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インタビュー

「ルールは作らない。子供は自然と学習していくもの」滝藤賢一さんが語る子育ての流儀

主役から脇役、シリアスな演技からコミカルな役柄まで、幅広い演技力で人気の滝藤賢一さん。家庭では4人の子供のパパとして、子育てを心底、楽しんでいる。大家族が円満であり続ける理由、子育てにおける流儀などについて聞いてみた。

子供の前でも素のまま
飾らない子育てが滝藤流

映画、TVドラマに舞台と大活躍を続ける俳優の滝藤賢一さん。2009年に結婚し、現在では3男1女のパパとして子育てにも奮闘中だ。小学校5年生、4年生、2年生の男の子たちはやんちゃなさかり。年長さんの末っ子もとびきり甘えん坊と毎日、賑やかな滝藤家。家ではどんな日常を過ごしているのか、まず聞いてみた。

「夕食なんてもう大変。人数が多いから大皿に料理を用意するでしょう。でも僕が、さて食べようと思ったらもうマグロの刺し身が一切れも残ってないとか(笑)。6人家族なんだからきちんと考えて食べなさいって言ってるんですけどね。仕方ないので子供たちに食べられる前に僕が食べてやろうと、食事の時は戦争です」。



パパだからといって威厳を意識することは一切なし。子供の前でも素の状態だと滝藤さんは話す。まだ幼い子供たちへのしつけについてはどう考えているのか。

「うちは反面教師の方針ですね(笑)。僕は言葉遣いが悪いからママにいつも怒られてます。子供たちの前で。子供たちはそういう僕を見て学習するという感じ。あれやれ、これやれっていう細かいことも言いません。いろいろなルールを作ってしまうとそれを守らなかった時、怒らないといけなくなるでしょう。だから自分で考えなさいというのが基本です。挨拶だって自然とするようになるだろうし、勉強したくなれば自分でやり始めるでしょう。子供たちにも学校とかご近所とかそれぞれの社会があって、その中で自分なりに育っていくものだと思ってます」。

言ってみれば放任主義。子供たちの自主性を重んじ、細かく言い聞かせすることはほとんどない。一方、ママに対してはきちんと気を配るのが滝藤さんの流儀。家族が楽しく、健やかに過ごせるようにと考えた結果だ。

「ママには精神的な余裕を保ってほしいと。だから僕は子供たちのしつけよりママのケアが大切だと思っているんです。ママが子供たちに勉強した? とか言えば、僕もちゃんとやった? ってフォローしますよ(笑)。なるべくママにはお小言を言わせたくないし、のんびりやって欲しいですから。とはいえ僕が仕事で忙しい時は家事をほとんどできない。ママの負担を少しでも減らしたいとは思っているんですけどね」。

子供が4人もいれば、全員に等しく接することも難しい。ましてや末っ子は女の子。えこひいきしてしまい、子供たちに不満がたまるなんてことはないのだろうか。

「もう末っ子には圧倒的なえこひいきですよ(笑)。お姫様扱い。彼女が何をやっても僕が怒らないからお兄ちゃんたちは時たま不平を言いますよね。でも女の子には優しく接しないとダメだと彼らにはいつも言ってます。段々と男たちも理解するようになってきた(笑)。それに、兄弟同士で助け合わなければならないということはよく言いますよ。男の役目は家族を守ることだと」。



自身は映画監督という夢を追いかけて俳優養成所に入り、いくつも苦楽を経て、現在の地位を掴み取った滝藤さん。子供たちにはどんな人生を歩んでほしいか聞いたところ、優しい笑みを浮かべながらこう口にした。

「まず自分の好きなことを見つけて、夢中になってほしい。子供のうちからやりたいことを一所懸命楽しんでやってほしいということだけです。勉強だって、英語だって、懸垂だっていい。とにかく何か、目指すものに向かってしっかり歩んでほしいんです」。
 

DATA

映画『さんかく窓の外側は夜』
2021年1月22日(金)全国ロードショー


霊を祓うことができる冷川(岡田)、 霊を視ることができる三角(志尊)。ふたりの心霊探偵バディのもとに、刑事の半澤(滝藤)から、連続殺人事件の捜査協力を依頼される。事件現場で遺体を発見するが、そこには呪いがかけられていた。ふたりは事件を解明し、謎の呪いを止められるのか――?

出演:岡田将生 志尊淳 平手友梨奈
   滝藤賢一 マキタスポーツ 新納慎也 桜井ユキ 和久井映見/筒井道隆
監督:森ガキ侑大
脚本:相沢友子
配給:松竹
HP:映画『さんかく窓の外側は夜』公式サイト

©2021映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre

 

PROFILE

滝藤賢一
1976年、愛知県生まれ。舞台を中心に活動後、2008年公開の映画「クライマーズ・ハイ」で知名度を高める。その後、TVドラマ「外事警察」「梅ちゃん先生」「半沢直樹」「半分、青い。」「探偵が早すぎる」「コタキ兄弟と四苦八苦」などの人気作に出演し、その演技力、存在感で不動の人気を獲得している。現在、大河ドラマ「麒麟がくる」などに出演中。


写真:松尾夏樹
文:宇都宮ミゲル
スタイリング:中村みのり
ヘアメイク:那須野 詞(ベレッツァ スタジオ)

着用衣装:ジャケット ¥28,000、パンツ ¥22,000(H.UNIT 086-441-0850)、その他スタイリスト私物

FQ JAPAN VOL.56(2020年秋号)より転載



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