ダイバーシティ推進室を設置し、
「女性が働きたい会社日本一」を目指す
2014/08/11
「日本一、女性が働きやすい会社。日本一、女性が活躍できる会社。」を目指して、女性従業員の働き方や働く環境の向上に取り組んでいるイオン株式会社をご紹介!
企業と社員が一丸となって、仕事と家庭の充実を図る企業をご紹介。
男女の区別なく、充実したサポートの最前線から見える各企業のビジョンとは? イオン株式会社 ダイバーシティ推進室の田中さんに伺った。
イオンは、昨年5月の株主総会で、管理職に占める女性の割合を、2016年までに30%、2020年までに50%に引き上げる、と宣言しました。そして、7月にはダイバーシティ推進室を設置し、「日本一、女性が働きやすい会社。日本一、女性が活躍できる会社。」を目指して、女性従業員の働き方や働く環境の向上に取り組んできました。
当社では、女性の積極的な活躍推進を、”会社を強くする経営戦略の一環”として捉えています。お客様に支持される会社になるためには、お客様に常に新しい価値を提供し続ける必要があります。しかし、これまでの成功経験をもった方々の考え方や常識から新しい価値が生み出せるかといえば、答えは「NO」です。これまでは意思決定にあまり参加していない女性にこそ、新しい価値を生み出す可能性、そして原動力がある。そう考えた結果、女性従業員を会社の戦力として活かしていこうという事になったのです。
ダイバーシティ推進室では、発足以来、イオングループ全体の女性従業員の働き方や働く環境、仕事への意識などを調査し、分析を行ってきました。会社により事情はさまざまなのですが、共通して見えてきたのが、入社3〜4年の若手女性従業員の退職者が多いこと、そして、女性従業員のキャリアアップへの意欲が低いことです。私たちは、その大きな理由に、明確なキャリアデザインが描けていないことがあると考えました。
そこで、発足2年目となる今年度の取り組みとして、結婚や妊娠・出産というライフイベントを控えた25歳前後の女性従業員を集め、キャリアデザインのセミナーを開催することになりました。イオンで自分はどのように働き、キャリアを積んでいくのか、今の仕事は、将来にどうつながっていくのかを改めて考え、「イオンで働くこと」へのモチベーション向上につなげたいと考えています。
今までのイオンにおける働き方などの様々な常識を覆し、新しい常識を作り上げることが、ダイバーシティ推進室のミッションです。今後は、時間あたりの生産性を上げる新たな働き方の提案、転勤可能なことが前提だった管理職の条件の改善、そして、最終的には、生き方そのものに対する新たな価値観を提示できればと考えています。女性にしかできないのは、出産だけです。それ以外の育児や家事は男性もやれることです。そんな考え方が男性従業員の間にも浸透し、実践する方々が増えれば、男性従業員にも生活者としての視点が身につきます。これは、「お客様=生活者」であるイオンにとって、大きなメリットです。全従業員が、女性活躍推進の先にある展望を見据え、意識や行動を変えていけるよう、一歩ずつ前進していきたいと考えています。
>>>PROFILE
ダイバーシティ推進室
室長
田中 咲えみさん
1997年、イオン九州株式会社入社。ジャスコ大村店(現イオン)で衣料品売場を担当したのち、教育訓練部へ。2006年にはイオン株式会社へ出向、グループビジョン策定プロジェクトチームや広報を担当し、2013年より現職。16歳の長女と3歳の長男のママとして、笑ったり怒ったりを繰り返す、充実した日々を送っている。
イオン株式会社
創業/1926年9月
所在地/千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1
資本金/2,200億700万円
事業内容/小売、ディベロッパー、金融、サービス、およびそれに関連する事業を営む会社の株式または持分を保有することによる当該会社の事業活動の管理
従業員数/約42万人(グループ従業員数)
www.aeon.info
>Text >> FUKA SASAHARA
※FQ JAPAN vol.31(2014年夏号)より転載
(2014.8.11up)