食育講座 第3回 子供がピーマン嫌いなのには理由がある!?
2014/06/21
小学校のころ、給食に出てくるしいたけが嫌いで嫌いで。あれ何味だったんでしょう。今では、かさを逆さにして、しょうゆと酒をちょっとたらしてグリルで焼くのが大好物になりました。他にも、ゴーヤ、ピーマン、うど、たらの芽など、苦い野菜を好んで美味しく食べている自分に気づきます。
子供のころ嫌いだった野菜で
大人になって好きになったものありませんか?
この違いって何でしょう?
大人になって、嫌いなものを克服した?
それとも、味覚が変わった!?
そうなんです。
大人と、乳児、子供との味覚は違うのです。たとえば赤ちゃんが毎日飲む母乳、大人が飲んでも美味しく感じません(中にはおいしいと感じる人がいるかもしれませんが……)。
実は、それぞれの年齢にふさわしいものを、人間はちゃんと味覚で感じとれるようにできているのです。
その味覚には、5つあります。①甘味 ②塩味 ③うま味 ④酸味 ⑤苦味です。では、それぞれの味を人はどのように生理上受け止めるのでしょう。そこに、好き嫌いのヒントがあるかもしれません。苦味のあるピーマンが子供に人気がない理由も。
「苦い」は毒!?
基本となる5つの味覚についてそれぞれ、人が感じる意味があります。
① 甘味:エネルギー源としての「糖(炭水化物)」のサイン。人は甘味のある食べ物を安全で体に必要となる「糖」として認識します。体が必要としています。
② 塩味:体液のバランスに必要な「ミネラル」のサイン。塩味も子供は安全な味として好みます。
③ うま味:栄養素としての「たんぱく質」のサイン。うま味の成分はたんぱく質のもとになる「アミノ酸」。子供は、うま味も安全なので美味しいと感じます。
④ 酸味:腐っている「酸」のサイン。
⑤ 苦味:有毒物であるサイン。
小さな子供は、いま目の前にある食べ物が「腐っている」か「有毒物」かの判断ができません。だから、食べることで命に関わるようなものは、神様が美味しくないように作ってくださっているんです。人間って素晴らしい!
小さな子供に好き嫌いが多いのも、実はそのシステムが働いている証拠(個人差はありますが)。そのうち、美味しく感じる年齢になりますから、あせらず楽しい食卓にしてくださいね。
ちなみに私の次女は、自家製フライドポテトが大好き。これってまさに①甘味の「炭水化物」と、②塩味の「ミネラル」の子供が喜ぶゴールデンコンビですね。