【小児科医監修】子供の喉が詰まったらどうする……!?ケガ応急処置マニュアル
2024/11/01
子供が顔や頭にケガをしてしまったらどうしよう……?こんなときに大切なのが冷静になること。どのような応急処置をすれば良いか、小児科医が症例ごとに対処法を紹介します。
【その1】日常で起こるケガ(擦りむいた・切った・刺さった・ぶつけた・やけど・ねんざ・つき指)
【その2】頭や顔のケガ(顔をぶつけた・頭をぶつけた・打った誤飲・誤えん)
【その3】外出先(公園、山、川、海)で起こるケガ(動物に噛まれた・おぼれた・かぶれた・虫に刺された)
傷の痛みもさることながら、子供にとってショックによる動揺も大きい。これをきっかけに親子関係を深め、精神的ケアも行ないながら、痕が残らない、あるいは重大な事態な発展しないよう経過を見守ることが重要だ。
顔をぶつけた
●打ち身・青あざ ●内出血や切り傷
●鼻血 ●失神・嘔吐
青あざは濡らしたタオルで冷却すれば痛みが治まる。切り傷や擦り傷は痕になる可能性があるので、よく洗って止血し、慎重に手当てする。
傷が大きく開いていたら縫合の必要も。医療用接着剤もあり、縫わない治療も可。
嘔吐や失神があれば救急
顔は痕が残るのが何より心配。ひどい強打のときは、失神や嘔吐が見られることもあるので、呼吸の有無を確かめ、その場合は迷わず救急車を呼ぼう。
仰向けにはせず前かがみにさせる。鼻血は飲みこませず、口から吐かせること。脱脂綿は、小鼻の内側にある“キーゼルバッハ”と呼ばれる部位(指を入れて触れる中央の硬い部分)に詰める。
頭をぶつけた・打った
●こぶ ●凹む
●機嫌が悪い、元気がない ●意識がもうろうとする
こぶの場合はなるべく安静にし、タオルでくるんだ保冷剤で冷却。頭は小さな傷でも派手に出血するので、慌てず傷口を洗い消毒。
傷の大きさと深さをよく確認し、止血して経過を見る。鋭い部分にぶつけて凹んでしまったり、いつもと様子が違うようであれば急いで救急病院へ。
状態をつねに観察する
外傷がなく、いつもどおり遊んでいても、頭のケガはあとから悪くなることも。跳んだり走り回ったりしないよう、常に目の届くところで静かに過ごさせ、状態の変化に注意する。気になるようであれば、病院での診察を。
動かさないのが基本
声をかけ、意識の有無を確認。呼吸がないなら救急車を呼び、人工呼吸と心臓マッサージを。意識があっても体が動かせないなら脊髄損傷の可能性も。慌てて動かしたり、柔らかい場所に寝かせ直すのは×。丸めたタオルで首の左右を固定。
誤飲・誤えん
●嘔吐
●窒息による呼吸困難
のどに詰まらせた場合、子供を下向きに抱え、あごを支えて背中をたたく。すぐに出てこない場合は、迷うことなく一刻も早く救急車を。受診の際は、何を飲んだが現物や容器があればベスト。
迷ったら専門機関へ
無理に吐かせないほうがいいものもあり、電池・漂白剤・たばこなどによって対処法が異なる(右図参照)。吐かせるべきか迷ったら日本中毒情報センターへ電話を。
誤飲の対処法 一覧(画像クリックで拡大)
外出時に持っていくといいものは?
消毒液 ちょっとした切り傷や擦り傷なら流水で洗えば十分だが、汚れたものが刺さったりした場合を考え、持って行くと安心。
ばんそうこう 大きめ、小さめの2種類。おすすめは防菌・防水・粘着性に優れた湿潤治療用。またあ、子供が大好きなキャラ入りなら泣き止ませられやすいので便利。
体温計 お泊まりなどで高熱を出した場合を考え、持って行くと安心。
保険証 いざ病院に行く時の必需品。
毛抜き 外遊びで子供はよく指に棘を刺したりするので、あれば重宝する。
滅菌ガーゼ 止血する時手っ取り早く手で押さえる方法もあるが、これがあればバイ菌の心配をすることなく止血可能。
大きめのスカーフ 保湿。止血。運搬などで活躍。
監修
鈴木洋(すずき よう)
信州大学医学部卒業。東大病院、愛育病院勤務を経て、90年に「鈴木こどもクリニック」を開業。著書に「ぞうさん先生の子育てトーク」(毎日新聞社)、「初めての育児0〜3歳」(西東社)など多数。
参考文献「こんなときどうする!?子どものけが」鈴木洋 著(チャイルド本社)
Illustration » KOUICHI KITA
FQ JAPAN VOL.22(2012年春号)より転載
※2014年に公開した記事の更新版です