【オトコの妊活塾】食べて高める妊活力!栄養士おすすめの妊活フードとは?
2024/11/20
妊活中は毎日の食事に気をつけたいもの。しかし、妊活力を高めるためには、何を・いつ・どのように食べたらよいのだろうか?おすすめの栄養素や妊活中に避けるべきNG食材、理想的な食習慣について、管理栄養士である松田真紀先生に教えていただこう。
1. 「Q. 先生、妊活力を高めたいです! 必要な栄養素やおすすめの食材ってありますか?」
2. 「Q. 先生、食事の時間がばらばらです……!妊活にはどんな習慣が理想ですか?」
3. 精子の質を上げるオススメ栄養素
4. 「Q. 先生、健康のためと手料理を始めましたが、仕事もあり毎日は大変です!」
5. 「Q. 先生、妊活中に避けるべきNGな食べ物はありますか?」
6. 精子の質を上げる生活習慣
7. パパでも作れる簡単・妊活レシピ【鮭とアサリのアクアパッツア】
8. まとめ
Q. 先生、妊活力を高めたいです! 必要な
栄養素やおすすめの食材ってありますか?
結論からいうと、「これを食べれば妊娠する」といった妊娠率を上げる食材はありません。ただし食事で妊活力を上げることは可能です。外見がどんなに若くても20代をピークに少しずつカラダの機能は低下していくのが現実。しかし加齢による衰えは、日々の生活習慣に気をつけることで健康度を維持することができます。
それにはストレスをため込まないことが一番。「腸脳相関」と呼ばれる概念があり、脳の状態が腸へ影響するように、腸の状態が脳へも影響するんです。脳で分泌される物質に「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンがあり、減少するとうつ病に繋がることも。セロトニンの元となるトリプトファンは腸で吸収合成され、脳へ送り込まれます。腸内環境を整えるとセロトニンが増え、ストレス低減になり、カラダの衰え防止につながります。
腸内環境を整えるにはバランスの良い食事が大切。暮らしに合わせて食生活を楽しみ、幸せホルモンを増やしましょう!
Q. 先生、食事の時間がばらばらです……!
妊活にはどんな習慣が理想ですか?
食事だけを切り取るのではなく、生活習慣全体を見直すべきでしょう。バランスの良い食事を心がける以外に、適度な運動、睡眠、休養、それからメンタルヘルスも大切です。生活習慣の乱れは生殖機能を低下させる要因となりかねません。
例えば、20代から30代は仕事でも残業が続いたり、重要なポストについたりするなど、体力・気力ともに負荷がかかるとき。ストレス過多、睡眠時間の減少、栄養バランスの乱れた食生活などが生殖機能低下を起こしている可能性があります。
しかし生活リズムは人それぞれ。食事の時間を無理に朝・昼・晩に合わせる必要はありません。残業続きで夜ご飯が遅くなってしまう人に、朝ご飯を食べさせてもリズムが崩れてしまいます。そういった人の場合は、むしろ「腸を休ませる時間をとってあげること」がとても大切です。
また、「○○だけを食べ続ける」「○○は絶対に食べない」という極端な食事法は健康を害するおそれがあります。自分の心とカラダに関心を持ち、トータルでいい状態を保っていくように心がけましょう。
それでも知りたい!精子の質を上げるオススメ栄養素
基本は「バランスの良い食事」! ここではあえて、妊活に良い作用をもたらす食材をピックアップ。カラダを健康に、必要以上に錆びさせることを防ぎ、男性ホルモンを増強するために食生活に取り入れてみては?
①鮭
タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど、健康を維持していくために必要な栄養素が豊富に含まれています。特にビタミンDは男性の性機能に直結し、妊活に欠かせない大切な栄養素。魚を多く食べる人ほど精子の数が多く、鮭に多く含まれるオメガ3脂肪酸摂取が多い人ほど、精子濃度がとても濃いとの研究結果も!
②アボカド
森のバターとも呼ばれ、ミネラルやビタミン、必須脂肪酸、タンパク質などを含む栄養の宝庫。ビタミンEをたっぷり含み抗酸化作用が強く、性欲を高めるとされる葉酸も含むスーパーフードの代表格です。性欲を高める男性ホルモンのテストステロンを増強するためにもタンパク質と一緒に摂りましょう!
③オリーブオイル
良質な油であるオレイン酸を主成分に、ビタミンA、ビタミンE、ポリフェノールなどが豊富。一価不飽和脂肪を多く含み、老化や動脈硬化を引き起こす原因と言われてる過酸化脂質を抑制します。抗酸化作用の高い油の摂取を!
Q. 先生、健康のためと手料理を始めましたが、
仕事もあり毎日は大変です!
