「双子が生まれたら迷わずに育休取得を!」4児のパパが話す育児の工夫とアドバイス
2022/01/22
体験談やママたちのリアルな声を届けて、男性も迷わず「育休」が取得できる社会へ。育児と仕事の両立を語る「イクメンスピーチ甲子園」で優勝した、伊藤大輔さんのスピーチを見ていこう。
メイン画像:イクメンスピーチ甲子園優勝者となった伊藤さん。
育児と仕事の両立を語る
「イクメンスピーチ甲子園」
2021年に第8回目の開催を迎えた「イクメンスピーチ甲子園」。今回もイクメンパパたちによる、育児に対する熱いエピソードが多数寄せられた。10月に都内で開かれた決勝スピーチでは、3名のパパが育児エピソードを披露、見事優勝し「イクメンの星」を獲得したのは伊藤大輔さん。
スピーチでは双子を含む、4児の子育てをすることになった自身の経験を語ってくれた。目が回る忙しさの中、夫婦それぞれ腱鞘炎やぎっくり腰を患ったとか。そんな日々を乗り越えるため、ある工夫を取ったそう。それでは、伊藤さんのスピーチを見ていきましょう。
伊藤大輔さん:私は2回育休を取得し、長男、双子、末っ子の4人を育てている子沢山パパです。双子の妊娠を機に1年間の育休を迷わず取得、双子の新生児育児を経験しました。皆さん、双子育児の大変さを想像できますか?
はじめはミルク・おむつ替えを1日30回以上、交互に起きる双子の夜泣き対応に追われる日々が続き、昼間も長男がいるため休む暇がありませんでした。疲労もピークに達した頃、緊急事態が発生。妻がぎっくり腰になり、まさかのワンオペ3人育児に突入したのです。
私は長男・双子のトリプル抱っこで手首が腱鞘炎になり、「双子育児ってこんなに大変なんだ」と思うと同時に、「私が育休を取得していなくて妻1人で育児をしていたらどんなに大変だったろう」と思いました。
4児の子育てトラブルを
乗り越える工夫とは?
この状況をどうにかして乗り越えようと、長男のときに試みた「赤ちゃんの時間割」に挑戦。夫婦で試行錯誤しながら取り組み、絆が深まりました。すると、夜7時には双子だけで寝つけるようになり、夜泣きもなくなりました。
「赤ちゃんの時間割」とは、赤ちゃんの睡眠時間と活動時間のバランスを考えて、赤ちゃんが1人で安心して眠れるように1日の生活リズムを整えてあげる方法です。
少し育児にも慣れてきた頃、区の双子会に参加しました。双子ならではの楽しさや悩みを共有することができ、「仲間っていいな」と思うように。もっと頻繁に集まりたいという思いから、夫婦で区初の公認双子サロンを立ち上げたのです。サロンでは週2、3回交流会を開き、双子親仲間の輪を広げています。
復職後は定時で退社できるように効率的に働き、同僚の理解を得るために日頃から家族の話をするなど、積極的にコミュニケーションを取るようにしています。
また、時差勤務制度を利用し、30分早く出社・退社し、帰宅後すぐにお風呂・寝かしつけなどの育児をしています。キャリアも諦めたくなく、子供たちの寝かしつけ後に毎日1時間勉強。昨年昇任試験に挑戦し、合格しました。
そしていま、4人目が生まれ半年間の育休を取得中です。この2回目の育休では苦手な料理に挑戦。子供4人分の朝食をつくる、食べさせるまでに成長しました。
最後に、驚きの事実を。双子サロンメンバーと交流する中で判明したのですが、双子パパが育休を取得している世帯は15組中なんと、0組だったのです。
ママたちからは「半年間1人で双子を連れて外出ができなかった」「ワンオペで同時泣きの対応ができず警察に虐待を疑われて鬱になった」という話を聞き、口を揃えて「夫が育休を取っていれば……」と嘆いていました。
私はこれからも双子育児の体験談やママたちのリアルな声を伝えていき、子供が生まれたら少しも迷わずに育休を取る、そんな社会になるよう貢献していきます。
DATA
厚生労働省 雇用環境・均等局
職業生活両立課
イクメンプロジェクト
HP: ikumen-project.mhlw.go.jp
FQ JAPAN VOL.61(2021年冬号)より転載