赤ちゃんのうる&すべ肌のためのスキンケア・テク
2015/09/01
デリケートな赤ちゃんの肌には、きちんとしたスキンケアが重要。うるおいのあるすべすべ肌をキープするためには、攻守のスキンケア・テクをマスターする必要がある。そこで、育児休暇を取り、我が子はもちろん、赤ちゃんの肌と積極的に向き合っている現役イクメンドクター、亀田メディカルセンター・皮膚科医の池田大志先生に、赤ちゃんのスキンケアについて伺った。
[取材協力]
亀田メディカルセンター・皮膚科医
池田大志先生
2004年徳島大学医学部卒業後、2008年より現職。2児の父。2009年に誕生した長女の育児休暇を半年とったイクメンで、現在も乳腺外科医である妻とともに働きながらの育児に奮闘中。その経験、乳幼児のスキンケアについて著した『男が育休を取ってわかったこと』(セブン&アイ出版)がある。
赤ちゃんの肌はトクベツ! 肌育でうる&すべ肌に
「赤ちゃんの肌は大人と違いとてもデリケート。人間の皮膚の一番外側にある表皮が大人と比べて薄いのが特徴です(図1)。
表皮には肌の水分を維持する役割などを担う角質層があり、角質層を作る角質細胞は大人と比べて小さいのですが、角質細胞の間を埋める角質細胞間脂質が未熟で隙間があいているため、水分が逃げやすい状態になっています(図2)。
そのため、赤ちゃんの肌は水分が奪われて乾燥しやすく、ホコリやウイルスなど外からの刺激に対して敏感。でも、大人の体内水分量は体重の約60%ですが、赤ちゃんは約70〜80%と多いため、みずみずしい肌と感じるのです」。
赤ちゃんの潤いのあるすべすべの肌をキープするにはどうしたらいいのだろうか……。
「そのためには、角質細胞と角質細胞間脂質でできた角質層が持つ〝皮膚のバリア機能〞を健全に保つことが大切です。
そして、〝皮膚のバリア機能〞を維持することがスキンケアの基本になります。保湿するといった「攻め」のスキンケアと、洗いすぎないという「守り」のスキンケアで、赤ちゃんの健やかな肌を育てる「肌育」をしていきましょう」(池田先生)。
お風呂を担当しているパパも多いだろう。赤ちゃんのスキンケア・テクをマスターして、赤ちゃんのうるうる&すべすべな肌を育てていこう。
皮膚のバリア機能を保つ「守りのスキンケア」が大切
「守りのスキンケア」とは、皮膚のバリア機能から有害なものを避けること。「攻めのスキンケア」は、保湿剤など肌に直接何かを塗ってバリア機能を高めることである。乾燥してカサカサしている、赤みがある、湿疹ができたなど、赤ちゃんの肌にトラブルが起きたとき、保湿クリームやワセリンを塗るという「攻めのスキンケア」は、多くのパパママがすでに実践しているだろう。
しかし、バリア機能を有害なものから守る「守りのスキンケア」に着目し、究極の「守りのスキンケア」を目指すのが、「池田流ベビースキンケア」だ。
「僕が育児休暇を取得してわかったことは、日常生活において、バリア機能を損ねるものが身の回りにたくさんあり、それらを排除する大切さがほとんど理解されていないことでした。
日本人は世界でも有名な、きれい好き・お風呂大好き民族ですが、毎日お風呂に入って、石けんでゴシゴシ洗うと、必要な表皮を削り取ってしまったり、皮膚のバリア機能のある角質層を傷つけてしまうことに。
お風呂は週2〜3回、石けんは基本使う必要はありません。ただし、皮膚のバリア機能をよい状態に保つためには「攻め」と「守り」両方のスキンケアを取り入れていくことが大切です。そうすることで、赤ちゃんの肌を健やかな状態に保つことができます」(池田先生)。