【専門家が伝授】親も子もぐっすり! 睡眠の質を高める「環境・寝具・食事」3つのコツ
2023/09/26
暑かったり涼しかったり温度調節の難しい秋の夜は、子どもがなかなか寝付けず親も寝不足なんてことも。実はちょっとした工夫で、スヤスヤ気持ちよく眠れる対策法があるそう。一般社団法人睡眠栄養指導士協会の代表理事・河野記代子さんに教えてもらった。
睡眠の質は温度環境が重要
エアコンはつけっぱなしでOK
近年、夏は熱中症対策として就寝時のエアコン使用が推奨されている。しかし夏が去ったいま、蒸し暑さを感じるとはいえ電気代が気になり、エアコンをつけて寝ることを躊躇してしまいがちだ。睡眠の専門家の見解では、どうするのが良いのだろうか。
「寝るときは電気代を惜しまず、エアコンを付けましょう。節約しようとしてエアコンを消して寝てしまうと睡眠の質が落ち、日中のパフォーマンスが下がります。暑さで目がさめないよう、エアコンはつけっぱなしがおすすめです。
温度設定は、快適だと感じる程度に。寒すぎるのも良くありません。目がさめてしまうとストレスにつながりますし、部屋の温度が低すぎることで起床前に体温や血圧が上がらず、寝起きのだるさにつながります。
エアコンでは冷えすぎてしまう場合は、扇風機で涼しくするのも良いでしょう。エアコンでお腹が冷えるのが心配な方や布団をはいでしまうお子さんなどは、通気性の良い腹巻きを活用しましょう」。
電気代を気にするよりも、睡眠の質を重視した方が良さそうだ。
寝巻きや寝具は
“素材が快適なもの”を
プラウシオン® 素材のパジャマ(男性着用)
河野さんによれば、寝るときの服装も睡眠の質に影響を及ぼすという。
「寝るときの服装は、綿やシルクなど、汗を吸い取る素材のものを選ぶと良いでしょう。ただし、涼感素材のパジャマや布団、タオルケットなどは触るとひんやりしても、素材によっては汗をため込みやすく、睡眠の質を低下させる恐れがありますので、注意して選びましょう。
最近は複数種の天然鉱石を特殊配合した、有害物質も含まず安心なプラウシオン® という素材のパジャマなど、血行促進対策になる製品も発売されています。そういった新素材を試してみてもいいかもしれません。
靴下や手袋をつけて寝るのは避けてくださいね。手のひらや足の裏は放熱する部位ですので、ふさいだり、温めてしまうと眠りの妨げになってしまいます」。
睡眠ホルモンを
食事から安定化させるコツ
さらに、睡眠の質向上は、食事からアプローチすることもできるそうだ。
「栄養の観点から対策をするなら、睡眠に欠かせないホルモンの代表格で、“睡眠ホルモン”と呼ばれる「メラトニン」の前駆体のホルモンである「セロトニン」を増やすことを意識しましょう。
セロトニンの8~9割は腸で作られているといわれますので、腸内環境のケアも睡眠の質を高めるためには意識すべきポイントです。
セロトニンは、トリプトファンというアミノ酸を材料に作られます。トリプトファンを多く含む食品を豊富に摂取しつつ、腸内環境を整えることで、メラトニンを安定的に生成できるようになります」。
トリプトファンを豊富に含む
食品の例
●乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズなど
●肉類:鶏肉、豚肉など
●魚介類:サーモン、マグロ、えびなど
●豆類:大豆、納豆、豆腐など
●ナッツ類:アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツなど
●穀物:玄米、オートミール、大麦など
食事では、これらの食品を積極的に取り入れるのが良さそうだ。ただし、特定の栄養素ばかりを摂るのは良くないと河野さんは言う。
「各栄養素は相互補完しながら働くので、微量栄養素をまんべんなく摂取する意識が必要です。
微量栄養素をバランスよく摂取するためには、マルチビタミンサプリメントやトリプトファンの他、微量栄養素やオメガオイルに至るまで59種類の豊富な栄養素を含むスーパーフード「ユーグレナ」の飲料やパウダー、サプリメントの活用がおすすめです。
特に、ユーグレナに含まれる「パラミロン」という食物繊維は、ストレス緩和や睡眠の質向上に直接有効であることがわかっていますし、乳酸菌入りのものを選ぶと、腸内環境づくりにもより役立ちます。朝食にヨーグルトとあわせて食べるのも良いでしょう」。
パウダータイプの『からだにユーグレナ』
さらに、摂取するタイミングもポイントとのこと。
「トリプトファンを含む食品を摂取するタイミングとしておすすめなのは、朝食です。トリプトファンは接種後14~16時間後にメラトニンに変わるので、夜の就寝時間に合わせられます。
朝食では、ご飯に豆腐の味噌汁、焼き鮭といった和食や、ヨーグルトにユーグレナパウダーとかぼちゃの種をまぶしたものも良いですね」。
<まとめ>
・寝苦しい夜はエアコンや扇風機で温度調節を。子どもの寝冷えは寝巻や寝具で注意する。
・寝る時の服装は吸水性のいい綿やシルク素材をチョイス。寒くても靴下や手袋の着用はNG。
・睡眠ホルモンを増やす「トリプトファン」を食事に取り入れる。朝食から腸内環境を整えよう。
PROFILE
一般社団法人睡眠栄養指導士協会 代表理事
河野記代子
1979年3月生まれ。専門学校を卒業後、渡豪し3年を過ごしたのちエステティックサロン開業。その後も東京都内に鍼灸院、整体院をオープン。38歳の時に関節炎がひどくなり、ミドルエイジからも健康に生活するためのコンディションづくりへの意識がますます高まり、睡眠栄養指導士の資格を取得。睡眠の質向上には脳と腸への深い理解が必須と実感し、睡眠、脳、腸、遺伝子に関して学べる資格習得スクールを開校。睡眠栄養指導士協会にて講師として従事し、2022年10月より睡眠栄養指導士協会 代表理事に就任。
文:笹山真琴