子育てに「正解」はない。つまり「不正解」もない。
2016/06/08
「答えは先回りしない」「子供の自主性を伸ばす」そういった育児の理想は、頭では理解できる。が、実際の子育ての実情はそううまくいくものではない。やりたいけど、できない。そんな育児の理想と現実の狭間で悩むパパたちに贈る“落としどころ”の話。
理想と現実の狭間で
悩むのが親の役割
子育てあるいは教育とは、「将来こうなるから先手を打つ」というようなものではなく、どんな世の中になったとしても生きていける人間を育てることである。それ以上でもそれ以下でもない。
アフリカの砂漠に生まれた子供にも、アラスカの氷原に育つ子供にも、アマゾンの密林に暮らす子供にも、「生きる力」が備わっている。どんな状況にあっても環境に適応し、生き抜くしたたかさがあったからこそ、人間という種はこれほどまでに繁栄できた。世知辛いコンクリートジャングルに生まれ落ちた子供にも同様の力が必ずある。大人はそれを引き出しさえすればいい。
そのために必要なのは、あれこれ「与える」ことではなく、できるだけ「待つ」こと。子供の主体性を尊重することが理想だ。しかし、トラックが行き交う道路に向かって走り出す子供は即座に制止しなければならない。公共の場において人に迷惑をかけるような行為は慎むように教えなければならない……。
理想と現実は違う。親はそのバランスに悩む。理想と現実の狭間でただ気をもみ続ける。それが親の役割なのだ。昨日うまくいったことが今日は通用しないかもしれない。その逆もあるだろう。