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デザイナー・深澤直人さんが語る子育てに必要な「デザインの役割」

ピジョンから登場した新製品のバウンサー『Wuggy(ウギー)』。そのデザインを手がけたのは、なんと世界的なプロダクトデザイナー・深澤直人さんとのこと。そこで深澤さん自身の子育てエピソードを交えながら、デザインに込めた想いなどを教えてもらった。

アメリカでの育児経験を
思い出した、Wuggy開発

企業のデザインやコンサルティングを多数手がけ、国内外で高い評価を受ける日本を代表するプロダクトデザイナーの深澤直人さん。今回『Wuggy』のデザインを手がけるにあたって、日本とアメリカでは育児への考え方が根本的に違うと改めて感じたそうだ。

「僕自身はアメリカで子育てを体験しました。アメリカでは、男性が育児に参加するしないといった議論はすでになく、参加するのは当たり前のこと。ベビーベッドなどを自分で手作りしながら、子どもが産まれるのをワクワクして待っていました」。

アメリカのカルチャーに興味もあり、自然に育児参加したと話す深澤さん。『Wuggy』は、赤ちゃんがブギウギダンスを踊っているようなイメージから名づけられたという。

「スマホといえばアイフォン、音楽プレイヤーといえばウォークマン、といったように製品名がそのまま代名詞になっているように、バウンサーといえば『Wuggy』というイメージを持たせたかったんです」。

まるでロシアの民芸品マトリョーシカ人形みたいに見える『Wuggy』。フレンドリーな可愛らしい印象で、さぞ赤ちゃんが座る姿は愛らしいことだろう。

Wuggyが広げる、
家族の絆と新たな世界

プロダクトデザイナー・深澤直人さんと『Wuggy』

男性が育児に参加するは当たり前と話した深澤さん。かつてアメリカに住んでいたときにはどのように参加していたのだろうか。

「生まれてきた子どもにとっても僕ら両親にとっても全てが初めての体験、同じスタートです。僕たちは、実際に触れ合うことを大切にしていましたね。常に子どもの目線まで下げて喋ったり、大人と同じ目線に上げるようなテーブルの座らせ方をさせるなど、同じ目線で体験させるようにしたり、毎週土曜日は朝の散歩に行ったりなど、二人で決まり事を作って、自然と子供と一緒に学んでいった気がします」。

『Wuggy』開発にあたっては、その当時のエピソードがヒントになったという。

「娘がある程度自分で動けるようになると、キッチンに入ってこないように柵を作ったのですが、柵の内側と外側で物理的にも精神的にも距離を感じた気がしたんです。そこでバウンサーを使ってみたらグズっていた娘がキッチンにいる僕を見てにっこり笑ってくれました。きっと床から見える角度が重要で、姿が見えることに安心感を持つのでしょうね」。

従来のバウンサーといえば、ちょっとしたときに赤ちゃんを座らせておく場所と言ったイメージ。『Wuggy』には親子の絆を繋ぎ、赤ちゃんも大人も笑顔になる。そんな願いが込められている。


デザインの力で
子育ての課題を解決!

デザインは購買欲につながる大切な要素のひとつ。数々の名プロダクトを生み出してきた深澤さんだが、自身の好みを基準にデザインを考えたことはないと話す。

「新商品を作るときは、使われているシーンや、暮らしの環境をフォーカスしながら考えます。『みんなこう思っているんだろうな』という些細なことの中から共通項を見つけることができれば、最適解があるはず。そこをブレのないよう突き詰めて完成させていくことがほとんどです」。

デザインを考える上で、苦労することはあまりないと続ける。

「課題解決に向けて、社会を大きく変えていくのがデザインの力。ユーザーの立場で考えれば、自ずと求めている答えが見えてくるはずです。もちろん性能や安全性に関してはピジョンの技術者と作り込んでいるので、赤ちゃんはきっと心地よいと思います」。

その考えは子育てにも生かせそうだ。

「デザイナーでなくとも、パパやママが親として相手の立場に立ってものごとを考えるデザイン視点を持ちながら赤ちゃんのために行動することは大切です。でも、日本では働くということに対してメリハリがはっきりしていたり、時間の拘束も厳しいので、アメリカと比べても仕事と生活や育児との時間配分が異なりますし、まだまだ仕事と育児の両立が難しい環境にある人も多いと思います。そんななか、ピジョンのような会社が大きな手助けになってくれるのは間違いありません。『Wuggy』を通して赤ちゃんと家族が楽しむ一緒の時間が増やせるなら、嬉しい限りですね」。

DATA

『Wuggy(ウギー)』

心地よくフィットする立体縫製のシートやフレームの設計により赤ちゃんのからだを包み込む『Wuggy(ウギー)』。赤ちゃんの成長や体格にあわせて位置を調節できるヘッドピローや赤ちゃんのからだを包む立体設計の「しっくりシート」、ふんわりした乗りごこちの「さらさらクッション」、手足があたっても痛くない「やわらかフレーム」など、赤ちゃんのごきげんな乗りごこちが続く機能が充実している。

カラーはアーバングレーなど、インテリアに馴染んで使いやすいベーシックな4色展開。

●商品名:Wuggy(ウギー)
●カラー:3Dメッシュ ナイトオーシャン、3Dメッシュ クリアスカイ、3Dメッシュ ピュアサンド、3Dニット アーバングレー
●メーカー希望小売価格:25,000円(税込価格:27,500円)
●使用月齢範囲:1ヵ月~30ヵ月(最大体重:15kg以下)
●製品重量:ニット2.6kg / メッシュ2.7kg
●角度調節:3段階(リクライニングの調節目安:ローポジション 7kg以下、ミドルポジション 10kg以下、ハイポジション15kg以下)
●サイズ:W430×D745×H500/560/620(展開時)、W430×D890×H120(折畳時)
●安全基準:SG基準(バウンシング形)適合

Profile

深澤直人
プロダクトデザイナー。人の想いを可視化する静かで力のあるデザインや思想に定評があり、国際的な企業のデザインを多数手がける。2018年、「イサム・ノグチ賞」を受賞。多摩美術大学教授。日本民藝館館長。良品計画デザインアドバイザリーボード。

編集後記


実際に『Wuggy』を使わせてもらいました!

9ヶ月になる筆者の娘はとても汗っかき。そのため暑くなってくるとグズりがちなのですが、ムレにくい仕様の3Dメッシュのシート生地は通気性が良く快適なのか、いつもより機嫌がいいように感じました。

また、あまり沈み込まず座り心地も良さそうなので、これなら深澤さんのようにキッチンの内と外でコミュニケーションを楽しめるかもと思いました。写真は深澤さんに倣ってキッチンから撮ったもの。食事の際も『Wuggy』に乗せていると目線が揃ろうので、家族で食卓を囲んでいるような気分になれました!




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