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時事・コラム

【世界の子育て】寝かしつけのプロや子供向けPCR検査が登場!? 注目ニュース6選

子供を寝付かせるプロに、屋外で演劇を行うシアターデリバリー。世界に目を向ければ、ユニークな子供向けサービスや子供のためのアイテムが日々登場している。

FINLAND

赤ちゃんの肌にも、環境にもやさしい
フィンランドのムーミンおむつ


ムーミン生誕75周年記念のバルト海の環境保全キャンペーンにも協賛した実績がある、環境派おむつ。

フィンランド人なら1度はわが子にはかせたい「ムーミンおむつ」。テープタイプとパンツタイプがあり、2~26㎏までの子供のおしりを守る。この100%フィンランド産の紙おむつを製造しているのは、フィンランドのおむつ老舗ブランドDelipap社。

安全で肌にやさしく、環境にもやさしいおむつの原材料は、FSC認証のフィンランドの針葉樹林で、塩素、香料、ダイオキシンなどの化学物質が一切含まれていない。塩素を含まないため、100%ごみ焼却廃棄物として処分することも可能だ。

ムーミンファンはもちろん、フィンランドの美しい自然を次世代に残したい子持ち家庭が愛用している。

文:靴家さちこ

FRANCE

コロナ禍で出産手控え
仏でも予想に反して出生率低下


パリ市内チュイルリー公園を歩く親子。 ©Yukinobu Shuzui

少子化対策が成功したといわれるフランスで出生率が低下している。フランス国立統計経済研究所によると出生率は2014年から毎年低下。理由は出産年齢の高齢化、出生率を支えていた移民家庭において2世または3世が多くの子供を望まないことなどだ。

コロナ禍当初、巣篭もりによりベビーブームが起こるとの予想もあったが、前年と比べ2020年11月から2021年2月まで出生率は大幅に減少。同年3月にようやく前年と同じ状態に戻った。コロナ禍で出産を控えた人は多く、ロックダウン中の生殖医療センター閉鎖も影響している。

文:守隨亨延

USA

子供の眠りを手助けするプロ
「スリープコンサルタント」が人気に


「クライアントが『子供が夜眠れるようになった』と笑顔を見せてくれると、やりがいを感じる」と、ナタリアさん。 ©Natalia Eyler

夜眠れない乳幼児の眠りを手助けする、民間資格の「スリープコンサルタント」。子供が1人で寝られる習慣がつき、家族全員がハッピーになれると、依頼をする人が増えている。

生後6週間から5歳までの子供の眠りを手助けするのは、ナタリア・イーラーさん。6週間の期間中、毎日電話でアドバイスをしながら、空腹、歯が生えてきて痛い、熱があるなど子供が寝られずに泣いている理由を見つけたり、1日の様子を書いたノートを母親と一緒に振り返ったりする。

キーポイントは、母親とタッグを組んで乳幼児のニーズを探り、眠りに導くことだという。

文:大山真理

ITALY

劇場が自転車でやってくる!
屋外の「シアターデリバリー」が大人気


学校再開後は学校への出張サービスも強化。校庭や公園などがシアターに変身。

イタリアでは新型コロナウイルス感染防止のため、劇場の閉鎖が長く続いてきた。しかし、劇団「バルボナッジョ・テアトラーレ」はその間も、今流行のフードデリバリーのようなスタイルで、注文客の希望の場所まで自転車で出張する “シアターデリバリー”を行っていた(2021年5月時点は規制により屋外のみ)。

もともとは演劇初心者に気軽に楽しんでもらうためのシステムだったが、コロナ禍の影響で大人気に。この動きはイタリア全土に広がり、今では各地の劇団とも提携している。子供たちが気軽に屋外で楽しめるシアターデリバリーは、劇場再開後も引っ張りだこだという。

文:田中美貴

USA

夏休み、新しいことにチャレンジ!
オンラインサマーキャンプ


スライムを作って楽しむ女の子。プログラムは、オンタイムでカウンセラーやコーチが指導。バーチャルのキャンプファイアーもあって、本格的! ©Happy Camper Live

多彩なプログラムを通して、将来に役立つスキルが学べるサマーキャンプ。日常を離れていつもと違う体験ができるため、アメリカ文化では、大きな役割を担う。「4歳から11歳の子供たちがオンラインで参加しています」と話すのは、Happy Camper Live(ハッピーキャンパーライブ)の創設者アリソン・ミラーさん。

プログラムは、スポーツ、アート、音楽など100以上。中でも人気なのは、科学・数学・技術領域を横断的に学べるSTEM教育、手品、アートなど。新しいことにチャレンジして、新たな熱意を見つけたり、これまでやってきたことのレベルアップにもつながったりする。

文:大山真理

ITALY

ペロペロキャンディ感覚の
PCR検査キットを開発


“ペロペロキャンディ”タイプのPCR検査キット。実際は白い棒状のものだが、「キャンディをなめるようにやってごらん」と説明することで、子供が検査を嫌がりにくくなる。 ©Microbiologhe Università degli Studi di Milano

PCR検査(特に鼻咽頭検査)は大人でも辛いもの。そんな中、検査を嫌がる子供たちのためにミラノ大学の研究チームによって開発されたのが、口に含むことで唾液を摂取するタイプのPCR検査キット「ロリポップ」だ。同大があるロンバルディア州ではすでに認可され、イタリアの他の州も承認要請を進めている。

「ロリポップ=ぺろぺろキャンディ」という名前は子供に親しみを持ってもらうように命名されたもの。同大研究チームによると、鼻咽頭検査と同様の精密度で発症前の感染も発見できるという。


ミラノ大学臨床微生物学研究チームの中心となったヴァレンティーナ・マッサ教授(左)とエリザ・ボルギ教授。 ©Microbiologhe Università degli Studi di Milano.

文:田中美貴


FQ JAPAN VOL.59(2021年夏号)より転載



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