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五島列島の自然と人との交流が心をカラフルに染める。子どもの五感を育むツアーに密着

豊かな自然と文化を五感で味わう体験を提供するホテル「カラリト 五島列島」が、旅育をテーマにした体験型ツーリズムを開催した。五島に生きる人々と暮らしに出会い、知り、深くつながる体験は、子どもたちに何をもたらしたのか。体験の模様をお届けしよう。

<目次>
1. 子どもの五感を旅で育む体験型ツーリズムを開催
2. 五島の魅力を楽しみながら学びに繋げるプログラム
3. 五島名物!「かんころ餅」の手作り体験
4. 五島の成り立ちを知る。「鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター」を見学
5. 島暮らしの醍醐味を味わう!漁師飯づくり体験
6. 畑のお仕事をお手伝い。夏野菜の収穫体験
7. 体験を通して育まれた子どもの成長と父子の絆
8. 「Colorit Tourism」イベント概要

 

子どもの五感を旅で育む
体験型ツーリズムを開催

透き通った海と悠々とそびえる山々に囲まれ、原風景的な美しさが人々を魅了し続ける長崎県・五島列島。中でも、長崎県指定有形文化財に指定されている「堂崎教会」や朝ドラの舞台にもなった「大瀬埼灯台」など多くの名所を有する福江島は観光の中心地になっている。そんな福江島に2022年8月にオープンしたホテル・『カラリト五島列島』が主催する、体験型ツーリズム「Colorit Tourism」が、2024年6月29日(土)、30日(日)の2日間にわたり開催された。

「その土地と深くつながる旅」をコンセプトに、宿泊滞在を通し、地域に息づく歴史や文化、食、仕事を体験できるプログラムで構成。その地に生きる人々とその暮らしに出会い、知り、深くつながることで、訪れた人々にとって「ふるさと」のような存在になってほしいという想いが込められている。本ツアーには、乳幼児から小学生まで幅広い年齢の子どもを連れたファミリーが参加した。

五島の魅力を楽しみながら
学びに繋げるプログラム

「Colorit Tourism」は、子どもたちの「生きる力」を高めるとして、近年注目を集める「旅育」にも対応したプログラムを提供。「旅育」とは、旅のなかで子どもたちの好奇心を刺激し、日常の生活では関わらない人との交流を通して、心身の成長を促すというもの。そのため、本ツアーでは地元の人たちの協力を得て実現した、学びに繋がるコンテンツを多数ご用意。五島ならではの特別な体験は子どもたちも飽きずに、積極的に楽しむ様子が見られた。

五島名物!「かんころ餅」の手作り体験

五島の郷土料理の代表「かんころ餅」。かんころ(さつま芋を薄く切って天日干ししたもの)を餅米に混ぜてつきあげて作られる。かんころを混ぜることで当時は高価だった餅米を少なくしても、家族全員が十分な量を食べられたことが由来とされている。五島では冬の保存食として昔から各家庭で作られており、味も作り方も様々だそう。この日は、しっとりとした食感と高い糖度が特徴の紅ハルカを使用。薪で蒸したイモを2種類の砂糖をブレンドしていく。


粘り気の強いイモをこねるには相当な力がいるので、大人でも一苦労。子どもたちも大きなヘラを持って一生懸命こねこね。


こねたイモは生成器に入れてこす。そうすることで口当たりのいい食感が生まれるそう。こしたイモにもち米を混ぜ合わせ、さらにこねていく。


最後にイモともち米を混ぜたタネに小麦粉をまぶして棒状に整えていく。キレイな形に成型するのは熟練の技が必要で、参加者たちは悪戦苦闘。手作りした「かんころ餅」は、一人一本づつお土産に。素朴で優しい甘さは、どこかほっとする懐かしい味がした。

五島の成り立ちを知る。「鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター」を見学

地質遺産から土地の成り立ちを学び、未来に残していくための行動を考えるための施設である、ジオパーク。日本では9施設が登録されており、「五島列島(下五島エリア)ジオパーク」鐙瀬ビジターセンターは、2022年にその仲間入りを果たした。2023年4月末のリニューアルオープン後、五島市の観光ツアーにも組み込まれるなど、高い注目度を誇る一方で、地域住民の交流の場としても愛される存在だ。


