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インタビュー

りゅうちぇるさんが語るオモチャの選び方「自分と違う性別のオモチャを好きでいい」

固定観念にとらわれないファッションやメイク、機転の利いたトークなどで男女問わずファンの多いりゅうちぇるさん。今回は「オモチャと性別」について、1児の父親でもあるりゅうちぇるさんの考えを伺った。

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「女のオモチャだ」と言われ
傷ついた子供時代の記憶

2016年にぺこさんと結婚し、今では2歳の男の子・リンク君のパパであるりゅうちぇるさん。リンク君はおしゃべりが上手で、カラフルなオモチャで遊ぶのが大好きだと言う。りゅうちぇるさんにとっても日々の生活の一部になったオモチャについて、幼少期の思い出をお聞きした。

「僕はファッションドールやメイクも好きだし、電車のオモチャも大好きな子供でした。女の子っぽいオモチャも親が買ってくれていたからか、子供の頃からオモチャに対して男女差の意識はあまりなかったです。でも3人いる姉の影響もあってキラキラした可愛いものが身近で好きだったのに、家の外では同級生から『女のオモチャだろ』なんて言われて傷ついたりもしましたね」。

最近はさまざまなメディアで「オモチャと性別」について自身の考えを話したことが話題になった。

「僕が子供の頃に傷ついたこの出来事は、僕が悪いわけでも、その同級生が悪いわけでもないと思うんです。小さい頃からテレビCMで見るお人形遊びをしているのはみんな女の子で、『お人形は女の子のオモチャ』って思い込むのも無理はないと思います。つまりこれってメディアや大人の固定観念がかなり影響しているんじゃないかなって思って。

『自分の性別と違うオモチャを好き』で『自分っておかしいのかな』と思ってしまっている子に、そうじゃないよ、好きって言っていいんだよということを伝えたかったんです。最初から性別を決めつけてしまうことで子供やオモチャの可能性を狭めてしまうから、オモチャも『女の子が遊んでいる電車のCM』だったり、『おままごと遊びの中に男の子が混ざっている』など、もっと自由でいいと思います」。

どんなオモチャを選んでも
僕とぺこりんはリンクの味方


2歳の男の子の父親として、オモチャを与える際に気を付けていることはあるかと尋ねると、笑顔で答えてくれた。

「全然ないです。僕の子供の頃のように、リンクはプリンセスもシルバニアファミリーもトーマスも大好きです。オモチャを買うときには、支援センターなどでリンクが好んで遊ぶものを覚えておいて、あとから買ってあげたりしています。それが男の子っぽいとか女の子っぽいとかは関係なく、リンクが好きなもので僕たち親もいいなと思うものを選びます。ままごとキッチンが好きそうだったので、家の雰囲気に合うように赤色のものを買ってあげたら、とても楽しそうに遊んでくれています」。

両親がオモチャに対して固定観念がなく、子供が色々なオモチャと触れ合える環境にいると、きっと先入観なくフラットな思考が育つだろう。しかし、社会にはいろんな価値観を持った人がいて、悪意なく否定されることがあるかもしれない。

「リンクが少し大きくなって、もしかしたら友達に『女の子のオモチャで遊んで変なの』なんて言われてしまうことがあるかもしれませんが、『自分の好きなもの』を恥じずに大切にしてほしいと思っています。それを貫くのは難しいかもしれないけれど、僕とぺこりんは絶対味方でいるから。

それに僕自身の体験として、自己肯定感が高まると周囲に何を言われても大丈夫だと思えるんですよね。僕は両親に『愛しているよ』『そのままのあなたが大好き』とたくさん言われて育ったので、自己肯定感がめちゃくちゃ高くて(笑)。両親がそうしてくれたように、僕たちもリンクに毎日欠かさず『愛しているよ』と伝えているし、これからもずっと続けていきたいと思っています」。



PROFILE

りゅうちぇる(RYUCHERU)
1995年、沖縄県生まれ。個性的なファッションと強烈なキャラクターで注目を集め、多数のバラエティ番組に出演。2016年12月にモデル・タレントのぺこと結婚。1児の父となった現在は、育児やダイバーシティに関する発信が注目を集めている。


写真:松尾夏樹
文:松永敦子

FQ JAPAN VOL.58(2021年春号)より転載

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