働きやすい職場を見極める「くるみんマーク」って?企業の持続性を高める環境つくり
2022/09/27
「くるみんマーク」について、知っているだろうか。このマークは、子育て支援に関する認定基準を満たした企業が認定を受け、表示できるもの。子育て世帯の就職先選びの指標となるくるみんマークを表示している企業の取り組みを見ていこう。
働きやすい会社の見極めに
子育て支援認定基準も改定
次世代育成支援対策推進法に基づき、子育て支援に関する認定基準を満たした企業が認定を受け、表示できるマークが「くるみんマーク」。この認定基準・マークも4月から新たに見直しがされています。企業や労働者の子育てに関する理解・取組が進んできたこともあり、男性の育児休業取得率は令和2年に過去最高の12.65%を記録するなど、少しずつ増加しています。この流れを受け、「くるみんマーク」の認定基準も、男育児休業取得率の引き上げや厚生労働省のWebサイト『両立支援のひろば』で公表することなどレベルアップを図っています。
現在、約3800社の企業が認定を受けており、さらにレベルの高い基準をクリアした「プラチナくるみん」も約500社に上ります。子育て支援に積極的に取組む企業は、従業員の多様性を尊重し、子育て世代以外の従業員も働きやすい職場であるとも考えられます。就職や転職の際は、くるみん認定の有無にも注目してみてください。
研究事例:ANA
プラチナくるみん取得済。長く働けるより良い環境を整えるため様々な制度を設けているANAの仕事と家庭の両立支援の取り組みをご紹介。
仕事と育児の両立支援ブック
ママ&パパ向けに、仕事と育児の両立に関する悩みや不安を解消できるように作成したハンドブックです。「保育園入園全力応援ガイド」「ママの職場復帰をスムーズにするためのパパの両立戦略」「誰にも迷惑をかけないでノー残業!働くママ&パパの仕事術」など、実践的な内容を数多く盛りこんでいます。
「パパママのある1日を紹介」では、宿泊や深夜勤務を伴う社員の1日のタイムスケジュールを紹介すると共に両立の秘訣を応援メッセージとして掲載しています。
イクメンHANDBOOK
男性育児休業取得社員向けに、イクメンになるためのヒント、ノウハウなどをまとめています。「イクメンになるメリットは?」「家庭の事情を考慮した制度活用例6パターン」「会社や職場の理解をどう得る?」など、まだ周囲に男性育児休業取得経験者が少ない中で、育児休業取得への不安や戸惑いを払拭する内容にしています。
管理職マネジメント研修
管理職に向けてオンライン研修を開催しています。上司である管理職に向けて、部下の多様性を理解し個々の力を最大限に発揮させるマネジメントの必要性を理解してもらい、職場での部下とのコミュニケーションの在り方について考える機会としています。
2022年度から施行されている育児休業改正法の内容も説明し、職場での男性育児休業取得を促しています。
両立支援セミナー
男性育児休業取得経験者もロールモデルとして登壇します。育児休業取得に向けた具体的な準備(職場上司との面談時期、上司に伝えるべき内容、業務引継ぎ時期、引継ぎ方法等)や取得中の過ごし方、取得のメリットなどを伝え、男性社員の育児休業取得意識向上につなげています。
パートナーと参加する社員も多くパートナーと育児について考えるきっかけとなっています。
D&Iフォーラム
年1回、D&Iフォーラムを開催し、経営層を含めANAグループ役職員が参加し、D&Iについて考える機会としています。社外の有識者による講演のほか、役員のパネルディスカッションやグループ各社の活動の発表を行います。またその模様は、社内イントラネット上でいつでも視聴できるようにしています。
D&Iの様々な側面を見つめるイベントですが、その中で男性の育児休業取得については、その促進が本人だけでなく企業にもたらすメリットについても説明し、職場の理解促進につなげています。
まとめ
●子育てに優しい企業は「くるみんマーク」の有無をチェック
●働きやすい環境を作ることは、企業の持続的成長へ繋がっていく
PROFILE
厚生労働省 雇用環境・均等局
職業生活両立課
FQ JAPAN VOL.63(2022年夏号)より転載