親子サイクリングで移動時間も絆を強める
2013/10/10
「僕は息子と色んな体験を一緒にして、それをどう感じたかを話せる親子でいたい」
自転車は移動手段じゃない、親子の世界を広げるツール
2012年のロンドンオリンピックに向けて、導入されたレンタルサイクルの追い風もあり、現在自転車ブーム真っ盛りのロンドン。そのど真ん中でサイクルカフェを経営する父親の“リフレッシュ子育て”とは?
「イギリスの父親というのは、昔はいつもどっしり構えて新聞ばっかり読んでいるような、コミュニケーションが苦手なタイプだった。でも、今は親子の関係が変わってきているのを感じるよ。『フィーリング』っていうのは男の領域じゃなかったけど、僕は息子と色んな体験を一緒にして、それをどう感じたかを話せる親子でいたい」。
そう語るのは、自転車ブーム真っ盛りのロンドンで、サイクルカフェを営むルイン•チョークリーさん。もうすぐ3歳になる愛息子アルウィン君のパパだ。自転車のコレクションは、レース用のシグマから、トラックバイクのクーガーまで何と7台(!)という “自転車バカ”な彼は、愛息子との自転車ライフが楽しくてたまらない様子。金曜日は週に3日働くママに合わせて、ルインさんが休みを取る。『金曜日はパパの日』と決めて、2人で思い切りフィジカルに遊ぶのだ。サイクリングだけでなく、スイミングやスクーターなど色んな遊びを一緒にやる。アルウィン君愛用のペダルレスバイクはロンドンの街でもよく目にするヒットアイテム。この「zooom」に乗って、ゆっくり走るパパに並走してサイクリングをして過ごすのだ。カッコいいパパの影響か、アルウィンくんはキャップのかぶり方1つにも相当こだわっていて、3歳なりに自分なりのスタイルだって持っている。
時には家族3人で郊外までサイクリングに出かける。知らない街でもたちまち自分の街のように、自由に動けるところが自転車本来の魅力だ。ルインさんは、こうして「ロンドンという都会で育つ子供たちは特に、自然の中に連れ出して、空気の違いを感じさせることが大切」と考えている。
「郊外の自然に囲まれた田園風景の中を風を切って走ると、心身ともにすっきりとリフレッシュできるよ」。
仕事に子育てに忙しい毎日を送る彼にとって、自転車は自分自身をリフレッシュできるツールでもあるのだ。
「僕にとって自転車は、ストイックに楽しむスポーツとしても、たくさんの仲間に出会ったきっかけとしても世界を広げてくれた。だからアルウィンにも、自分らしく自転車ライフを楽しんでほしいね」。■
ルイン・チョークリーさん(37歳)サイクルカフェオーナー
妻:トゥルーディさん(35歳)コミュニケーションダイレクター、長男:アルウィンくん(2歳10ヶ月)
ルインさんはロンドンで人気のサイクルカフェ「Look mum no hands!」を経営する。
ルインさんが経営する自転車カフェ「ルックマム、ノーハンズ!(ママ見て、手放しができるよ!)」。アルウィン君が愛用の「zooom」は、ロンドンの子供たちの間でブレイクのペダルレスバイク。「Look mum,no hands!」
www.lookmumnohands.com
(この文章は2011年9月発売「FQ JAPAN」vol.20で掲載された内容です。)