時代遅れ? 読み聞かせのもたらす効果とは
2015/01/15
親による「バブバブ言葉」禁止令
その効果は?
赤ちゃんに話かけさえすれば十分だろう、と安心してはいないだろうか? 実際には、「どのように」赤ちゃんに話かけるかということが非常に大事なのだ。赤ちゃん言葉を使う際には、声のトーンだけでなく、声の幅を広げ、また感情部分をより強調させるべきなのだ。さらに、単語を反復的使用させるのもよい。これは語彙力の発達に大きく貢献するのだ。コネティカット大学の研究によると、高いピッチで、母音を伸ばした話し方をする親の元で育った子供は、2歳の時点で、語彙力が普通の3倍になることがわかっている。このように、声のトーンに特徴をつけることで赤ちゃんの関心が引き寄せられるため、言葉の理解が深まるのだ。ちなみに、1対1の会話がより効果的であるという結果も出ている。
「汽車ポッポ」
一般的な認識と違い、別に言葉を単純化する必要はない。とはいっても、「ニャンニャン」や「ワンワン」といった単語は、幼児にとって発音しやすいし、大人たちも理解がしやすい。理論家によると、赤ちゃん言葉には、「汽車ポッポ」という言葉に見られるように、単語が追加でつけ加えられる場合が多いそうだ。しかも面白いことに、付け加えられる言葉の多くが、その単語を説明する修飾語なのだという。これはもしかすると、その対象の主の意味を明確化したり、それ自体を認識しやすくする効果があるからなのかもしれない。どちらにせよ、単語を復唱することで、赤ちゃんが正しい発音を身に付けていくことができるということは確かだろう。赤ちゃんの中には、言葉の面で苦労する者もおり、コミュニケーションが上手くいかない度にイライラ度が増してかんしゃくを起こしてしまう場合もある。しかし、子供の言語取得が早ければこのようにイライラは減るだろう。
赤ちゃんが言葉を早く覚えられるよう大人が取り組むべきことはたくさんある。そして、それらを実行することは、赤ちゃん・お父さんの双方にとってとても有益なことである。赤ちゃんがイライラして泣き叫んでいる際に、「せめて、何をして欲しいのか、言葉で説明してくれれば!」と思った経験がある親は多いだろう。子供が自分の言葉で、物事を説明できるようにさえなれば、これらの悩みは一切抱える必要がなくなるのだ。
パパの弱点
一般的に女性は男性に比べると、言語コミュニケーションが得意と言われている。実際、近年の研究で、赤ちゃんの発する声や言葉に対する返答の確率が、女性は88%-94%である一方、男性の場合は、たった27%-30%だという結果が出ている。赤ちゃんはお父さんよりもお母さんの声を好みやすいという結果も導き出されているが、当然のことといえるだろう。これらの結果から、言語コミュニケーションがいかに重要か、そしてパパは、赤ちゃんにもっと話しかけてあげるべきなのだということを理解していただけただろうか。
赤ちゃん言葉は、赤ちゃんの言語の発達に大きな影響を与える。赤ちゃん言葉を使うことに対する違和感や、何を話していいのかわからないといった問題は、もちろん誰もが直面する。しかし、これらを乗り越えるのに大して時間はかからない。もし、赤ちゃん言葉を使いたくない場合は、普通の言葉でいいから、とにかく子供に接してあげよう。結局、話しかけるという行為自体に意味があるのだ。言語の発達面だけでなく「繋がり」を深めるためにも、赤ちゃんにはパパの「声」を聞く必要があるのだ。もし、何を話していいのかわからない場合は、次のポイントを参考にしてみよう。
5つのポイント
1. 自分が今、何をしているのかを伝えよう
赤ちゃんをお風呂に入れているときに、身体を洗いながら、今、何をしているかを伝えてあげよう。「それじゃあお顔を洗いましょう。ご飯で汚れちゃったところをキレイにしますからねー」
2. おもちゃの有効活用
くまの人形を使って赤ちゃんとコミュニケーションを取ってみよう。その際、くまに名前をつけて、それが何をしているのかを伝えてあげよう。「ジャックみてごらん!くまのベンは今、何をしていると思う? ほら、踊っているんだよ!」
3. 簡単な童謡を歌ってみよう
「幸せなら手をたたこう」は言葉と動作を結びつける練習にもなるだろう。
4. 赤ちゃんに質問をするときに、返事を待つ間を取ろう
返事がバブバブ言葉だけだったとしてもこれは実行しよう。
5. 周りを見渡そう
周りに何が見えているのか、赤ちゃんに伝えてあげよう。飛行機が飛んでいることや、庭にいつもの野良猫が来ていることなど、なんでも構わない。これを行うことで、赤ちゃんは周囲の環境に興味を持つようになり、惹かれていくと同時に覚えることも増えていくのだ。
TEXT: Josephine Dwyer-Mann
TRANSLATOR: Ellie Yamashita
2014.12.2UP(FQ UK)
2015.1.15UP(FQ JAPAN)
#1 パパの本当の役割、そばにいることの大切さ
#2 生まれたての赤ちゃんと過ごす最初の7日間