仕事と子育て両立のヒント! 「娘の成長をほんの少しも見逃したくない」斎藤さんの工夫とは?
2020/09/16
かつてアルバイトで働いていた有名IT企業を飛び出し、売れっ子芸人になるために日々“毛”進! 2015年「M-1グランプリ」でみごと王者となった斎藤さんは、今や2児のパパ。その愛らしいパパぶりと斎藤さんがキラキラ輝いているその真相に迫る。
10代で訪れた母親の死
命の一瞬のキラめきを深く愛する
2017年に出版した『ハゲましの言葉』(小学館)で斎藤さんは自らを既に予言していた。「もし娘なんてできたら容易に溺れさせられるほどの愛で溢れさせられる」と。
実際、まもなく2歳になる陽菜ちゃんは、斎藤さんの溢れんばかりの愛に包まれながら、すくすく成長中。名前の通り、太陽のように明るくよく笑い、笑顔はキラキラ輝き、その光で斎藤さんをますます眩しいパパに輝かせる。
「この一瞬がものすごく愛おしくて、瞬間すべてがキラめいていて、娘の成長をほんの少しも見逃したくない、ただそれだけ。待ち受け画面はもちろん娘の写真です」。
斎藤さんは、「命の尊さ」と「命の一瞬のキラめき」をよく理解している。なぜなら17歳の時、最愛の母親をがんで失ったからだ。38歳という若さでこの世を去ったお母さんは、どれほど息子のこれからの成長を楽しみにしていたことだろう。
「最後はがんが脳にまで転移してしまい、まともにコミュニケーションも取れませんでした」。
当時をそうふり返る斎藤さんには、生きている間もっともっと母親とおしゃべりしたかったという後悔の念もあるのだろう。
目の前の笑わない客より、
よく笑う娘!?
「毎日すくすくと成長していく娘の姿をずっと見守っていたくて、ある日、思わず言っちゃったんです、妻に。『いいなあ、1日中ずっと娘と一緒にいられて』って。
そもそも僕は、家事育児はオムツ替え、ミルク、掃除、食事作りまで、あらゆるオペレーションはすべてやるし、女性の育児参加という言葉がないように男性の育児参加をもっともらしく語るのはおかしい、という考えなんです。
育児が仕事よりもラクだろうという気持ちで言ったわけではなく、その日は舞台でスベりまくって落ち込んでいて。言ったあと、妻にめちゃくちゃ怒られました。目の前の笑わない客より、よく笑ってくれる娘に癒しを求めてしまった自分の弱さを深く反省しています」。
こんなに甘やかしていいの?
斎藤さんが出した答えとは
「こんなに娘を100%で甘やかしてしまって、本当にいいのだろうか。この子育てのやり方ではいずれ限界が訪れ、娘に悪影響を及ぼすのではないか。娘に何かつらいことがあった時に乗り越えられないのではないか。娘の躾に良くないのではないだろうか」。そんな悩みを抱えたこともあったという斎藤さん。
「でも、ふり返れば僕はものすごい母親っ子だったし、母は叱りもしたけどいつも同じ視線に立って友達みたいになんでも相談にのってくれる存在でした。思春期でも遠慮なくグイグイ入ってきましたしね」。
何かつらいことがあった時に乗り越える力の源になるのは、やはり親の溢れんばかりの愛。だから斎藤さんは、これまで就職できなかった時でも売れなかった時でも、その眩しいほどのキラキラぶっ飛びキャラでここまでやって来れたのだ。
これまで堂々とハゲネタで笑いをとる人間的な大きさで日本のハゲの価値観を変えた、斎藤さん。かわいらしくもちょっとイケメンで、おもしろくてカッコいいという超モテ要素に「良き夫&良きパパ」の要素が加わるも、まだまだ自分は修行中だという。
最後に読者へのハゲまし(励まし)のメッセージをお願いした。
「子育ても仕事も、両方とも本気でいこうぜ! 僕らは1人じゃ生きていけない。愛するために生きているんだ!ぺ!」。
PROFILE
トレンディエンジェル
斎藤 司
1979年、神奈川県生まれ。2005年、漫才コンビ「トレンディエンジェル」結成。2015年「M-1グランプリ」王者。アイドグルグループ「吉本坂46」のメンバー。パパになってから子育てファーストにシフトチェンジ。2017年より「直撃ライブ グッディ!」のコメンテーターとしてレギュラー出演中。主な著書に『ハゲましの言葉 そんなにダメならあきらめちゃえば』(小学館新書)。2017年に結婚、現在は2歳になる女の子、9月に生まれたばかりの男の子、2児のパパ。
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写真:藤記美帆
文:脇谷美佳子
FQ JAPAN VOL.55より転載