みたい子供は生活保護の対象から抜けて1人で自活する必要がありました)。
教育格差は就職格差、そして収入格差へとつながり、結果的に次の世代へと貧困が受け継がれてしまうのです。また、貧困層では虐待や非行、犯罪などの発生率も残念ながら上がってしまいます。
これらすべてを個人の責任だと言えるでしょうか。貧困や格差を生んでしまう社会の責任もあるはずです。そして、貧困問題に対処することは、社会の安心・安全のためにも、とても重要なことになると思うのです。