親子も夫婦も笑顔溢れるサステナブルな毎日に!多様性活用の3ステップ
2023/01/05
SDGsと並んで近年耳にすることが多くなった「サステナブル」。“持続可能な”という意味で使われている。親子は夫婦で過ごす時間も笑顔でいられる時間をサステナブルにできないのだろうか? そんな笑顔あふれる毎日を実現するための方法を考えてみよう。
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、「Sustainable Development Goals」の略称で、「持続可能な開発目標のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際社会共通の目標。2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された。地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓い、持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成されている。
サステナブルな毎日を実現する
多様性活用の3ステップ
夫婦、親子、家族がお互いを大切にして笑顔で暮らせる毎日。そんな幸せなひとときは誰だって望むもの。ですが、些細なことで言い争いやケンカをしてしまったり、時には、いつまでも相手のことを許せない。なんてことも、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
なぜ、お互いに笑顔で幸せな毎日を望んでいるのにケンカになってしまうのか? 笑顔でいられる時間をサステナブル(持続可能)にできないのか? その原因の一つが、お互いに自分が「正しい」、相手が「間違っている」という思い込みです。私たちは誰もが心の中で善悪を判断する「正しさ」、いわば価値観・考え方の基準を持っています。しかし、その基準は一人一人異なるものであり、それを「多様性」といいます。
多様性とは、年齢、性別、国籍といった属性の違いの他、価値感、考え方、思想などの思考的な違いなど様々な異なりを持っていること。ここでは、価値観・考え方の多様性を取り上げています。そこで今回は、親子も夫婦も笑顔溢れるサステナブルな毎日を実現するための「多様性」の活用方法をご紹介します。
まず、ステップ1は、「正しさ」を知ることです。人は「正しさ」が一人一人違って当たり前であることを前提に向き合い、相手が何を「正しい」と考えているのかをお互いに交わし合いましょう。この途中で決して相手を否定しないことが重要です。
ステップ2は、「正しさ」の「背景」を知ること。1でわかったお互いの「正しさ」の背景、つまり、なぜそう考えたのかについて交わし合います。その理由を深堀りしていくと、より本音の背景に辿り着けるでしょう。
最後にステップ3は、「正しさ」の交わるポイントを見つけることです。お互いの「正しさ」は全てが完璧に納得し合えるものではない場合もあります。ですが、交わるポイントを見つけることで本当の解決策に辿り着いていくことができるのです。
多様性活用の3ステップ
事象:晩ご飯の前に隠れてお菓子を食べていた
STEP 1 正しさを知る
親:ご飯が食べれなくなるからお菓子を勝手に食べちゃダメ
子:食べたかったから食べた
STEP 2 正しさの背景を知る
親:どうしてお菓子食べたの?
子:学校でお昼ご飯の時、具合が悪くてほとんど食べられず空腹だったんだ
何か栄養を取らないと体に悪いと思ってすぐに食べられるお菓子を食べたよ
STEP 3 正しさの交わるポイントを見つける
親:じゃあ、どうしてもお腹がすいた時に食べられるものを用意するからそれを食べてね
子:わかった!
結果:お互いに安心して、笑顔でいられる。
笑顔で過ごすために
多様性の視点を
人は誰もが今より幸せになるための選択をしているはずですが、自分が「正しい」と考えている選択を相手がしなかった際に、一方的に相手が間違っていると決めつけてしまうと、表面的な解決方法を相手に押しつけてしまいケンカになりがちです。ですが、そもそも人には「多様性」があることを知り活用することで解決できるようになっていきます。ぜひ「多様性」の視点で夫婦も親子も笑顔あふれるサステナブルな生活を実現していきましょう。
まとめ
●価値観・考え方の違いこそ多様性という認識を持つ
●正しさを押し付けずに本音の背景を知る努力を
PROFILE
深井宣光
(一社)SDGs支援機構事務局長。SDGs専門メディア「SDGsジャーナル」を運営。専門知識ゼロでもわかるやさしい言葉で伝え続け、わかりやすいだけでなく行動を喚起する解説者として注目を集めている。講演/研修、TV出演、執筆、監修など多岐に渡って活動を展開。現在2児の父。著書にベストセラー書籍「小学生からのSDGs」。
文:深井宣光
FQ JAPAN VOL.64(2022年秋号)より転載