日本も見習いたい!子育て大国ドイツの制度
2016/11/18
保育所と幼稚園が一緒になった
KITAの利用が主流
キャリアキープのためにドイツの共働き家庭は、母親が1年、父親が2ヶ月(両親手当は最長14ヶ月)、育児休業を取ったのち職場復帰するのがスタンダード。そのときに頼りになるのが保育所だ。ドイツには3歳児未満の子供が通う保育所(Kinderkrippe)をはじめ、保育所と幼稚園、さらには学童保育が一体となったKITA(Kindertagesstätte)、自宅を開放している保育ママ(Tagesmutter)などがあり、預け先はバラエティ豊か。中でも人気なのは、小学校入学まで日中預かってもらえ、小学校入学後も学童保育として利用できる「KITA」だ。
KITAは地方自治体が設置・運営する公立園と、教会や福祉団体などが手掛ける私立園があるが、どちらも数が足りていないという人気ぶり。さらに2013年に児童助成法が改正され、従来3歳以上であった保育施設に入所する権利を満1歳まで拡大。満1歳から3歳までの低年齢の子供を預ける施設の新設・拡充への機運が高まっている。
保育所がおやつや昼食を提供するところも多い
0~1歳児のみを対象にした乳児保育所(Lingekrippe)もある
幼稚園(Kindergarten)はドイツが発祥であることをご存じですか? 1840年にドイツの教育学者フリードリヒ・フレーベルが小学校に上がる前の子供たちを集めて作った施設が幼稚園の元祖です。ちなみに、Kindergartenはフレーベルが作った施設の名前に由来するもの。彼の造語で「子供たちの庭」「子供たちの国」を意味しています。なお、現在のドイツのKindergartenは3歳児以降の未就学児が通う施設で、2011年の在籍率は旧東ドイツ地区で95.3%、旧西ドイツ地区は91.9%。保育所と違いほとんどの子供が幼稚園に通っています。
(東京ドイツ文化センター所長/ペーター・アンダースさん)
Text » RIE SUGITA
※FQ JAPAN VOL.39(2016年夏号)より転載