中村勘九郎 息子の「お父ちゃま」である時間が大切
2016/09/16
子供たちの“お父ちゃま”
いられるのは、妻のおかげ
十八代目・中村勘三郎さんの長男で、5歳で初舞台を踏んでから、今年で30年を迎えた。日本を代表する役者として長いキャリアを積みながらも、家庭では5歳、3歳の息子を育てる父親としての顔も持つ。
「僕の場合、稽古が忙しいため、あまり育児・家事ができていないですが、家に帰ったらそのぶん子供たちと思いっきり遊びます。一緒にお風呂に入ったり、芝居ごっこをしたり。子供たちと一緒にいる時間が長い妻がいつも子供の叱り役です。だから、お陰で僕はイイトコ取りばかりしています」。
そんな勘九郎さんも、奥様には頭が上がらないようで、「子供たちは僕が帰ると待ってましたー! とばかりに、『お父ちゃま〜!』と駆け寄って、体にまとわりつきます。妻には『あなた、ずるいっ!』て言われますけどね(笑)。そんな父親でいられるのも妻のお陰です」と一言。
子供のことを語るときの勘九郎さんはとても幸せそうで、本当に普通の父親と変わらない。お子さんたちには、将来歌舞伎俳優になるという将来を見据えて、何か習い事などはさせているのだろうか。
「小さいうちにいろいろなことをやらせるといいとよく聞くので、とにかくいろいろ挑戦させています。僕と一緒にスポーツジムに通ってます。ジムでトレーニングを受けると、走り方がまるで変わって驚きました。行くのを嫌がったときは、うまく騙します。『パパは行くけど、どうする?』みたいな誘い方ですかね。大抵『僕も行くー!』というふうに乗ってきます」。
そして来年、初舞台を踏む息子たちとの関係については、「厳しい『師』としての顔もそろそろ必要ということになります。でも、それまでは男同士のばか騒ぎを楽しみたいです」。今はなによりも父親としての関わり方を大切に考えているようだ。
中村勘九郎(なかむらかんくろう)
1981年10月31日生まれ、故十八代目中村勘三郎の長男。87年二代目中村勘太郎と名乗り初舞台。12年六代目中村勘九郎を襲名。歌舞伎の舞台公演にとどまらず、三谷幸喜監督「清州会議」 織田信忠役として高い評価を得て、映画、テレビ、写真集など幅広い分野へ挑戦中。2012年度「ベストファーザー賞」では、親子二代で受賞。妻は女優の前田愛。3歳と5歳、2人の息子の父。
映画『真田十勇士』 9月22日(木・祝)全国超拡大ロードショー
2014年に記録的大ヒットを打ち立てた舞台「真田十勇士」が、舞台演出も手がけた堤幸彦監督により、超ド級のエンタテインメントムービーとして映画化。日本史上、類を見ない空前の大スケールで建設されたセットの数々。のべ1万5千人以上のエキストラが参加し、バトルにつぐバトルで観る者を圧倒する怒涛のアクションが見逃せない。
Photo » MIHO FUJIKI
Text » MIKAKO HIROSE
Hair&Make » MAKOTO MIYAFUJI、YUKIKO NAKAMURA(Feliz Hair)
Styling » KUNIKO TERADA
FQ JAPAN DIGEST VOL.38(2016年秋号)より転載