子供の才能を伸ばすために、最初から諦めちゃいけないが、見極めは肝心
2014/05/19
引き際を見極めて
子供の人生を豊かに!
あらゆるステージで常に1位になった人だけが、最高のステージに立つことができる。それが現実。最高のステージに立つ人の足下には、彼もしくは彼女に負けた何千何万もの敗者の山があることを忘れちゃいけない。「諦めなければ夢は叶う」なんて言う人もいるけれど、最高のステージに立てる可能性よりも挫折者の1人になる可能性のほうが高いんだという現実を忘れちゃいけない。
あらゆるステージを1位で通過していけるならいつまでも夢を追いかけていけばいいけれど、レベルが上がっていくに従って、順位が落ちていくのに、それでもいつまでもトップを目指そうとするのはアホだよ。どこかの時点で現実を受け入れ、諦める勇気をもたないと人生を楽しめない。トップレベルの音楽家やアスリートになることばかりが人生じゃないんだから。
夢破れ、敗者の山の一部になったとしても、努力は無駄ではないよ。普通の人よりちょっぴりうまい音楽やスポーツを、人生を豊かにするためのツールとして楽しめればいいんだから。
PROFILE
鈴木光司
1957年生まれ。作家。2人の娘を持つDAD。1990年「楽園」(新潮文庫)で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。その後「リング」「らせん」(ともに角川ホラー文庫)が大ヒット。元祖イクメンとしてFQ JAPAN創刊時より連載ページで自身の育児や愛妻術など父親としてのあり方を提言。
※FQ JAPAN vol.23(2012年夏号)より転載
Photo >> HAYATO IMAI Text >> TOSHIMASA OTA
(2014.5.19up)