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【小児科医監修】朝ごはんを食べないと脱水症状に…自宅でできる熱中症予防

屋外だけではなく、屋内でも起こりうるのが熱中症。ならないためには、「いかに予防するか」が最重要課題。夏こそ大切なのは、規則正しい朝昼晩の3度の食事・早寝早起きなどの正しい生活リズムだ。

規則正しい生活を心がけ
日中の外出は極力避ける!

暑いからといって必ずしも熱中症になるわけではない。では一体どんな条件下で発症するのだろうか。

「やっぱり体力が落ちている時です。風邪気味だったり、寝不足だったり、食事抜きだったり。暑い時こそ、普段以上にバランスの取れた食生活と、早寝早起きなどの規則正しい生活が大切です」と話してくれたのは、小児科専門医の粂川先生。

3度の規則正しい食事は、脱水症から身を守る強い武器となる。汗や尿だけではなく、人は知らず知らずに呼吸や皮膚から水分が失われている。その量はなんと大人で1日1000cc。失われていく水分と塩分などを効率よく摂取できるのが3度の食事なのだ。

「朝ごはんを食べずに出かけたために脱水症になって運ばれてくるお子さんもよく見られます。子供って、遊びや運動に夢中になると、喉が渇いていても疲れていても、ちょっと無理して頑張っちゃうんですよね。ちゃんと帽子をかぶせ、水分補給に気を配っていても、熱中症になることもありますから。炎天下での活動はそういう危険性があります。なるべく日中の活動は避けたいですね」。

正しい水分補給法は、早めに・こまめに・少しずつ。がぶ飲みは厳禁。下痢が誘発される恐れがあるからだ。できれば夏は小児用イオン飲料(水やお茶に塩分をプラスしたものでもOK)を少しずつ摂るように心がけること。その際、冷し過ぎないよう気をつけるのがポイントだ。

 

外出時の対策

外出時3点セットを必携!

「水分」「帽子」「タオル」。タオルは首や頭に巻くことで日よけ代わりになり、あおげば風邪を送るための道具にもなる。

 

日中の外出は極力避ける!

気温が上昇する10〜14時の間、長時間の外出はできるだけ避ける。夏は夕方でも気温が高いので要注意。

 

プール時もこまめな水分補給と休憩!

水に入っているから大丈夫、とつい油断しがち。適度に休憩をはさみ、水分補給を忘れないこと。

 

屋内での対策

夜でもこまめな換気を!

締め切った部屋は、熱気がこもり、室温・湿度ともに上昇し熱中症を招きやすい。できれば夜も数時間おきに換気を。

 

扇風機を上手に活用!

風は直接体に当たらないようにし、クーラーと併用するのが効率的。

 

枕がわりにアイスノン!

お昼寝・夜寝で大活躍の便利アイテム。頸動脈を効果的に冷やし、体温の上昇を防ぐ。

 

監修

粂川好男(くめかわよしお)

杉並堀ノ内クリニック・小児科専門医。「安心と笑顔を持ち帰られるクリニック」がモットー。
幼少時に腎臓病を患い、長期入院した経験から、一生の仕事として医師となることを決意。


Illustration » KOUICHI KITA
Text » MIKAKO HIROSE

FQ JAPAN VOL.19(2011年夏号)より転載

※2015年に公開した記事の更新版です

 

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