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育児負担も軽減できる?『HOMMA』代表・本間毅が語るスマートホームの可能性

ますます盛り上がりを見せるスマートホーム市場。そこで米国シリコンバレーでスマートホーム・スタートアップ「HOMMA」を創業した本間毅氏にインタビュー。スマートホーム技術がもたらすライフスタイルの変化や、スマートホーム市場の課題、育児支援への可能性などについて伺った。

家をスマート化することで
より快適な暮らしを目指す

従来の家は、家族が生活する場所であり、それ以上の機能は求められてこなかった。しかし、コロナ禍を機に家の在り方も変わってきたと思う人も多いだろう。

家をスマート化することは、家電のIoT化による操作や自動化、省エネ効果、セキュリティ強化など、様々な利点を持つようになる。こうして利便性が高まることで、家族はより快適で楽しい生活を送ることができ、家はこれまで以上の役割を果たすようになるだろう。

特に家電のスマート化による家事の軽減は育児支援につながる。IoT化・自動化されたあらゆる家電は、家事を担う人の負担を軽減。時間にゆとりが生まれれば育児のストレスも軽減するだろう。例えば、スマートスピーカーによって、赤ちゃんを抱っこしたまま、音楽を流したりテレビのチャンネルを変えたりできる。また、照明や温度などの環境を自動で調整することができるため、赤ちゃんは常に快適な環境で過ごせる。

家庭のライフクオリティを向上させることで、家族全員のウェルビーイングにつながる。私たちが快適に、かつ持続可能なライフスタイルを実現するためには、スマートホームづくりにも注目していく必要がありそうだ。

暮らしが変わるスマートホーム
その課題と解決する進化した技術

人工知能やセンサー、ネットワーク技術などを利活用して、住宅の環境を便利で快適にすること。これが一般的にイメージするスマートホームである。

「スマートホーム市場は着実に成長しています。また、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の普及により、スマートホームの操作も簡単になりました。その一方で、既存のスマートホームには様々なデバイスがありますが、それぞれのデバイスが互いに連携していないことが課題の一つです。例えば、スマートホーム内で使用する照明やエアコン、テレビなどの各デバイスが別々のアプリで操作される場合、手動で、各々のアプリを立ち上げ操作する必要があります。メーカーごとにアプリが違えば、IDやパスワードも異なり、一元管理からは遠のきます」と本間さん。


HOMMAのスマートホームでは、生活シーンに合わせて照明が自動で調光。

そういった課題を解決するため、本間さんは住居に特化した独自のプラットフォームを開発しスマートホームテクノロジーを進化させた。家その物をデザインし施工する段階からスマートホーム化を考えたのだ。

「従来のスマートホームでは、既存の住宅にスマートホーム機器を“後付け”することが一般的でした。私たちが考えるのは、HOMMAのテクノロジーが“元から組み込まれ”、デバイスと住宅が一体化しスマート化されているもの。より包括的で機能的なスマートホームの実現が可能になります。例えば、照明やエアコンなどはセンサーを活用し自動運転に。全てのデバイスは自社開発のプラットフォームひとつで管理・操作が可能に。住むだけで、操作しなくとも自然とスマートホームを体験できます。


洗面所も時間帯で調光を設定すれば、夜間授乳などで起きたときも家族を起こさず、目が冴えてしまう心配も少ない

また、人の生活リズムに合わせた自動制御や、省エネルギー化を目的とした機能もゆくゆくは搭載していく予定です。私たちが目指すのは、IoT技術を駆使し、より快適で便利な暮らしを実現すること。スマートハウスに住まうことでライフスタイルの改善を目指しています」と、本間さんは語る。

スマートホームが創る
未来の住まいのカタチ


専用スマホアプリで家中のデバイスを一元管理。スマートロックは鍵の閉め忘れの不安もない。また、ワンタイムパスワードで鍵を発行できるため、じいじやばあばなどが来たときも簡単に共有できる。

スマートホームは、快適かつ効率的なライフスタイルを実現するための最適なソリューションだ。さらにHOMMAのスマートホーム技術は一歩も二歩も先を行き、よりスマート化された家に住むだけで、いっそうのエネルギー節約はもちろん、家族の時間が増えることにつながる。

「私たちは、今後もスマートホームをベースにAIを活用した家事支援や、セキュリティ機能の強化、健康づくりの促進などに取り組んでいく予定です。さらに、スマートホームという技術がもたらす恩恵を広く社会に伝え、普及を促進することも大切だと考えています。特にスマートホームは育児や介護など、家事に負担がかかる人々にとっては大きな助けになるはず。スマートホーム技術の進化に貢献していくことで、家族全員がハッピーなライフスタイルを実現させたいですね」。

スマートホーム技術が今後ますます進化し、私たちの暮らしを快適かつ便利にしてくれる。そんな未来が待ち遠しいものである。

PROFILE

HOMMA Group Inc. 代表取締役

本間毅さん

学生時代に起業したスタートアップを経て、2003年よりソニーにてネット系新規事業の開発、事業戦略に従事。2008年よりアメリカへ赴任。電子書籍の事業戦略を経て、2012年楽天株式会社入社。執行役員として、デジタルコンテンツのグローバル事業戦略を担当。2016年に楽天を退社し、アメリカ・シリコンバレーにてHOMMA Group Inc.を創業。


文:竹治昭宏
写真:竹治昭宏(人物)
写真提供:HOMMA Group Inc.

FQ JAPAN VOL.67(2023年夏号)より転載

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