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ホイットニーの歌詞にヒントが?本来もっている才能を最大限に発揮するための6つのステップ

人には内なる才能をたまたま発揮できる瞬間が訪れることがある。親は自分の子供にも、持っているポテンシャルを最大限に発揮してほしいと願っているのではないだろうか。コミュニケーション・リーダシップスキルの研究者アイネ・オニール氏が、子供の秘めた才能を開花させる方法を伝授する。

自分の本当の可能性

ホイットニー・ヒューストンのこの歌を聞いたことがあるだろうか?

“Give me one moment in time
When I’m more than I thought I could be
When all of my dreams are heartbeat away
And the answers are all up to me.”

“その一瞬をつかまえたい
私が自分以上の自分になれるとき
全ての夢が胸の鼓動ほど近くにある時
その答えは全て私次第”

この歌詞のように感じる瞬間があなたにもあっただろうか? 才能を発揮して、自分の本当の可能性を感じる時だ。自分の子供にもこんなことが起こりそうだろうか?

コミュニケーションやリーダーシップスキルの研究者アイネ・オニールは、自分にも確かにそういった瞬間が何度かあったと語る。彼女は中学生の時、劇の前日に重要な役を任されたことがあった。あるメンバーが降板することになり、誰かがその代わりをしなければならなくなったのだ。彼女はその役のセリフを知らないため、ソロで歌うことにした。彼女はその大役を成功させただけでなく、何より自分自身が楽しんだのだという。

彼女の先生は、大人しくて内気で臆病と思っていたアイネが、こんなことをできる子だったなんてと驚いた。劇が終わった後、他の周囲の人も “アイネがそんな才能を秘めていたなんて知らなかった!”と言ってくれたという。

ここでアイネ自身も驚いたのが、この自分が持つ能力を、実は自分はどこかで知っていたということだった。突然降ってきた今回のようなチャンスが、内なる才能を掘り起こし、その才能を公にするきっかけとなったのだ。多くの場合、人は自分の秘めた才能を発揮するチャンスがなかったり、披露する勇気がなかったりして、その才能を発揮できないでいるのではないだろうか。

では、なぜ周りもアイネのこのような一面を今まで見たことがなかったのだろうか。

人は、他人のことを判断する時、その人がどんな人かを想像し自分の中でのイメージを作っている。自分が想像するような話し方や行動をするのかを見ているのだ。そこから瞬時にその人がどのカテゴリーに当てはまるのかを判断する。このプロセスは、他人だけでなく自分に対してもそうだ。自分の人物像は、自分が考えている自分だけでなく、他人が考えている自分にも合わせて作られている。その結果、外に出す自分を制限してしまうのだ。

きっかけと勇気が必要

このようなマインドを改め、本当の自分のポテンシャルを引き出すには、そのための「きっかけ」と「勇気」の2つが必要だ。このことを大人が認識し、自分の子供にも教えていこう。

外から来るチャンス

チャンスは予期せずに外からやってくる。急にそのチャンスが来た時、それを逃すわけにはいかないと思いつつ、まだ時期尚早だと感じてしまうかもしれない。折角のチャンスを逃して、後悔が残ることもあるだろう。

自分の内面

多くの人は、自信がないがためにチャンスを掴めないでいる。どうすれば人は自信の無さを克服して、自分の秘めた才能を前面に押し出せるようになるだろうか。自分の内なるパワーを信じて、思い切って一歩踏み出すことが鍵になる。

そのためには、人はホイットニー・ヒューストンの歌詞にあるような感情パターンを抱くのだと認識しておくとよい。チャンスがやってきた時、ワクワク感や、やってみたい!といった気持ちがまず先に来るはず。ただその一方で、自分には自信がないといった気持ちが、折角のやる気を閉ざしてしまうのだ。重要なのは、このネガティブな感情が一巡して通り過ぎるまで、勇気を持ち続けること。

チャンスに尻込みしないために
実践したい6つのステップ

まずは、このイベントやプロジェクトに飛び込むことによって得られる結果やメリットをイメージすることから始めよう。例えば、その結果どんな風に自分のイメージアップができるだろうか?

①失敗を恐れているのか、成功を恐れているのか、自分に問いかけてみよう。

②勇気を出して、このチャンスに挑戦してみよう。たとえ思い通りにならなかったとしても、そこから何かを学ぶことはできるし、少なくとも挑戦したことで気持ちが楽になるはずだ。

③以前新しい仕事に就いた時に感じたことをノートに書き留めてみよう。最初は不安だったり自信がなかったりするが、次第に慣れてくるというパターンに気づくはず。今後チャンスが来た時にも、そのパターンを念頭に置いておこう。

④尊敬する有名人から学ぶのも手だ。彼らが抱えていた苦悩を思い浮かべたり、彼らの自伝を読んで、彼らがどのように困難を克服したのかを学んでみよう。

⑤どんな小さなことでも、過去に経験したポジティブなことを色々と思い出してみよう。また、過去に何か苦労を経験した際、それをどのように克服したのかも書き出してみよう。

⑥自信をつけたい時は、小さなことから始めてみよう。新しい会社を設立したり、世界に羽ばたいてみたりなんて、大きなことから始めなくて良いのだ。公園でランニングしたり、地元のイベントにボランティアとして参加したり…リスクの少ない環境で、周りのサポートや励ましを受けながら、内面の力を鍛えていこう。

今回のステップを参考に、ぜひチャンスは自分のものにしていってほしい。

そして今回紹介した能力の発揮の仕方は、子供にもシェアしてあげよう。きっと子供たちは自分のポテンシャルを発揮して、いつしか素晴らしい活躍の姿を見せてくれるはず。

PROFILE

アイネ・オニール(Aine O’Neill)

世界的なネットワークを通じてコミュニケーションとリーダーシップのスキルを提供している非営利団体、トーストマスターズインターナショナルのメンバー。イギリスとアイルランドには同団体の400以上のグループと1万人以上の会員が在籍。会員は団体の教育プログラムに沿って、人前や即興でのスピーチや、会議の議長としてのスピーチ、時間管理などのスキルとその自信を身につけることができる。


FQ JAPAN VOL.66(2023年春号)より転載

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