コンビニ食でも大丈夫。不健康な食事という印象のあるコンビニ食ですが、実は上手に活用すれば健康的な食事ができ、栄養素もバッチリ摂れます。例えば冷凍のアボカド。アボカドはミネラルが豊富で、女性にとっても妊娠初期から必須の栄養素として知られる葉酸をたっぷり含んでいます。冷凍アボカドと厚揚げを使ったキムチ炒めは味も栄養も文句なし。シャケ缶やツナ缶であえて、ビタミンD追加の最強サラダも!
調理不要・すぐ食べたいという方には、おでんがオススメです。イワシのつみれや厚揚げなど、ヘルシーで妊活力向上栄養素も豊富。冬の定番といったイメージですが、夏の冷やしおでんもさっぱりとしていて最近は人気ですね。そのほかに、もち麦おにぎりやスープ、無調整豆乳なども栄養価が高く腸も温まりオススメです。
手軽に買えて便利、働くパパたちの強い味方であるコンビニ食は、妊活中も上手に活用したいもの。商品を手に取ったら、栄養バランスをチェックしてみると良いでしょう。
Q. 先生、妊活中に避けるべき
NGな食べ物はありますか?
日々のおやつタイムでうまく息抜きをしたいところですが、ポテトチップスのようなスナック菓子は避けた方が安心です。これらのジャンクフードは添加物の多さが弱点。カラダの老化につながり、どうしても精子の質が低下してしまいます。だからといって全面的に禁止してしまうと、精神の安定や安心感を促す幸せホルモンであるセロトニンが分泌されません。
セロトニンが不足しイライラすれば、夫婦仲が崩れてしまうことも。無理におやつを食べなくしてしまうのではなく、上手に選んで摂取していきましょう。例えばチョコレートには、セロトニンの分泌を活発化させ、セックス直前に取ると満足感が上がるというデータもあります。ビタミンB1・Dが豊富なナッツ類もオススメです。
食事は栄養を摂るものですが、おやつタイムでリラックスすることも大切です。無理のない範囲でなるべく控えるようにしながら、適量を楽しんでください!
実践してみる?精子の質を上げる生活習慣
①運動習慣を身につける
カラダの負担になりにくい運動を毎日継続することが大切。仕事が忙しく時間がないという方は、ウォーキングやストレッチなどカラダをほぐす運動からチャレンジ!
②腸を休ませる
腸内環境の乱れは腸の働きに負荷をかけ、老化を加速させます。食事は腸を休ませるためにも最低8時間空けてとると理想的。カラダに良いものを食べることも大切ですが、腸にも休息は不可欠です。
③温活をする
カラダが冷えるといろいろ不調が出てくるので、温めて体質を改善しましょう。最近流行りのサウナは、心肺の疲労につながるのでやりすぎは禁物、ぜひ適度に楽しんで。
④アルコールは飲まないかごく少量で
習慣的なアルコール摂取は精子形成にはマイナス。習慣摂取は避けましょう。どうしても飲みたい方は赤ワインを選んで。ポリフェノールが豊富なので、抗酸化作用により錆びつかないカラダに!
⑤喫煙はしない
喫煙者はこれを機に禁煙を。妊活に関わらず、カラダ全体の健康のためにも喫煙はやめましょう。
時間があるときは手作り料理に挑戦! パパでも作れる簡単・妊活レシピ
【鮭とアサリのアクアパッツア】
〈 材料 2人分 〉
・生鮭 2切れ
A ニンニク 少々(チューブOK!)
A オリーブオイル 大さじ2
B プチトマト お好みの量
B アサリ水煮缶 1缶(汁ごと使用)
B ミックスハーブ 少々
〈 作り方 〉
プチトマトはヘタを取り除いておく。 ニンニクはみじん切りに。鮭は両面にミックスハーブを振っておく。
1 フライパンにAを入れ、中火で炒める。
2 香りが立ったら鮭を焼く。焼き色が付いたら裏返す。
3 鮭の両面に焼き色が付いたら、Bを混ぜ入れ、フタをして中火で加熱。
4 全体に味が馴染んだら、器に盛り付けて完成。
※さらに簡単に、生鮭をスモークサーモンにして、レンジ7~8分でできます!
まとめ
★ 食事バランスを見直し、錆びないカラダ作りをすることで精子の質は確実に変わる。
★ ストレスは最大の敵。幸せホルモンを積極的に出して、カラダ全体の妊活力を上げる。
★ コンビニや外食も問題なし。 がんばり過ぎないことが大切。
教えてくれた人
松田真紀先生
管理栄養士。年間1000人以上のダイエットカウンセリング実施、外食・コンビニOK!ストレスフリーな簡単ダイエットを提案。
絵/KAORI ASAMIYA
文/AKIHIRO TAKEJI
協力/TENGA Healthcare Inc.
FQ JAPAN VOL.60(2021年秋号)より転載