城下町であった五島市は、武家屋敷の名残である石垣つくりの景観がいまなお観られる貴重な街。「鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター」の看板にも、シンボルである石垣がデザインに取り入れられている。


CG映像やジオラマで五島の地質の成り立ちが学べるジオミュージアムは、子どもの目線に合わせた展示がなされている。


五島で噴火した溶岩石の他、五島に生息している昆虫の標本など、子どもたちの好奇心をくすぐる展示も。


自然の素材を使った工作ができるジオファクトリー。ストーンペイント(1人/300円)では、様々な形の石のなかからひとつを選び、クレヨンやマーカーなど好きな道具でお絵描きが楽しめる。石の形を魚や虫に見立てるなどアイデア次第で創作の幅は無限。大人もついつい、のめり込んでしまう。

島暮らしの醍醐味を味わう!漁師飯づくり体験

日本一の豊富な魚種を誇る長崎県。五島列島でも漁業は盛んで、その日獲れた旬の新鮮な魚を、一番美味しい状態で食べることができるのは島暮らしの醍醐味。今回は、地元の漁師さんが魚を捌く姿の見学から、漁師飯つくりを一緒に体験。


初めて見る魚の内臓や切られていく姿に興味しんしん。それもつかの間「怖い!」次々に出ていってしまう子どもたち。「命をいただくこと」を肌で感じる貴重な経験に。成長した後も、食べ物への感謝の心を育くむきっかけになるはずだ。

BQQコンロで塩焼きの調理をお手伝い。最盛期には1キロの個体も獲れるイサキは、大きいほど脂のノリもよく食べ応えも抜群。



食卓には漁師飯がずらり。ラインナップは鯛とヒラマサの刺身に、イサキの塩焼き、筍とわかめの混ぜおにぎり、カマスのすり身揚げ、アラ汁。パパたちがお刺身に夢中になるなか、子どもたちに大人気だったのは混ぜおにぎり。五島の旬の味覚に舌鼓をうち、大人も子どももお腹いっぱいに。


夕食会場となったのは、築100年の古民家をリノベーションして生まれたゲストハウス「あこうハウス」。その名の由来となった推定樹齢250年にもなる大樹「あこうの木」は、五島の歴史そのもの。オーナーであるニコラスさんは「ずっと昔から五島の人たちを見守り続けてきたあこうの木はみんなにパワーを与えてくれる。島に住んでいる人だけでなく観光に来た人たちが、自然の素晴らしさとエネルギーをチャージできる場所を作っていきたいと思います」と語る。


ニコラスさんの本職は英会話講師。自然のなかでグローバルな学びを得られる体験は、近い将来、五島の新名物になるかも?

畑のお仕事をお手伝い。夏野菜の収穫体験

五島の名産で知られる「椿の実」の油粕と、ミネラルの豊富な海水を用いた、昔ながらの栽培方法で育てられる「椿やさい」を生産する「いきいき五島農園」の協力のもと、野菜の収穫体験へ。この日は、トウモロコシ、しし唐、なす、トマト、枝豆といった夏野菜を収穫していく。化学肥料を使わず、有機栽培にこだわる「いきいき五島農園」では、肥料も手作り。米ぬか、もみ殻、鶏糞、石灰に油粕などを加え、さらに地元の漁師さんたちから譲り受けたウニの殻を配合。従来であれば産業廃棄物として処理にも費用がかかるウニ殻は、肥料としてはミネラルの豊富に含む貴重な資源。こうして資源を循環させていくことは、環境への負荷を抑えることに繋がる。少し子どもたちには難しい内容だが、本ツアーのもうひとつの狙いは「大人も学びを楽しむこと」。子どもたちは五感で楽しみ、大人たちは知識を深め、異なるアプローチながらも自然に親しんでいく体験を楽しめる。


