育児応援企業 サイボウズ株式会社
2014/11/18
“時間”と“場所”を意識した働き方で理想的なワークスタイルを確立したサイボウズ株式会社の育児を応援する取り組みをご紹介。
“時間”と“場所”を意識した働き方で
理想的なワークスタイルを確立!
メンバー同士がプロジェクト進捗を共有し、業務効率化、チームワーク醸成に役立つグループウェアの開発を行っているのが、我々サイボウズです。グループウェアを自らフル活用する当社では、社員のライフスタイルを尊重すべく合理的な就労体系の改善を行ってきました。2013年には「東京ワークライフバランス認定企業」選定、2014年には「働きがいのある会社ランキング」の上位にランクイン、また経産省の平成25年度「ダイバーシティ経営企業100選」を受賞するなど、積極的な取り組みを、社外からも高くご評価いただいています。
そのベースとなる施策として、2007年より〝就業時間〞にフォーカスした時短制度は導入していましたが、最近では、それに加え、〝働く場所〞の選択肢も広げました。就業時間のレンジを「仕事をバリバリやりたいだけやる」「月間40時間までのみなし残業を含むボリューム」「残業一切なし」という3段階、そして働く場所の自由度も3段階に分け、この掛け合わせで合計9タイプの中から、本人が希望するスタイルを選べるようにしました。
各社員には定期的に、希望する就労スタイルの見直しを行ってもらい、また、会社側も本人の希望と職務遂行のバランスが取れるよう調整します。さらに、例えば子供の発熱など、普段のスタイル内で対応しきれない時に適用できる「ウルトラワーク」制度を2012年より導入。この制度は、事前申請をすることで、例外的に普段と違う場所、時間帯での就労を可能としたワークスタイルです。この制度の導入により、一層多様な働き方が可能となり、結果として業務の円滑化にも結びついています。
休暇に関しても、育児休暇は最大6年まで取得可能で、実際に4年4ヶ月を取得したのち、復帰している社員もいます。もちろん多くのパパ社員も取得しています。その他、ボランティア活動や大学院に通うといった「育〝自分〞休暇」も、同じく最長6年の取得を可能とし、また出産・育児だけでなく、介護、自己成長も大きなライフイベントと捉えて対応します。
このように時間と場所の制限で社員がライフスタイルを犠牲にしたり、それが理由で優秀な人材が辞めてしまうのは、会社として望むことではありません。様々な働き方が許容され、各社員の望む人生を送れることが、ダイバーシティ形成にも不可欠と考えます。そして柔軟な就労スタイルの大きな一助となるグループウェアを活用し、働き方のダイバーシティを実践することが、良質なプロダクトを提供していくことにも直結します。また、実際に自社のプロダクトの恩恵に授かることで、モチベーションもアップします。
今後も合理的かつ社員の人生を尊重する施策は柔軟に取り入れていく予定で、最近の施策としては「子連れ出社」制度を試験的に導入しています。これは、子供をどうしても預けられないが、出社したい日などに一緒に出社し、ラウンジスペースでお子さんを連れてきた社員同士が交代で様子を見てもらう取り組みで、今のところ他の社員も好意的に受け入れてくれるので、今後定着していきそうです。
>>>PROFILE
事業支援本部長
中根 弓佳さん
2001年、サイボウズ株式会社に入社。知財法務部門にて著作権訴訟対応、契約、経営、M&A法務を行った後、人事においても制度策定や採用を中心とした業務に従事。法務部長、事業支援本部副本部長を歴任し、現在は財務経理などを含め、これら全般を担当する事業支援本部長に就任。2014年8月より執行役員。2児の母。二度の育児休暇を取得。
サイボウズ株式会社
創業/1997年8月 所在地/東京都文京区後楽1-4-14
資本金/6億1,300万円 事業内容/グループウェアの開発、販売、運用
従業員数/409名(連結)※2014年8月時点
cybozu.co.jp
Text>>MAKOTO SASAYAMA
FQ JAPAN vol.32 (2014秋号)より転載
(2014.11.18 UP)