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インタビュー

岡村隆史「大切にしているのはひとつだけ、極力子どもと一緒にいること」

「この巨大ゾウの声、だれ?」と多くの人が衝撃を受けた大迫力ボイス。その正体は、6月28日公開の映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』で、見事に“すいとるゾウ”を演じきった岡村隆史さん。2歳のお子さんを育てる岡村さんが、たった1つ大切にしていることとは?

<目次>
1. とにかく立たなきゃ! 立たないと何も生まれない
2. 敵も味方もない 協働で生きる強さ
3. 映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』情報

 

とにかく立たなきゃ!
立たないと何も生まれない

岡村隆史さんがアニメ映画の声優に初挑戦した。演じるのは、絵本の世界でルルンが守る森を枯らそうと大暴れする“すいとるゾウ”。役作りについて質問すると、「この役、強いしデカいし、本当にボクにできるのか悩みました。芸能界ではこれまで“小さい”ことでご飯食べてきましたし(笑)」。

岡村さんはそんな悩みを抱えながら奥さんに相談した。
そしたら妻はすぐに賛成してくれました。そのあと同アニメ『それいけ!アンパンマン』でクレープマンの声を演じている声優の宮野真守さんに相談して、いろんなアドバイスをもらいました。みんなに助けられながら“すいとるゾウ”を演じることができました」。

実際、岡村さんが演じた“すいとるゾウ”の「すいとるゾウーーー!」の野太く力強い声を聞くと、「えっ!? これ、だれ?」というくらい迫力のある巨大ゾウ像が立ち上がり、地響きが鳴る勢いで目の前に迫りくる。その感想を伝えると、「嬉しいなあ。岡村だって気づかれなくていいと思って演じましたから」と笑顔を見せる。

ボクが森の妖精・ルルンなら、“すいとるゾウ”を前に怖くて逃げ出すでしょう。でも、ばいきんまんがルルンに言うんです。『おまえならできる。』って。そこでルルンは覚悟を決めます」。

ルルンの覚悟は、自分にもあると岡村さんは言う。「芸人には、腹をくくる瞬間というのがあるんです。これまでよく言われてきたのが、バッターボックスに立たなきゃとダメっていうこと。三振も、ホームランも、とくかくそこに立たなきゃ何も生まれない……。でも、本音は、できることならトラブルは避けて生きていきたい。だって、逃げるのも、とても勇気のいる覚悟だからです。立ち向かう覚悟も逃げる覚悟もどっちも大事で、そのバランスが難しいんですよね」。


岡村さんが声を担当している「すいとるゾウ」

 

敵も味方もない
協働で生きる強さ

ばいきんまんが主役!? というあらすじが解禁されるや否やSNS上で爆盛り上がりし、“ばいきんまん”がXでトレンド入りした。
今回のばいきんまん、カッコええですよ。まったく刃が立たない巨漢“すいとるゾウ”を前に、ばいきんまんはルルンに『アンパンマンを呼んでこい!』と言い放ちます。自分の弱さを受け入れた瞬間です。これって強くないといえないセリフですよね。その時、あ、助けてくれる人、協力してくれる人がいれば、どんな壁だって乗り越えられる、って思いました」と、かつて強がっていた自分を岡村さんはふり返る。

ボクは若かった頃、周りからストイックだとよく言われていて、なんでも自分でやらなあかんと思っていたところがあったんです、勝手に。でも体調を崩した時、あれれ、ボクと一緒に泣いてくれる友だちも、助けてくれる人も周りにこんなにいるやん!って気づいたんです」。

岡村さんは、シリーズ35作目の映画アンパンマンによって、人に頼る大切さにあらためて気づいた。

背中を押してくれた奥さんもその1人なのだろう。最後に、子育てで大切にしていることについて質問した。

大切にしているのはひとつだけです。とにかく極力子どもと一緒にいること。子育て方針にYouTube禁止やプリン禁止みたいなのはありません。むやみに何かを否定したりしないようにしています。英語でYouTubeの動画を見せていたら、ある日、英語の歌を歌ってくれてびっくりしました」。

忙しいなかお子さんとの時間をどう作っているのだろう。

一緒にお風呂に入れるときは入り、ご飯を食べられるときは食べる。今はまだ歯磨きクチュクチュができなくて、この前、お風呂上がりに歯磨きしていたら、パジャマに志村けんさんバリに口から水をこぼして。またまたお着替えです」。

子どもとなるべく一緒にいる理由は、仕事がら家をよく空けるから。パパだと忘れられないように顔を子どもに印象づける戦略らしい。さらには、芸人ならではのお約束も練習中。

行ってきますのハグをすると、『もう1回!』って子どもがせがむじゃないですか。そしたら、今度はボクが『もう1回』ってハグするんです。そして、僕が3回目の『もう1回』を言ったら、子どもが『もうええて!』と頭を叩いてツッコむまでがセットです」。

イヤイヤ期で困ることも多いなか、岡村さんは新しいコンビとの日常を楽しむ。

「子どもはボクが“すいとるゾウ”を演じていることに、おそらく気づかないでしょう。でも、いいんです。きっと誰も気づかない。それがボクの狙いですから、ふふ(笑)」。

岡村さんの狙いどおりかどうか、ぜひ映画館で確かめよう。
 

DATA

映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』
6月28日(金)より元気100 倍!全国ロードショー


ある日、一冊の絵本を見つけたばいきんまん。絵本から「愛と勇気の戦士ばいきんまん、助けにきて!!」と声が聞こえ、絵本の中に吸い込まれてしまいます。砂漠の先に広がる大きな森で出会ったのは、森の妖精・ルルン。怖がりで勇気が出せないルルンは、森で大暴れする“すいとるゾウ”をやっつけてほしいとばいきんまんにお願いします。最初は嫌がりながらも、諦めずに立ち向かうばいきんまんの姿にルルンは勇気がわいてきます。しかし、すいとるゾウの強さに大苦戦!絶体絶命のピンチの中、ばいきんまんはルルンに「アンパンマンを呼んでこい!」と伝えるのでした ――。アンパンマンとばいきんまんが力を合わせて大活躍!さぁ!今年の夏は、みんなで一緒に〈絵本の世界〉を大冒険しよう!

声の出演:アンパンマン/戸田恵子、ばいきんまん/中尾隆聖、ルルン/上戸彩、すいとるゾウ/岡村隆史(特別出演)
原作:やなせたかし(フレーベル館刊)
配給:東京テアトル
HP:映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』公式サイト

©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2024

 

PROFILE

岡村隆史
TAKASHI OKAMURA


1970年生まれ、大阪府出身。高校時代の後輩・矢部浩之と“ナインティナイン”を結成し、芸人としてデビュー。「ぐるぐるナインティナイン」や「めちゃ×2イケてるッ!」などのバラエティ番組で人気を不動のものに。ラジオ「ナインティナインのオールナイトニッポン」は、枠内で歴代最多放送回数の記録を打ち立てた。役者としては、映画『無問題』シリーズ、『決算! 忠臣蔵』、大河ドラマ「麒麟がくる」などに出演。『岸和田少年愚連隊』にてブルーリボン新人賞を受賞。1児の父。


写真/脇谷美佳子
文/緒方佳子
スタイリング/中山美和
ヘアメイク/白水徹哉

FQ JAPAN VOL.71(2024年夏号)より転載

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