キャンプではお馴染みの竹を使ってご飯を炊く「竹飯盒」。子どもたちは竹筒のカットに挑戦。


親子で力を合わせてトウモロコシを収穫。もげる感覚がやみつきに。



もぎたてのトマトをがぶり。パパは「美味しいよ!」と勧めるも、トマトよりも枝豆に夢中の様子。収穫してすぐに塩茹でした枝豆は、特に手を加えなくても充分にご馳走だ。食べ終えた枝豆の殻は、畑の肥料としてまた循環していく。


お待ちかねのBQQでは、収穫した野菜を五島産の塩「さとうの塩」でいただく。ミネラルが豊富でまろやかな味わいが特徴の大粒の塩が、素材の味を引き立てる。五島の調味料・ピーマン味噌は、ピリッとした爽やかな辛みが特徴で、ご飯がすすむお味。


「竹飯盒」で炊いたご飯は、竹の香りがふわりと香る素朴な味わい。底にはぱりぱりとして食感のいいお焦げも。

体験を通して育まれた
子どもの成長と父子の絆

体験したのは、西村典哲さん・直記君(左)。坂本雄祐さん・玲君(右)。

「かんころ餅の手作り体験で地元の人たちに褒めていただいたのがとても嬉しかったようで、自己肯定感が高まったようです。親や先生以外の「知らない大人」に褒められたり、認められたりする経験というのは実は貴重な機会で、子どもたちの価値観や視野を広げる意味でも大切なことかもしれないと感じました。また、はじめて出会う人たちと過ごすなかで自分なりにどう振舞うか考えて行動していたように見えます。その経験からか、自宅に帰ってからも弟に対する言葉の掛け方や、家事の手伝いなど、他者視点で想像し、行動ができるようになりました。母親も「ほんの数日離れただけなのに、少し大人になって帰ってきた」と驚いていましたね」(西村さん)

「いきいき五島農園での野菜の収穫体験の際、普段は嫌がっていた野菜を自分の意思で食べようとしていた姿が印象的でした。よっぽど楽しかったのか、帰るときも「ずっと五島にいたい」「帰りたくない」と言っていて、まだまだみんなと一緒に色々な体験をしてみたかったようです」(坂本さん)

五島の自然と人との交流が育んだ、子どもたちの成長。1泊2日のこのツアーは、わが子の成長を目の当たりにする親としての喜びと、父子の絆が深まった記憶として、ずっと心に刻まれていくだろう。

また、体験型ツーリズム「Colorit Tourism」は、早くも次回のツアーを企画中だそう。次回の「Colorit Tourism」をはじめ、カラリト五島列島のイベントは公式Instagramでアナウンス予定だ。

五島の魅力と子どもたちの成長に出会える「カラリト五島列島」で、きらりと輝く思い出つくりに訪れててみてはいかがだろうか。

 

 

イベント概要

「Colorit Tourism in 五島列島」
実施日程:2024年6月29日(土)~30日(日)(1泊2日)
開催地:長崎県五島市
会場:カラリト五島列島、あこうハウス、いきいき五島農園
主催:株式会社カラリト・一般社団法人五島市観光協会

DATA

カラリト五島列島

“飾らない自分にかえる、晴れやかな時間” をコンセプトとした全室オーシャンビューのホテル。宿泊、レストラン、asobiを通じて、五島列島の豊かな自然と文化を五感で味わう体験を提供。アクティビティ担当の現地スタッフは、フレンドリーに子どもたちへ接し、友達のように全力で遊び相手になってくれる。


メゾネットタイプは、一階の和室と2階のベッドルーム、踊り場にキッチンダイニングスペースを採用。家族利用はもちろん、3世代でものびのびと過ごすことができる。

住所:長崎県五島市浜町546-2
料金:メゾネットワイドテラス 1泊2食付き 1名33,000円(税込・4名利用時)~
※シーズンによって価格は変動します。公式HPでご確認ください。

一般社団法人五島市観光協会
五島地域の観光及び物産の振興を図ることにより地域産業の発展に寄与することを目的として活動している一般社団法人。観光資源の調査や保護育成、物産の宣伝や販売促進を行っている。

問い合わせ

カラリト五島列島
TEL:0959-78-5110


文/FQ JAPAN編集部
写真/松尾 夏樹

Sponsored by カラリト五島列島

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