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海外のトップ企業から学ぶ!時間を生みだすマインドセット入門

家事・育児の負担はまだまだ女性に偏る傾向があり、パートナーの健康や家計の安定にはパパのコミットが不可欠。今回は、海外のトップ企業でキャリアを重ねた経験を持ち、3人の母であるヴィランティ牧野祝子さんに、共働き夫婦の時間管理術を伺った。

自分の限られた24時間に
オーナーシップを持つ意識を

海外の様々な企業で働いた経験を持つヴィランティ牧野祝子さんは、よく外国人から、「日本人は仕事のために生きているの?」と質問されたそうだ。国や企業によってもさまざまだが、総じて、外国人に比べると日本人は、「自分の限られた24時間を大切にする」「自分の時間にオーナーシップを持つ」価値観が少ない傾向があるという。牧野さん自身も、「独身時代は自分の時間は仕事、会社のためにほとんどの使っていて、自分の時間に対して謙虚すぎました」と振り返る。

だが、自分の時間を大切にすることで、プライベートの充実度は大きく変わってくるもの。一度きりしかない人生を仕事に捧げるのではなく、「自分の人生のための時間」として考えるマインドセットが重要だと指摘する。大切なのは、自分の限られた24時間、そして人生に、主体性を持って積極的に関わる意識を持つことだ。たとえ望まぬ部署への異動があったとしても、漫然と受け入れるのではなく、「そこで自分の強みを活かして貢献できることはなにか」と主体的な意識を持つことで、未来は大きく変わるという。

さらに日本では、真面目で仕事ができるパパ・ママほど、「仕事も子育ても全部完璧にやれる」と考え、全力ダッシュのような毎日を送る傾向がある。だが、頑張りすぎて体調を崩したり、イライラして、家族に当たってしまっては元も子もない。「人生ってマラソンのようなものです。ダッシュしてばかりではゴールまで到着できません。そもそも、子育ては仕事のようにコントロールできないもの。適度に休んでリラックスする時間を持ちましょう」と牧野さん。長い目で見れば、それが家族との時間を大切にし、子育てにポジティブに向き合える余裕につながるのだ。

休むことは悪いことじゃない
デキる人ほど本気で休む!


週末や旅行中など、休息時間になにか閃いた経験はないだろうか。牧野さんは、「リラックスした時間にこそ、アイデアが出てくるもの」と断言する。休息時間を積極的にとることが、仕事の効率化や成果にもつながるのだ。

「この考え方は、海外では常識です。特に欧米企業の幹部ほど、休むことは仕事にとってもよいと積極的に休み、部下も休ませます。日本では、休まないことを良しとする価値観が残っている企業がありますが、ぜひ変えていく意識を持って欲しいです」と牧野さん。

また「自分が長く休むと仕事が回らない」と心配する人には、「自分が休んでも大丈夫なように仕事を整えましょう」と指摘する。取った休みで子どもや、パートナーと楽しい時間を過ごせば、家庭にも仕事にもいい影響がある。さらに、同じ部署の仲間も休みを取りやすくなり、将来的には、働くパパ・ママ全体が休みをとりやすい社会にもつながるかもしれない。

職場でこそプライベートを開示
子育てがしやすい環境を作ろう


子どもの急な発熱や怪我で早退や休みをとって、周囲の独身者から冷たい視線を浴びた経験のあるパパ・ママも多いのでは。そんな環境にいると感じたら、「今、子どもが小さくて大変なんだよね」と、周囲に自己開示をしておくこともタイムマネジメントのひとつだと牧野さんは言う。「状況を伝えておくと、いざという時に助けてくれる人が現れやすくなります。海外の企業では、同僚や上司・部下が人対人として、お互いの状況を知っていることがほとんどでした。相手の子どもの名前や好きな食べもの、休日の過ごし方まで知っていて、だからこそ助け合える環境があったんです」。

日本ではコロナ禍に“飲みニケーション”が減り、そういった関係性を築く機会が少なくなっている。だが、会議前や1on1の冒頭などにチャンスはあるもの。あえて雑談をして、お互いを理解することが、働きやすい環境つくりへの布石となるので挑戦してみては。

「聞くアウトプット」でモヤモヤ解消!
周囲を積極的に巻き込もう

子育てや夫婦関係のモヤモヤを抱えることは、仕事効率の低下につながる。溜めこまず、アウトプットを習慣にするのもタイムマネジメントには必須だ。特に牧野さんが共働き夫婦におすすめするのは、「聞くアウトプット」。「子育て経験のある先輩や上司などロールモデルとなる人を見つけて、家事・育児と仕事をどう両立しているのかを聞きに行ってみてください。モヤモヤや悩みで停滞することが少なくなり、仕事の効率もあがりますよ」と話す。

さらに、シッターや家事代行、両親など、積極的に他者を巻き込む作戦も有効だそうだ。日本では、シッターや家事代行を依頼することに抵抗がある人も多いが、「誰かに頼むことは慣れの問題」だと牧野さん。海外ではごく一般的で、頼まれた人にも喜ばれることが多いそう。「使ってみたら便利で楽なもの。ぜひトライしてください」。

教えてくれた人

国際エグゼクティブコーチ

ヴィランティ 牧野祝子(まきののりこ)さん


米コロンビア大卒、仏INSEADビジネススクールMBA修了。イタリア在住。障害児を含む3児の母。米系戦略コンサル、仏系化粧品会社、英系酒販会社、伊系ファッションなど多業種で国際的キャリアを積む。メンター経験やビジネス経験を生かし、現在は国際エグゼクティブコーチとして活躍中。


文:笹間聖子

FQ JAPAN VOL.73(2024-25年冬号)より転載

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