注目キーワード

基礎知識

読み聞かせの有無で子供の語彙力は29万語もの差が生まれる?『本』の持つ5つの力とは

様々な研究と知見から、読書がいかに子供の学業成績に大きな影響をもたらすかが証明されている。さらに、学業だけではなく子供の精神的な健康面でも読書は良い効果を発揮することが分かってきた。英国内で幼児教育向けサービスを展開するイザベル・フィッシャー氏が、自身の専門知識を共有してくれた。

読み書きを楽しむ子供は
精神的健康度が3倍高い

本や絵本の中のストーリーは、日常生活のストレスから解放して魔法の場所に連れて行ってくれる。そして、本を読むことで、子供たちはより複雑な会話ができるようになったり、感情的知性「EQ」を鍛えられるのだ。イザベルは、教師として、また一人の母親として、子供たちに本を通じて幅広い分野を学ばせることを強く勧めている。

では、なぜ本が子供の精神的健康をサポートする素晴らしい方法なのか?その5 つの理由を見ていこう。

1 他人への理解

子供たちは本や絵本を読むことで、他人の目を通して世界を見て、周りの世界をよりよく理解できるようになる。子供たちは自分を様々な登場人物に置き換え、その登場人物がどのように感じているのかを理解していく。本を通じて、異なる性別、民族、文化、年齢などを体験できるのだ。これは他者への理解と共感を育む上で重要なプロセスと言えるだろう。

2 感情についての理解


本や絵本を通して、登場人物がどのような感情を抱くのかを観察することで、子供は自分の感情をも探求し、理解できるようになる。自分の感情の理解に役立つのは、例えば、Anna Llenasの「The Color Monster」。人間の感情の生まれ方や、日常的に感じるあらゆる感情をコントロールする方法を学ぶことができる素晴らしい絵本のひとつだ。幼い頃から感情のコントロールができるようになるようにサポートすることで、強い感情的基盤が作られ、子供たちの自尊心を高めることにも繋がるのだ。

3 課題解決能力

子供たちも人生の中でたくさん予測不可能な場面に出くわすだろう。本は、そういった場面でも対処できる人間に育ててくれる。本のストーリーの中で自分と似たような状況の登場人物が出てくることで、その状況にいるのは自分だけではないのだと気づく。そしてその登場人物がどのように困難を乗り越えるかを見て、それを元に対処法を学んでいくのだ。

Smriti Hallsの「Rain Before Rainbows」は、子供たちが困難に遭遇したときに度々読ませたくなる美しい本だ。勇気と良い仲間さえあれば、良い日は必ず来ることを思い出させてくれる。

4 語彙力の向上

子供が本を読んだり絵本を読んでもらうことで、語彙力が上がり、自分の気持ちをより上手に伝えることができるようになる。ジェシカ・ローガン教授によるレポートでは、子供に1日1つのストーリーを読み聞かせると、定期的に読み聞かせをしない同年代の子供よりも29万語も多くの言葉を耳にしていることがわかった。

1日に5つのストーリーを読み聞かせれば、定期的に読んでいない子供たちより140万語も多くの言葉を耳にすることになる。つまり、子供に読み聞かせをすればするほど、子供はより多くの言葉を学び、より上手に自分の気持ちを言葉で表現できるようになる。

5 現実逃避


本は、大人にとって日々のストレスから逃れるための一つの方法であり、これは子供たちにとっても同様だ。学校や保育園でアクティブに1日を過ごした後、パパやママと一緒に楽しい本を読む時間ほどリラックスできる時間はないだろう。

ギャラクシー・チョコレートがサセックス大学を通じて依頼した調査によると、わずか6分間の読書でも、音楽を聴いたり散歩したり、お茶を飲んだりするよりも効果的にストレスを軽減できることがわかった。毎日子供と一緒に本を読むことは、子供の精神的安定を保てるだけでなく、自分自身のメンタルサポートにも繋がるのだ。

また、必ずしも「感情」をテーマにした本でなくても、本を読むこと自体が子供の精神的健康には充分役立つ。笑える本を、子供がパパやママと一緒になって読んで笑うことが大切だったりもするからだ。John Condonの「The Pirates are Coming」は、疲れた日の一日の最後に子供と読むのにぴったりだ。

PROFILE

イザベル・フィッシャー(Isabell Fisher)

環境に優しい3歳〜6歳の子供向け知育グッズをサブスクリプションで提供するサービス「Little Hands Learning」の共同創設者。毎月美しい絵本や楽しく魅力的な4つのアクティビティグッズが入ったギフトボックスがポストに届く。

「遊び」をベースにしたアクティビティは、国家カリキュラムが定める重要な分野に力を入れるためにも、教師によって設計され、手作りされている。厳選された絵本とアクティビティは、子供たちの健全な心を育み、早期に識字能力を身につけさせ、教育の最良のスタートを切れるようサポートしている。


FQ JAPAN VOL.66(2023年春号)より転載

関連記事

育児アイテム名鑑

アクセスランキング

  1. 子供に自信をつけさせるメンタルトレーニング
  2. 1日数時間で!? おむつが外れるトイレトレーニングが凄かった
  3. 【イベントレポート】赤ちゃんと自然を冒険! 0歳から参加できる親子キャンプに密着...
  4. 子供が親によくする質問ベスト30を紹介「なぜ空は青いの?」
  5. 男が「父親」に覚醒するための10の処方箋
  6. SEXで大事なのは「触れあい」と「思いやり」
  7. ペダルが後付けできる! 3歳からのキッズバイク6選
  8. パパになったら絶対に使いたい! 子育てが圧倒的に楽しくなる厳選「父親向け育児アプリ」...
  9. パパと子供だけでお出かけしよう!「父子旅」のコツとアイディア
  10. 住まいづくりのお悩み解決! 『プラス・マイナス 兼光さん はじめての家づくりストーリー』とは...

雑誌&フリーマガジン

雑誌
「FQ JAPAN」

VOL.70 | ¥550
2024/3/8発売

フリーマガジン
「FQ JAPAN BABY&KIDS」

VOL.68 | ¥0
2023/2/29発行

特別号
「FQKids」

VOL.18 | ¥715
2024/5/9発売

お詫びと訂正

  第16回 ペアレンティングアワード