知っておきたい「認知症」の 早期発見の目安とは?
2017/01/11
一緒に暮らす、あるいは実家で暮らす父母が認知症になったらどうしようと考えたことはありませんか? その不安に対しては、きちんとした知識を持つことが重要。認知症の早期発見の目安を知っておいて、来るべき時に備えよう!
変化を見逃さず
早期の発見が重要
認知症とは、「色々な原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったために様々な障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヶ月以上継続)」です。現時点で、残念ながら認知症を治せる薬はありませんが、進行を遅らせる薬はあります。飲み始めた時点から様々な能力を維持することになりますので、できるだけ早期に飲み始めることが重要です。
アルツハイマー型やレビー小体型など、認知症にも種類があり症状も様々。「認知症かな?」 と思っても、他の病気の可能性もあります。まずは医師の判断を仰ぐことが大切です。ご本人はもちろん、ご家族にとっても認知症を認めるのは本当に辛いことだと思います。でも、病状が進行してしまうと、もっと辛いことになるかもしれません。
認知症になっても人生は終わりではありませんし、介護保険や介護サービスなど、支援体制も整っています。家族で過ごすハッピーな時間を失わないためにも、ちょっとした変化を見逃さず、早期の発見を心がけていただければと思います。そして、困ったときにはプロがいることもお忘れなく!
家族がつくった「認知症」早期発見のめやす
これは、日常の暮らしの中で、認知症ではないかと思われる言動を、「公益社団法人 認知症の人と家族の会」が、会員の経験からまとめたものです。医学的な診断基準ではありませんが、暮らしの中での目安として参考にしてください。いくつか思い当たることがあれば、一応専門家に相談してみることがよいでしょう。
もの忘れがひどい
□今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
□同じことを何度も言う・問う・する
□しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
□財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
人柄が変わる
□些細なことで怒りっぽくなった
□周りへの気づかいがなくなり頑固になった
□自分の失敗を人のせいにする
□「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた
判断・理解力が衰える
□料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
□新しいことが覚えられない
□話のつじつまが合わない
□テレビ番組の内容が理解できなくなった
不安感が強い
□ひとりになると怖がったり寂しがったりする
□外出時、持ち物を何度も確かめる
□「頭が変になった」と本人が訴える
時間・場所がわからない
□約束の日時や場所を間違えるようになった
□慣れた道でも迷うことがある
意欲がなくなる
□下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
□趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
□ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる
出典:公益社団法人 認知症の人と家族の会
中浜崇之
介護福祉士、ケアマネジャー。3歳の娘を持つパパ。2010年より介護従事者の情報交換の場をつくる「介護ラボしゅう」を運営。2014年には、現代のライフスタイルにマッチした介護サービスを提供するべく「世田谷デイハウス イデア北烏山」を立ち上げる。「NPO法人Ubdobe」の理事として、福祉のポジティブな情報を発信中。
FQ JAPAN VOL.41(2016-17年冬号)より転載