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コロナ禍で出生数が大幅減。約9割のママが抱える妊娠出産・育児の不安を乗り越えるには?

子供を望むカップルや産前産後のママたちは、赤ちゃんへの期待とともに様々な不安を抱えている。まだまだ先行きが見えないコロナ禍での妊娠出産・育児を乗り越えるために、パートナーや家族にできることは何だろうか?

2020年の出生数が大きく減少

コロナ禍に見舞われた2020年、日本の出生数が前年比で約1万7千人減少したことがわかった(厚生労働省2020年12月21日発表)。平時でさえ風邪などに細心の注意を払う必要がある妊娠出産だ。パパママは神経質にならざるを得ない。

しかし、こうも長期化する中で、妊娠を自粛すればいいというわけにもいかない。株式会社ステムセル研究所は2月4日の「妊娠の日」を前に、全国の妊婦433名を対象とした「妊娠出産に関する意識調査」を実施。浮き彫りになった妊婦の不安要因から、コロナ禍での妊娠出産を乗り越えるために必要なことを考えよう。

約9割の妊婦が出産に不安

まず「妊娠期間や出産、子育てに関する不安の度合い」を尋ねたところ「かなり不安(30.5%)」「やや不安(58%)」合わせて88.5%が不安を感じていることがわかった。

さらに「不安の度合いに、新型コロナウイルスに関する事柄が影響しているか」を質問すると、91.7%が影響していると回答した。

具体的な不安要素としては、「自身の感染(86.6%)」がもっとも高く、ほぼ並んで「パートナーや家族の感染(86.4%)」、「赤ちゃんへの影響(80.4%)」と続いている。「産後の新型コロナ禍での育児」も66.1%、「外出控えによる運動不足、体調管理」も46%と大きな不安要因であることがわかった。
調査ではコロナ禍で実際に出ている影響についても尋ねている。「家計は増減したか」について、「大幅に減った/減りそう(12.7%)」と「やや減った/減りそう(39.7%)」とで半数以上が家計にマイナスの影響を受けている。政府は感染終息と経済の舵取りに苦戦しているが、ここにもその難しさが伺える。

また出産に関する身の回りのことへの影響としては、「産後に家族や友人と面会ができない・制限がある(83.1%)」、「立ち合い出産ができない・制限がある(82.9%)」といった回答が目立つ。「妊婦健診にパートナーが同行できない(74.1%)」や「母親学級や両親学級の中止(61.4%)」といった出産・育児を支え合う家族やパートナーへの影響も大きい。
そして「コロナ禍での出産や子育てについて、医療や健康面での不安があるか」の質問に対しては9割以上が不安と答える結果となった。

一方で、難病や重大な病気の治療に活用できるさい帯血バンクへの期待が高まっていると数字に表れており、コロナ禍をきっかけに健康への意識の向上も示唆されている。

当事者を決して孤立させない

調査結果から見えてくるのは、家族をはじめ地域などコミュニティで出産を支える仕組みの重要性、そして情報提供やコミュニケーションの機会といった公的支援を途絶えさせないことの必要性だ。そうした背景からも、行政や病院では両親学級をオンラインで実施するなどの対応が進められている。

しかし、助産師の坂田陽子さんは「安心して出産・子育てに取り組めるように、病院や行政だけでなく、企業や地域のサポーターも積極的に関わる協力体制が必要」と語る。

ただでさえ孤独感との戦いでもある妊娠・出産・育児。身体への影響だけでなく、メンタルへの負担のケアにもより心配りが求められる。パートナーをはじめ周りの人々にできることは何か? まずはこれらの不安を共有し、当事者意識で理解することがコロナ禍を乗り越えていくためには不可欠だ。

DATA

<調査概要>
実施企業:株式会社ステムセル研究所
調査対象:全国の妊娠中の20歳~45歳の女性
サンプル数:433人(経産婦220人、初産婦213人)
調査方法:インターネット調査
実施時期:2021年1月8日~1月20日


文:平井達也

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