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インタビュー

5/30公開! 映画『パフィンの小さな島』ゲスト声優・上野樹里さんインタビュー

世界中にファンをもつ、アイルランドのアニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」の最新作が5/30(金)に公開される。日本語吹き替え版には、女優・上野樹里さんが声優として参加。環境問題への関心が深く、本作のテーマに深く共鳴したという上野さんに、本作への想いなどを聞いた。

<目次>
1. ゲスト声優・上野樹里インタビュー
2. 映画『パフィンの小さな島』情報

 

困難な時代を強く、美しく
生きる力を授けてくれる作品

―― 本作のどのようなところが魅力だと感じられますか?

本作は、自然へのリスペクトが感じられる作品。キャラクターの背景に登場する植物も、自然界で実際に存在している場所などを把握したうえで、忠実に描かれています。生態学的な観点も大切にしている点に、とても好感を抱きました。

また、本作のメインキャラクターであるウーナやババのモデルは、絶滅危惧種の「ニシツノメドリ(通称パフィン)」。ファンタジーになる部分はありますが、本作を通して彼らの暮らしやドラマを覗きみることができます。その点も大きな魅力ですね。彼らの姿をアニメーションで表現したからこそ伝えられたメッセージも、たくさんあると思っています。

―― ウーナのママの声を演じるうえで、どのようなことを心がけましたか?

ウーナのママは、仲間うちではリーダーのような存在です。ただ、その点だけに注目して「ザ・優等生」な演技はやめようと。オリジナル作品でも皆が等身大で、揺れ動くリアリティを大切にされていたので、目立った強さや荒々しさは削ぎ落とすことを意識しながら声を演じました。ウーナたちが暮らす島に嵐が迫るシーンでは、ママと自分の姿を重ね、どう振る舞うべきかと考えたりもして。

家族だけでなく周囲の人も守れる存在でありたいと考え、身内に対して語りかけるイメージでセリフを吹き込みました。


左にいる鳥(ニシツノメドリ)が、上野さんが声を担当している“ウーナのママ”。

―― 本作は、どのような人におすすめしたいですか?

『パフィンの小さな島』には、分かりやすいヒーローやヒロインは登場しませんし、過度に誇張された表現もありません。それぞれのキャラクターが自然体で、等身大の姿で存在しています。おひさまと、その元で咲く花々があり、そこで子どもたちが駆け回る風景こそが尊い。海の生き物や陸の生き物の、すべてが繋がりあって力を合わせるからこそ、みんなが無事に暮らすことができる。本作からはきっと、そんなメッセージを感じてもらえると思います。

コロナ禍以降、世の中の雰囲気が変わりましたよね。海外の流行を追うのではなく日本の良さを見直す風潮が生まれたり、すっきりと暮らすために断捨離をするのがブームになったり。そんなふうに地に足をつけて暮らすようになった人にとって、本作はしっくりくる作品だと思います。

―― ほのぼのとした作風ながら、たくさんの貴重なメッセージが散りばめられた作品ですね。

例えば、嵐で故郷を失ったエトピリカの子が「おうちに帰りたい」と嘆くシーンがあります。そんな彼女に対して、ウーナのママはこう声をかけます。
「そこがどんな場所でも、自分のおうちにするの」と。これは、現代を生きる子どもたちに向けた言葉でもあります。戦争や紛争により故郷を失ってしまった子や、居場所や夢を見つけられない子にとって、安心感や希望を抱ける言葉だと思います。また、本作のキャラクターたちが力を合わせて困難を乗り越えていく姿を目にすれば、きっと勇気をもらえるはず。

現実の社会にも、さまざまな困難がありますが、一人ひとりが小さなコミュニケーションを大切にしながら立ち向かえば、社会の仕組みも改善できる。

本作は、困難な時代を強く、美しく生きる力を授けてくれる作品だと思います。
 

DATA

映画『パフィンの小さな島』
5月30日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー


アイルランドの西の海に浮かぶ小さなトンガリ島に暮らす海鳥パフィン(ニシツノメドリ)の女の子ウーナと弟のババ、そして様々な動物たちが繰り広げる愛らしい冒険と、友情の物語。ある日、大きな嵐によって故郷の島に住めなくなった動物たちがトンガリ島にやってくる。慣れない環境に戸惑うエトピリカの女の子、イザベルが心ならずも巻き起こした“ある事件”を通じて、新たな友情が育まれていく。

原案:トム・ムーア(「ウルフウォーカー」)/リリー・バーナード、ポール・ヤング
脚本:サラ・ダディ 監督:ジェレミー・パーセル
声の出演:上野樹里/新田恵海/田所あずさ/チョー
配給:チャイルド・フィルム

© 2023 Puffin Rock and The New Friends

 

PROFILE

上野樹里

1986年生まれ、兵庫県出身。2001年の芸能界デビュー後、明るいキャラクターからシリアスな役まで幅広く演じる女優として活躍している。主な出演作にドラマ「のだめカンタービレ」「江~姫たちの戦国~」「監察医 朝顔」、映画『スウィングガールズ』『のだめカンタービレ最終楽章 前・後編』など。近年には、ドラマ「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」「ヒヤマケンタロウの妊娠」「私小説 -発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-」、ミュージカル「のだめカンタービレ」、映画『隣人X-疑惑の彼女-』などに出演。また、テレビ東京「新美の巨人たち」では、レギュラーでナレーターを務めており、ナレーションなど活躍の場を広げている。


写真・文/緒方よしこ
スタイリング/古田千晶 ヘアメイク/清家いずみ

衣装:ワンピース¥440,000、ハイネックトップス 参考商品、イヤリング¥156,200、リング¥110,000(ボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン 0120-60-1966)

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