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国際教育は語学力向上が目的じゃない? 乳幼児のパパ・ママが知るべき基礎知識を解説

小学校の英語の必修化やグローバル社会の台頭を受け、注目を集める国際教育。近年では乳幼児期から英語を学ばせる家庭も多い。しかし、国際教育の目的は語学力の習得だけではないという。ここでは、乳幼児のパパ・ママに向けた国際教育のキホンを解説する。

<目次>
1. Q1 国際教育ってそもそも何?
2. Q2 国際教育の学校に入るメリットは?
3. Q3 子どもが小さいうちから始めた方がよい?
4. Q4 インターナショナルスクールにはどんな学校があるの?
5. Q5 インターナショナルスクール以外には、どんな選択肢がある?

 

Q1 国際教育って
そもそも何?


グローバル社会において必要な語学力や異文化理解力、対話する力などを総合的に育む教育のこと
多文化社会では、相手の価値観を受け入れる誠実さと、自分のアイデンティティを尊重しながら対話を続ける姿勢が不可欠だ。そのために必要なのが言語力と違いを認め合い誠実に対話を重ねる経験。言葉が通じるだけでは届かない、国籍も文化も異なる相手の「懐に入る力」を育てることが国際教育の目的だ。

Q2 国際教育の学校に
入るメリットは?

多様な人たちと学ぶことで、協調性や共生力を身につけられる
国籍や文化の異なる生徒や教師と日常的に関わることで、互いの価値観や文化を理解し尊重する力が自然と育つ。時間を選ばず手軽なオンライン学習は、言語習得には効率的に見えるが、実際に人と関わりながら学ぶ「質の高い体験」の影響は大きい。コミュニティに属して過ごす経験が、人間形成にもつながる。

Q3 子どもが小さいうちから
始めた方がよい?


幼少期から始めると入学選考に有利になることも。ただし、母語とのバランスに注意が必要
インターナショナルスクールでは、英語での面談や行動観察が入学選考に含まれることが多く、プリスクールなどで英語環境に慣れている子どもは有利になる。一方で、母語の発達が不十分の場合アイデンティティ形成に影響が出る可能性も。日本の文化や言葉に触れつつ、国際教育を取り入れるバランスが求められる。

Q4 インターナショナルスクールには
どんな学校があるの?

特定の国をモデルにした学校や教育プログラムを基盤にした学校などタイプはさまざま
インターナショナルスクールとは、国内にありながら、異文化交流や国際感覚を学べる教育機関。アメリカ系、国際バカロレア系、イギリス系、インド系の4つが主流である。クラスメイトや教師の外国籍率が高いため、多様な価値観に触れられる点が魅力。一方、家庭への依存度が強まりやすく、自律性や多様性が育ちにくいこともあり注意が必要。

アメリカ系


アメリカの教育カリキュラムに沿った教育を行う。服装も自由で校則も寛容。特に小学校では伸び伸びとさせる校風が多く、子どもが自ら考える力を大切にする。

イギリス系


イギリスの教育制度に沿ったカリキュラムを展開。制服必須が多く、規律を重んじる校風。基礎学力に加え、アートや音楽を扱う授業も多い。

国際バカロレア系


国際バカロレア(IB)の教育プログラムを採用する。多様な価値観を前提に学ぶ探求型の教育で、自分の個性を伸ばすことが重視される。

インド系


インド式の教育方針を取り入れ、理数系や英語教育に強みを持つ。STEM教育やロボティクス、プログラミングにも力を入れている。

Q5 インターナショナルスクール以外には、
どんな選択肢がある?

全寮制のボーディングスクールや留学の他、近年では教育移住も増えている
ボーディングスクールや留学では授業以外も英語中心で、他の生徒と集団生活を送るためインターナショナルスクールよりも語学力や自立心、多様性理解が進むのが特徴。テレワークの普及により海外でも仕事ができるようになり教育移住も増加中。カナダやニュージーランドなど英語圏の国の他、教育水準が高く費用も抑えられるマレーシアなどのアジア圏も人気。

ボーディングスクール

主に全寮制の形態を取り、学習と生活の双方から国際的視野を育む教育機関。学業に加え、スポーツや課外活動を含む24時間の教育環境が整っている。サポート体制も充実しているが、自ら支援を求める力が求められる。注意点は、幼少期から家族と離れる精神的負担や、日本語力や日本文化との距離が広がるリスクがあること。

教育移住

家族で海外に移り住み、子どもが現地校やインターナショナルスクールに通う方法。幼少期から小学生の時期を対象とするケースが多い。現地の言語に触れる機会が豊富である一方、日本語の学習が疎かになると母語力が低下する恐れがある。家庭学習を通じて日本語を補強し、アイデンティティを支える言語環境を整えることが重要だ。

海外留学

海外の学校や教育機関で学ぶプログラム。休暇を利用した数週間程度の短期留学から、1年間の長期留学まで期間は様々。語学学習と異文化体験を組み合わせた内容が多い。日本の学校が主催する場合は、既存の授業と連携した学びが期待できる。短期の場合は、旅行感覚で終わらせず、事前・事後学習を通じて学びを定着させることが大切。


取材協力/Global KA Holdings株式会社 取締役 兼 最高財務責任者 (CFO) モントゴメリー道緒さん、ABCホールディングス ABC HORIZON社 白崎陽子さん

FQ JAPAN BABY&KIDS VOL.73(2025年秋号)より転載

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